今回感想を書いていく作品は「星刻の竜騎士(せいこくのドラグナー)」
MF文庫Jより2010年~2015年に刊行されていた全20巻のシリーズ。作者は瑞智士記。イラストは〆鯖コハダ。
※画像はAmazonリンク(1巻および20巻)
まずは本作のあらすじからご紹介。
""竜と契約を交わした少年少女の通う学院。どんな竜でも乗りこなす才能を持っている主人公アッシュは、しかし、自らのパートナーとなる竜に恵まれず肩身の狭い思いをしていた。
だが、とある事件をきっかけに生まれた彼の竜は、なんと少女の姿をしていて――エーコと名付けられた彼女は「あたしがあんたの飼い主なのよ!」と逆飼い主宣言をするのだった! 果たしてアッシュは気難しい美少女ドラゴンを乗りこなすことはできるのか!?""
当時のMF文庫J十八番ともいえる学園ハーレムファンタジー作品ですね。
ということは、やはり注目すべきはそのストーリーや設定、そしてハーレムの部分でしょう。今回はそのあたりを意識して全体的な感想を大きく4つのポイント「設定等を含めた展開」「ハーレムについて」「触手」「その他気になった点」に分けて話していこうかと思います。
ん? なにか一つおかしなものがあります?
それは気のせいですね。
1:設定、展開について
まず、ここについては個人的には突出した可もなく不可もなくといった感じです。
たぶんわたし学園ハーレムファンタジー作品には大体こう言いますけど。
本作の中心にあるのは、気難しい美少女ドラゴンのエーコを乗りこなす、つまりヒロインとの絆を育み共に成長していく過程。そして竜として明らかに特異なエーコに関わる謎やそれを狙う敵と戦っていきたどり着く結末。その中では学園の他のキャラ(主に女の子)とも交流があって、仲良くなったりしてハーレム。という大雑把なストーリーラインとしては外すことのないものですよね。
その中で本作の個性となるのは、ドラゴンと共に戦うこと。これは他の作品における魔法のような特殊な力であり、同時にパートナーとの絆を描くことで竜騎士としてキャラクターの精神的な成長を見せる側面もある非常に美味しいポイント。
またドラゴンと共に戦うことで個人的に良いと思うのは、やはり戦いの規模が大きくなることでしょうか。ド派手な戦闘はやっぱり読んでて楽しい! それからドラゴンと戦う場合と人同士で戦う場合の規模の大きさにバリエーションがつけられるのもいいですね。
そんな具合で進む本作は、巻を重ねるごとに話の規模が大きくなっていき、最後はファンタジー長編らしい世界規模の大問題にというところまで到達しますので、全体的に読んで満足できた作品だと感じています。
2:ハーレム
本作はハーレム作品なので、言うまでもなく多数の様々な個性を持ったヒロインが登場し、主人公に好意を向けます。そして往々にして主人公は優柔不断であります。なので、ここに関してはもうそういう作品が好きな人には間違いないけど、苦手な人は苦手だろうと思っています。
わたしとしては、可愛いヒロインたちを楽しむ作品としては申し分ないと思いました。読めばきっとお気に入りのヒロインが見つかることでしょう。わたしは8巻表紙の銀髪の子がいちばん好きですね。
主人公の優柔不断さに関してはハーレム作品である以上、ノータッチにしておきますが。優柔不断であっても、鈍感ではない、というのは個人的に好感を持てました。
ヒロインの積極的なアピールや想いを伝えられたときにはそれ受け止めてちゃんと悩みますし、ヒロインの可愛い仕草や表情を見せてくれたときには素直に可愛いと感じている。
さらには特に自分のパートナーであるエーコに対してだけは、主人公としてもパートナー以上の愛情を感じていて、いい雰囲気になったときには自分からも手を出すことがあります。なので優柔不断とはいいますが、相手の気持ちにも自分の気持ちにも真っ直ぐ向き合っているのは本当に良い部分だと思いました。
3:触手
ナニコレ? と思われるかもしれないけど、これについてはもう語らなきゃいけない。
だってこの作品、作品のジャンルに「触手」を付け足さなきゃいけないくらい触手出てくるのですもの……! 触手ってあれですよ、ニュルニュルしていて女の子を襲ってはあられもない姿にするやつですよ。
とりあえず、イメージとしてはこの作品はほぼ全ての敵が触手を使うと思ってもらっていいです。そしてほぼ全てのヒロインが触手の被害者になって、あられもないサービスカットを提供すると思ってください。
口絵では、全20巻のうち11巻、実に半分以上の巻で触手にヒロインが襲われているシーンがあります。挿絵まで含めたらほぼ全ての巻で触手さんが登場してます。そんな女の子のイラストの数々を手掛けているイラスト担当の〆鯖コハダ先生自身がイラストレーターあとがきにて「この作品といえば触手です」と明言しちゃっているくらいには触手出てくるんです。なんでそこで触手!? と思う場面だって触手出てきますから。とにかく触手なんです。
というわけで、触手好きな人はいちど読んでみてもいいかもしれませんね笑
4:その他気になった点
2点ほどお話します。
・若干展開が早い
本作は全20巻あり、内容としては十分すぎるほどに多いのですけど。それでも時々展開が早いと感じるところがありました。その部分を地の文に語りで飛ばしちゃうのかと思う部分や、もうこの展開まで来るのかと思ったりする部分があった感じです。
・敵が分かりやすいくらいに悪
これは個人的には良い点と捉えているのですが一応言及しておこうと思いまして。
先ほど触手のお話はしましたね。敵が基本的に触手使うと。しかし、ここで敵が人間の場合に限っては、それと同じくらいに非人道的行為を普通にやってくるんですよ。
薬漬け、洗脳、人体実験、大量虐殺とか。目的のための手段選ばない感じ。グロとか血まみれな展開というわけではありませんが、ちょっと胸糞は感じてしまいます。なのでこれは少しだけ読み手を選ぶかもしれません。
とはいえ、そんな明確な悪だからこ遠慮なく倒すことができるのは物語として分かりやすくて個人的には良いと思うところもあります。
おわりに
最後にまとめます。
・全体的に王道学園ハーレムファンタジーという感じで満足な内容にまとまっている。
・ハーレム要素については、主人公が鈍感系ではなく優柔不断系。
・触手によるサービスシーンがものすごく多い。
と、こんな感じですかね。
今回の感想は以上。
気になった方は以下の1巻リンクからチェックしてみてください。
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