ぎんちゅうのラノベ記録

主に読んだライトノベルの感想を書いています。

【シリーズまとめ感想part42】異世界蹂躙―淫靡な洞窟のその奥で―

 今回感想を書いていく作品は「 異世界蹂躙 ―淫靡な洞窟のその奥で―」です。

 ダッシュエックス文庫より2020年から2022年まで刊行されていた全4巻のシリーズ。作者はウメ種。イラストはぽに~

異世界蹂躙 ―淫靡な洞窟のその奥で― (ダッシュエックス文庫DIGITAL)異世界蹂躙 ―淫靡な洞窟のその奥で― 4 (ダッシュエックス文庫)

※画像はAmazonリンク(1巻および4巻)

 

 

作品概要

 まずは本作の概要から話しましょう。

 

 ””勇者によって魔王が倒された平和な世界。

 そこに1匹の魔物が生まれた。ブラックウーズ、犬や牛にも劣る下級のスライムだ。

 しかしそのブラックウーズは突然変異の固体だった。吸収消化しかものの能力まで吸収してしまうという特性があったのだ。ブラックウーズは最初に小さな動物たちを捕食した。その中には毒を持つ生物もいて、ブラックウーズはその麻痺毒を覚えて効率よく動物たちを捕食した。やがて人里で家畜を襲い、果てには1人の人間を捕食する。

 その人間は男だった。

 そしてブラックウーズは女を孕ませる繁殖本能を覚えてしまった……。

 これが全ての悲劇の始まり。ブラックウーズは次々とやってくる人間の雌を襲い、自らを繁殖させるための苗床にしていくのだった。””

 

 というお話。

 ジャンルはダークファンタジー(R18エロ)でしょうか。

 本作はスライムが次々に女の子を犯して孕ませるお話です。触手、陵辱、快楽堕ち。そういったものが好きでない方にはオススメはできない作品。しかし、一方でそう言った作品が好きならハマるだろう一点突破の作品でした。

 

 今回はこれについて感想を書いていきましょう。

 

 

1:ブラックウーズの恐ろしさ

 まずは本作の要となる、スライムブラックウーズについてもう少しお話ししましょう。

 

 既に述べたようにブラックウーズは捕食した生物の特性を吸収します。

 これによって麻痺毒だったり、繁殖させる能力だったりを持つことになり、それ以上に様々な人間を捕食することで徐々に知性も備わっていくのです。そしてここで重要なのが知能――人間のように思考する能力――は持たないこと。

 ブラックウーズは賢くなっていくけれど、その賢さを自らの生殖本能にしか使わないのです。

 

 つまりブラックウーズの行動原理は常に自分が効率的に生きながらえるように働くのです。

 例えば。

 捕まえた女を犯して孕ませる。そこに情などはなく、泣いても叫んでも犯すことを止めない。ブラックウーズにとっては女は全て苗床でしかないのです。しかし、その一方で、ブラックウーズは定期的に女を休ませたり、栄養分を抽出した液体を与えたりします。これは母体を壊さないための配慮。母体がなくなれば繁殖はできないので、ブラックウーズは女たちが死なないようにという意識を強く持っているようです。

 他にも、ブラックウーズは様々な人間を吸収して、自らを滅ぼしかねない勇者の聖剣というものの存在を知ったときには真っ先にその聖剣を破壊しに動き出します。これもまた自らを守るための本能ですね。

 1巻時点でまだ大きく成長していない段階では、人は自分よりも強いことを前提に動く様子も見られます。ワンパターンな戦法になりますが、ブラックウーズは常に闇討ちで初手は麻痺毒で攻撃をします。このような行動もブラックウーズが慎重に、自分ができるもっとも安全で、効率的な行動を選んでいることが分かりますね。

 

 そんな風に”かしこい”ブラックウーズ。

 彼の最も問題であるのは「自らが危険であることを誰も知らない」というところにあります。

 あらすじで述べたようにこの固体は突然変異種です。

 一般的にブラックウーズには知性はなく、毒やら魔法やらは使えず、燃やすか凍らせるかすれば簡単に倒せる魔物です。

 だからこそ誰もが油断をする「スライムごとき」と。

 そしてブラックウーズは最も安全で確実な麻痺毒で獲物を捕らえるという手段を取るので、その危険性に気づいたときにはもう手遅れなんですよね。逃げられない。そしてブラックウーズを見た人は誰も戻らないから「怪しいスライムがいるらしい」という情報だけは広まるのに「具体的に何が危険なのか」が全く広まらない。

 するとブラックウーズは誰にもその異常性を知られないままに成長していくのです。

 

 そしてある日、突然に出現したかのように、人類の脅威となって襲いかかってくる……。

 

 この文字通りに影でひっそり蠢く恐怖、というのが本作のダークファンタジーとしての味になっていたと思います。

 

2:触手陵辱快楽堕ち

 本作を語る上で決して避けられないのはそのエロ描写。

 

 とにかく犯しまくる。ブラックウーズの女を苗床としか思っていない攻め。

 触手から分泌される麻痺毒で体の自由を奪い、人間の男から得た知識で快感を与え、どれだけ強い志を持っている者ですらたちまちに蕩けさせていく描写がとにかく素晴らしい。決して逃れられない、永遠に続く快楽の恐ろしさたるや。魔物に犯される屈辱に耐え忍ぶ女の姿やら、逆にもう心が折れて快楽に身を委ねて壊れていく姿やらを見るのは実にそそられますよね。

 

 そして、ブラックウーズの「とにかく犯す」という方針は決して変わらない一方で犯す相手やその犯し方には様々なバリエーションがあり、これが面白い。

 例えば襲われる相手で言えば、気の強い魔法使い。ご主人様だけを愛していたはずの奴隷少女。正義の志を持つ女騎士。その他にも聖職者、メイド、人妻王女、無垢な姫、けも耳っ娘、……様々なヒロインが犯されていく姿が楽しめます。

 それぞれの相手に対してブラックウーズは、従順な雌になるように、心を折るようにその攻め方を変えていきます。純粋に快楽漬けにするのか、それとも魔物に犯されるという恐怖を教え込むのか、はたまた自分のせいで周囲の人々が犯されているのだぞという罪悪感を与えるのか。

 またブラックウーズは魔力を求めて生きる性質があり、これにより多くの魔力を持っている相手に対してはその全身を嬲るようにして体液という体液を吸収するようにしますが、一方で魔力の少ない相手は自分の子どもさえ産んでくれればいいので薬漬けにして酩酊させてただ犯す、と言った違いも見られます。また、前者に関して言えば、触手だからこそできる荒技のようなもので、尿道やら乳腺やらに触手を埋め込み文字通りに全身の穴という穴を犯す様子が見られます。個人的にこの手のファンタジーらしいエロ描写というのは大好物なので非常に良かったですね。

 

 このような容赦なく犯すけど、その方法に様々なバリエーションがあることで次はどんな女の子を屈服させてくれるのか、どんなふうに堕としてくれるのかという期待が生まれます。

 そして同時に「ネームドキャラは基本的に全員犯される」という安心感を持って読むこともできます。

 さらには前述の影でひっそり肥大化するブラックウーズの成長を見ているといつしか「ブラックウーズがんばれ!」「いいぞもっと犯れ!」という応援する心まで芽生えてくるのです。

 

 なので最初に述べたように触手、陵辱、快楽堕ち、そういったもので女の子が次々に犯されていくような作品が好きな人には堪らない作品となるでしょう。

 

3:1つだけ不満がありまして……

 この作品4巻で完結……、打ち切りになってしまっているんですよね。

 4巻ではブラックウーズと人間の戦いに1つの終止符が打たれた形になっているのですが……、この作品にそういうハッピーエンド的なのは合わないんですよ!

 

 何が言いたいかって、平和の後が大事なんですよ。

 NTRモノのエロ漫画であるでしょう「無理矢理犯されていて嫌だった」「でも、しばらく犯されなくなったら身体がうずいてしまう……」「もう彼氏とのエッチじゃ満足できない」みたいなやつ。

 自分の身体も心もどうしようないほどに壊されてしまったのだと自覚して、よりよい快楽を求めて結局寝取り男の元に戻っていってしまう。

 そこまでしてようやく完全に堕としたことになるんですよ。

 

 だからこの作品にもそれを求めるの。

 ブラックウーズの脅威を一時的に退けたけど、もうブラックウーズに犯されまくった女たちはその快感が忘れられなくて……、という描写。

 この作品は綺麗に終わっちゃダメなんですよ。

 

 

 と言うわけで、わたしはオシリス文庫版を読もうと決めました!

 本作ダッシュエックス文庫で刊行されていた作品ですが、もともとなろう初でオシリス文庫という電子書籍限定の官能小説レーベルで書籍として出版されているらしいです。そちらの方では2022年2月現在16巻まで刊行されているみたいなので、巻数は多いですが、より先の展開が気になるわたしとしては読まざるを得ないという感じですね。

 また、ここまで感想を見てくれて最初から長く読みたいと思う人もこちらを読むのがいいかもしれませんね。

 というわけでオシリス文庫版のブックウォーカーのリンク貼っておきます。

淫靡な洞窟のその奥で(オシリス文庫)(ライトノベル)の電子書籍無料試し読みならBOOK☆WALKER

 

4:巻別満足度と総合評価

 最後に本作の巻別満足度と総合評価です。

 

 まずは巻別満足度。

 どの巻も安定した面白さがある作品でした。

 一方でこの作品は基本的に女の子を触手が犯す!というほぼワンパターンな内容なので特別○巻が面白い!みたいなのは無かったですね。

 

 そして総合評価です。

 シリーズ全体を通しての満足度は ★7.5/10

 しっかり満足できた作品でした。

 

おわりに

 最初から同じことしか言ってませんが、

 触手、陵辱、快楽堕ち! スライムの蹂躙するエロエロダークファンタジーが好きならオススメの作品です!

 

 ダッシュエックス文庫さんは、かなりエロ描写に寛容なレーベルであるのは知ってましたが、ここまで良質なエロを見ることができるとは思ってなかったので本当に良かったですね。

 

 最後に1巻のAmazonリンクとBOOKWALKERリンクを張っておきます。

 

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