ぎんちゅうのラノベ記録

主に読んだライトノベルの感想を書いています。

【新作ラノベ感想part3】ゲーム・オブ・ヴァンパイア

 今回紹介するのは2022年11月電撃文庫新作の「ゲーム・オブ・ヴァンパイア」です。

ゲーム・オブ・ヴァンパイア (電撃文庫)

※画像はAmazonリンク

 

 

あらすじ

 吸血鬼が人を襲う、災害が起こる現代。
 吸血鬼による殺人事件をきっかけに天霧学園の高等部へ潜入し、学園に潜む吸血鬼を捜し出すことになった汐瀬命。
 命は吸血鬼を駆除する公安吸血鬼災害課にいながらも、過去に大吸血鬼である『支配の君』に血を分け与えられ、望まぬ魅了の能力を授かった半吸血鬼だった。


「命の恋人役、最高じゃないですか!」


 サポートとして一緒に潜入する同居人の陸田真子とともに捜査する中で、命は魅了を駆使し4人の生徒を候補者とした。
 学園中から敬愛される久嶺ミライ、経歴に多くの謎を持つ玖村アサ、その言動から多くの生徒たちに恐れられる風囃ユメ、内気で天才ピアニストの美調ヒカリ。
 この中に吸血鬼がいる――しかし事態は思わぬ方向へと転がっていって――!?
 吸血鬼の戯れ、ここに開幕。

 

感想

 序盤から中盤までは吸血鬼が蔓延る世界観とそこで起こる吸血鬼による事件、そしてそれに関わる主人公の背景などが描かれサスペンスなどこか不穏な空気感で淡々と進んでいた印象。


 しかし、終盤でそれが一転!

 

 真相が明らかになる中で魅せられる感情の強さに一気にグッと惹きつけられた! 何よりも吸血鬼が起こす事件が悲惨であり救いようがないからこそ、そこに巻き込まれる人の想いが輝くというものですね。とはいえ結局のところ、まだ本当の問題が解決していないので続きがどうなるのか……、是非続きも読みたい!

 

 というのが率直な感想として、少しだけ付け足すと。


 正直わたしみたいなメタ読みをする人間だと真犯人が割と序盤で……、というか……の時点で察しがついてしまうので。そういう意味での驚きは無かったですね。


 ただ、その真犯人が何となく分かっていた上でも、じゃあどうやって事件が動いていたのかという問題はなかなか分からないもので、サスペンスのスリルやハラハラ感はしっかり味わえます。てか、この作品の場合は吸血鬼の持つ能力で記憶改竄などがあるから、展開を予想するのは正直難しいよね。

 

 でも、この記憶改竄という要素は、最初にも述べたキャラの持つ想いを際立たせる非常に良いアクセントになっていて。本作のテーマして「本物の愛」というものがあって、常に作中では「強制的に植え付けられた感情」と並べられて描くことで本物の愛というものを表現していたんですよ。

 そして、これが、すごく良かった!


 こうして総合すると、吸血鬼の起こす惨劇や暗い雰囲気をしっかり描きながらサスペンスのようなハラハラ感を感じさせ、その中で主人公や事件に巻き込まれたキャラたちの持つ強い感情を存分に見せつけてくれた作品。
 1冊での満足感が非常に高いです。

 

総評

 ストーリー・・・★★★☆ (7/10)

 設定世界観・・・★★★☆ (7/10)

 キャラの魅力・・・★★★★ (8/10)

 イラスト・・・★★★ (6/10)

 次巻以降への期待・・・★★★★ (8/10)

 

 総合評価・・・★★★☆(7/10) 満足! 続き出てくれ!!

 

※星評価は10段階。白い☆で1つ、黒い★で2つ分。★★☆だと評価は5、★★★★★だと評価は10ということになります。基本的には「面白さ」よりも「わたしが好きかどうか」の評価になります。評価基準に関しての詳細は以下のリンクより。

新作ラノベ感想の「総評」について - ぎんちゅうのラノベ記録

 

 最後にブックウォーカーのリンクを貼っておきます。気になったらチェックしてみてください。

bookwalker.jp