今回の感想は2022年1月のGA文庫新作「奇世界トラバース ~救助屋ユーリの迷界手帳~」です。
※2022年4月に2巻が刊行、および2巻で完結(打ち切り)です。完結済みシリーズではありますが、今回は新作ラノベ感想として紹介します。ただし、カテゴリーには完結済みシリーズ紹介に用いるものも使用しています。
※画像はAmazonリンク(1巻および2巻)
あらすじ
神秘の巨竜が棲む“迷界”から少女を救い出せ!
知略と勇気で未知の世界を切り開く、異界探索アドベンチャー!
門の向こうは未知の世界─迷界(セフィロト)─
ある界相は燃え盛る火の山。ある界相は生い茂る密林。
神秘の巨竜が支配するそこに数多の冒険者たちが挑むが、生きて帰れるかは運次第──そんな迷界で生存困難になった者を救うスペシャリストがいた。彼の名は「救助屋」のユーリ。
「金はもってんのかって聞いてんの。救助ってのは命がけだぜ?」
一癖も二癖もある彼の下にやってきた少女・アウラは、迷界に向かった親友を救ってほしいと依頼する。
「私も連れて行ってください!」
目指すは迷界の深部『ロゴスニア』。
危険に満ちた旅路で二人が目にするものとは!? 心躍る冒険譚が開幕!
感想
奇々怪々で幻想的なファンタジー世界。弱肉強食、自然の掟に踏み出して始まる心沸き立つ冒険譚。心を閉ざして生きることから逃げ出した少女を繋ぐ少年の手の温かさ。目を開けて前を向けば、そこに広がる大自然が生きる希望を、活力を、勇気をくれる。
そんな素敵な作品。
これ以上に言うことはないですね!
ファンタジーの醍醐味、冒険のワクワク感、一人の少女の心が旅をして色づく様、圧倒的な大自然の持つエネルギー。
そんな魅力がこれでもかこれでもかと詰められた楽しい作品!!!
異世界冒険譚としてこれ以上ないほど素晴らしい!
とはいえ、これだけでは感想短すぎるので少しだけ具体的なお話をします。
この作品は世界観、設定というものが本当に細部まで練り込んであるのが大きな特徴。特に自然環境に関しては群を抜いていました。「この環境だと、こういう生物がいて、こういう生物はこういう習性を持つから、その影響がこうして見られる」のような描写がゼロから作られているんですよね。
だから、読者は自分の知らない未知の大自然、秘境が本当にそこにあるように感じられる。「大自然の膨大なエネルギー」のようなものを肌で感じる、なんて風に言ってもいいかもしれません。
そして、この超盤石な作品舞台があるからこそ、そこに生きるモノたちと、そこで生まれるストーリーが輝いていたのは間違いないことで。弱肉強食、自然界の掟、その恵みを受けて生きる人々、未踏の大地を歩む探索者たち。その全てが合わさり一つの大きな作品世界になっているわけですね。
と、そんな感じです。
読めば自分がその世界にいるかのような不思議な高揚感に満たせる、まさに「心が弾む冒険譚」にふさわしい作品でした。
総評
ストーリー・・・★★★★ (8/10)
設定世界観・・・★★★★★ (10/10)
キャラの魅力・・・★★★★ (8/10)
イラスト・・・★★★☆ (7/10)
次巻以降への期待・・・★★★★☆ (9/10)
総合評価・・・★★★★☆(9/10) マジで最高すぎたファンタジー冒険作品!!!
※星評価は10段階。白い☆で1つ、黒い★で2つ分。★★☆だと評価は5、★★★★★だと評価は10ということになります。基本的には「面白さ」よりも「わたしが好きかどうか」の評価になります。評価基準に関しての詳細は以下のリンクより。
新作ラノベ感想の「総評」について - ぎんちゅうのラノベ記録
最後にブックウォーカーのリンクを貼っておきます。気になったらチェックしてみてください。