今回の感想は2022年11月のMF文庫J新作「Vのガワの裏ガワ」です。
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あらすじ
プロの高校生イラストレーターとして活躍する千景。そんな彼はある日、誰もが近づきがたいほどに完成された美しさを持つ孤高の少女・果澪から「ママになってくれないかな?」とお願いされる。
この場合の「ママ」と言えばVTuberのキャラクターデザイン――悩む千景に、果澪は突如脱ぎ出し、きわどい水着姿で迫り……!?
果澪の熱意を受け止めた千景は、同じく高校生イラストレーターの桐紗、自堕落な隣人にして大人気個人VTuberの仁愛を仲間にし、VTuber「雫凪ミオ」プロジェクトを発足。全員で果澪を人気VTuberにするべく、動き出す。
VTuberになりたい女子高生と、クリエイター&ストリーマーたちで送る青春ラブコメディ開幕!
感想
想像以上に強烈な個性と熱量に溢れた作品でした!
特にキャラが……ね💦
本作はブイチューバーになりたい少女と、彼女からVのガワを作るママになってほしいと頼まれた絵師の青年から始まる物語なんですけど……、まぁ、まず初見では主人公がヤバい(笑)
簡潔に言えば見た目イケメンの中身ガチオタで、イラスト描くことが命みたいな性格。そして、それが行き過ぎて学校内で女子生徒にモデルをしてほしいと頼み込む変人となり、挙句の果てにはメインヒロインである果澪のことを無断でモデルにしながらイラストを書き、それをSNSに投稿する始末……。
これはヤベェ奴だ、と思わず戦慄しました……。
とはいえ、わたしの場合、こういう頭のおかしいキャラが大好物なのでこれはドン引きでなくむしろ導入の掴みとしてはこうかがばつぐんでした。
※まぁ、でも、正直普通はまずこの主人公がかなり好み分かれそうですけどね💦
あと、一言補足するなら「ぼくのかんがえたさいきょうのイラストレーター」みたいな感じもしましたね(笑)
で、そんな強烈な主人公の盗撮……、無断モデル化? をきっかけに、果澪Vのガワを作って欲しいと言われるようになって始まるブイチューバー育成計画。
正直、ここから終盤までの展開はブイチューバーができるまでの過程をラノベらしく面白おかしく見せていたものの、ブイチューバーになって人気になるまでがトントン拍子に話が進みすぎていて物語としてはやや物足りなさを覚えてしまいました……、んですけど。
違った。
そうじゃなかったです。
起承転結で言う転で一気にキタ。
メインヒロインである果澪が何故ブイチューバーを目指して、何を求めていたのか、それが明らかになったときはまさに衝撃の一言。
主人公の序盤の個性に負けず劣らずで彼女も強烈過ぎると言って問題ないくらい。そしてそんな彼女のうちに秘めていた激情だけでなく、Vのガワの裏ガワというタイトルに込めた意味、表紙絵に込められたこの作品らしさ、そういったものまで一気にストンと呑み込めるようになって……。
いやぁ、これはいい作品だったなと思いました!
ただのブイチューバーモノに収まらず、ちょっと特殊な高校生の少年少女の持つ感情をグッと押し込んだ青春作品としての熱量も申し分ない!
面白かった!
1巻でかなり綺麗にまとまっているので、2巻以降がどうなるのか予想ができないところですけど……あるのならこの1巻のパンチを失わないでほしいです。
総評
ストーリー・・・★★★ (6/10)
設定世界観・・・★★★ (6/10)
キャラの魅力・・・★★★★ (8/10)
イラスト・・・★★★★☆ (9/10)
次巻以降への期待・・・★★★☆ (7/10)
総合評価・・・★★★☆(7/10) 終盤で一気に来る! わたしは見事に呑まれた! これは面白い!!
※星評価は10段階。白い☆で1つ、黒い★で2つ分。★★☆だと評価は5、★★★★★だと評価は10ということになります。基本的には「面白さ」よりも「わたしが好きかどうか」の評価になります。評価基準に関しての詳細は以下のリンクより。
新作ラノベ感想の「総評」について - ぎんちゅうのラノベ記録
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