ぎんちゅうのラノベ記録

主に読んだライトノベルの感想を書いています。

【新作ラノベ感想part27】死なないセレンの昼と夜 ‐世界の終わり、旅する吸血鬼‐

 今回の感想は2021年10月の電撃文庫新作「死なないセレンの昼と夜 ‐世界の終わり、旅する吸血鬼‐」です。

 ※現在2巻まで刊行中(2022年3月)、2巻は未読

死なないセレンの昼と夜 ‐世界の終わり、旅する吸血鬼‐ (電撃文庫)

※画像はAmazonリンク

 

 

あらすじ

 はるか遠い未来、人類の黄昏――ヒトの終わりに付き添う、吸血鬼の物語。

 

 世界が滅びてから、もうずいぶんと経った。
 だが、干上がり、荒れ果てた大地にへばりついて、どっこいヒトは生きている。
 そしてまた、ヒトではないものも――
 だからあなたも、もしかすると目にすることがあるかもしれない。
 荒野にサイドカーで現れる、オールドファッションなコーヒー屋台と、それを引っ張る、お気楽に退屈な永遠を生きている「吸血鬼(ノスフェラトゥ)」を――。

 

「一杯やってく? 話くらいは聞くけどさ、面倒ごとはごめんだよ?」

 

 それは不死の少女が黄昏の時代に語り継ぐ、ご機嫌でお気楽な、ヒトの終わりの物語。

 

感想

 終末世界ロードノベル短編モノの作品ですね。

 率直な感想としては、良い点も気になる点もアリ……といった感じでしょうか。



 わたしはこの手の作品でいくつか着目するポイントがありまして。

 一言でまとめれば終末世界の世界観にどんな味わいがあるか、ということです。作品によって、同じ終末世界でもその過酷さなのか、その中でも生きる人の営みなのか、何を魅せたいかは変わってきますよね。

 

 本作の場合は、数百年生き続けているセレンだからこその一期一会を大切にしているように感じました。というのも作中で多用される”こういうことのために”という表現。セレンは旅の中で、誰かに、あるいは、何かに出会うことを前提とした備えをしているんですよね。

 不死者であることから、純粋な人間ではない。けれど、だからこそ人間に憧れている。それは2つの人格を持つことにも現れていますし。そんな彼女だから、面倒事に巻き込まれることを疎いながら、同時に数少ない出会いを大切にしているんじゃないかなと。

 

 と、そんな感じで。

 この作品は終末世界を「生き続けるセレン」の在り方が一つ魅力となっていると思いました。

 

 ただ、一方で個人的に気になったのが。

 そんなセレンが生き続けている「世界」の方ですよね。純粋に世界観の掘り下げが足りない、というか解像度があまり良くないのですよ。

 雨が降らなくなり、海も枯れ果て、水を失った世界観、という設定の割にその過酷さが感じられないのです。というか、どうやって水をやりくりしているの? という疑問が湧いてくる。

 

 この世界観に入り込めないと純粋に終末世界作品としての魅力ががくっと下がってしまっているように懐いました。

 

総評

 ストーリー・・・◎

 設定世界観・・・○ or △

 キャラの魅力・・・◎

 イラスト・・・○

 次巻以降への期待・・・○

 

 総合評価・・・セレンの背景と物語の噛み合わせはすごく良い……、のですけどやっぱり世界観で気になる点がいくつかある。

 

 ※記号はざっくりな評価。◎は「すごく良い」「好き!」、○は「普通に良い」「可も無く不可もなく」、△は「個人的に微妙……」くらいです。その他、詳しくは以下の記事にて。

新作ラノベ感想の「総評」について - ぎんちゅうのラノベ記録

 

 最後にブックウォーカーのリンクを貼っておきます。気になったらチェックしてみてください。

bookwalker.jp