ぎんちゅうのラノベ記録

主に読んだライトノベルの感想を書いています。

【シリーズまとめ感想part29】盟約のリヴァイアサン

 今回感想を書いていく作品は「盟約のリヴァイアサン

 MF文庫Jより2012年~2016年に刊行されていた全8巻のシリーズ。作者は丈月城。イラストは仁村有志

盟約のリヴァイアサン (MF文庫J)盟約のリヴァイアサン II (MF文庫J)

※画像はAmazonリンク(1巻および2巻)


 

 いつものようにあらすじ紹介から。

 

 ””人類がドラゴンという脅威にさらされている現代。ドラゴンに対抗できるのは魔術で創造した蛇《リヴァイアサン》とそれを操る《魔女》と呼ばれる少女たちだけだった。

 主人公、春賀晴臣は魔女となる少女とリヴァイアサンとの契約を仲介することを生業としており、幼馴染の魔女アーシャからの要請で東京へと戻ってきたのだけど――””

 

 ジャンルは現代ファンタジーですね。銃皇無尽のファフニールなどでも見る現代世界で何らかの脅威があるような世界観。

 そんな本作の感想なんですが。

 

「メインヒロインとは??」

 

 これに尽きます。

 ファンタジーの面白さだとか、バトルシーンの熱さだとか、そういったものを全部吹き飛ばすくらいにこの感想しか出てきません。

 

 なので、今回はこれについて話します。

 そのためもう今回はネタバレしまくります。

 以下、ネタバレを見たくない方はブラウザバックをお願いします。

 

 

感想:メインヒロインとは??(ネタバレ注意)

 本作は1巻のあとがきにおいてWヒロイン作品と言われていました。

 

 Wヒロインとなる二人は、あらすじにも登場した晴臣の幼馴染であるアーシャさん(本名アナスタシア・ルバシヴィリ。1巻表紙の子)と、東京に戻ってきた晴臣がそこで出会う少女、十條地織姫(じゅうじょうじ おりひめ。2巻表紙の子)。

 

 ここで問題となる本作の「メインヒロインさん」はアーシャさんの方です。

 

 結論から言いますと、アーシャさんは負けヒロインになります。

 しかし、わたしは彼女を負けヒロインとは認めない。

 

 だって、彼女はそもそもヒロインの戦いに参加できてないんだもの!!!

 

 でも、アーシャさんは間違いなくこの作品のメインヒロインなんだよなぁ!

 

 ……何を言っているか分からないと思います。

 わたしも分かりません。なので、要点を箇条書きしますね。

 

・アーシャさんは晴臣の幼馴染である。

・アーシャさんは晴臣のことが恋愛として好きだ。

・本作のヒロインはアーシャさんと織姫を含めて全部で4人登場する。

・3巻あたりから、他の3人のヒロインたちが主人公との関係性を深める展開があるとき、大体そこにアーシャさんだけがいない。

・他の3人のヒロインにはドキドキしたりする晴臣は、アーシャさんだけは最初から最後まで幼馴染としてしか見ていない。

・本作の看板娘はアーシャさんである。

・物語として、アーシャさんがいなかったら間違いなく晴臣たちは全滅していた場面が何度もある。

・作者からいちばんネタ扱いされ玩具にされていたのはアーシャさんである。

・読者からの一番人気だったのはアーシャさんである。

 

 こんな感じですかね?

 つまるところ、作品の顔であり物語として常に重要な役割を果たし、作者からも読者からも好かれているヒロインがアーシャさん。

 しかし、どういうわけかその一方で、主人公からは全く見向きもされないで、明らかに露骨に恋愛イベントからハブられているヒロインがアーシャさん。

 

 どちらにせよ、明らかに特別な立ち位置にいるヒロインなんです。これってすごくメインヒロインっぽいんだけど……。

 

 ……うん、メインヒロインってなんだろう?

 主人公と結ばれるヒロインがメインヒロイン?

 それとも作品の看板娘になればメインヒロイン?

 

 最初に言ったことを再度言いましょう。

 アーシャさんは負けヒロインではないのです。だって、そもそもヒロインレースには参加できてませんし。たとえどれだけ彼女ががんばってアピールをしようとしても、主人公からはそもそも恋愛対象のヒロインとして認識されてませんし。更に言えば、四人のヒロイン以外にも、ラスボスの子がエクストラヒロインみたいな立場にいますが、その子の方がアーシャさんよりも主人公と恋愛的な雰囲気出してますし。その結果、最終巻を終えて、アレですし……。

 言ってしまえば、アーシャさんって恋愛ゲームの攻略不可能ヒロインなんですよ。

 負けるわけがないんですよ。

 

 そう、言ってしまえばアーシャさんは「絶対に負けない幼馴染メインヒロイン!」……まー、絶対に勝つことも絶対にできないんですが。

 

 なんて悲しい業を背負った子なんでしょうか……。

 



おわりに

 こんなにも一人のヒロインの作品内での立場が明確に”特別”だった作品は他に見ないですよ。というか、あまりにも一人だけ明らかな差別化されすぎてて本当にそれ以外が目に入ってこないんですわ。

 そういう意味で、この作品を読んでの感想は「メインヒロインとは??」の一言しか出てきません。

 

 この作品は、とりあえず一回読んでみてほしいです。

 現代ファンタジー作品としては王道で真っ直ぐな面白さがあるので、メインヒロインさんの問題を除いて見ても間違いなく面白いので。



 今回の感想はこんなところで。

 気になった方は以下に1巻のリンクを貼っておくので気になったらチェックしてみてください。

 

Amazonリンク

盟約のリヴァイアサン (MF文庫J)

BOOKWALKERリンク

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