ぎんちゅうのラノベ記録

主に読んだライトノベルの感想を書いています。

【新作ラノベ感想part76】Lie:verse Liars(リーバース・ライアーズ) 俺たちが幸せになるバッドエンドの始め方

 今回の感想は2023年2月のMF文庫J新作の「Lie:verse Liars(リーバース・ライアーズ) 俺たちが幸せになるバッドエンドの始め方」です。

Lie:verse Liars 俺たちが幸せになるバッドエンドの始め方1 (MF文庫J)

※画像はAmazonリンク

 

 

あらすじ(BWより引用

 ――それは、嘘と真実が入れ替わった世界。

神隠し》という奇妙な噂が囁かれる、地方都市《森浜市》。かつて天才と呼ばれた人見知り少女・雉子優良希は、街中で 『他の誰にも見えていない、空間に出来た奇妙な隙間』を見つける。現実にはあり得ない現象に戸惑いと興味を抱いた優良希は、自分と同じくこの不可思議な現象を認知できるという青年・ウラに出会い、『向こう側』へと誘われ――

 外界に対して臆病になってしまっていた少女は、現実世界の裏側に存在する《偽世界》と呼ばれる脅威と、《覚醒者》たちと呼ばれる若者たちと関わり、自分の中に欠けている“何か”を見出すことができるのか?

感想

 設定になかなか唆られるものがありますね~

 

 舞台は神隠しの噂がある地方都市。その真実は現実世界の裏側にある《偽世界》という脅威と、それに対抗できる《覚醒者》と呼ばれる者たちの存在だった。みたいな割と王道なローファンタジー世界観だったり。

 偽世界の中では、その人の心を具現化する武器で魔物と戦うみたいなやつだったり。そこから見えてくるのが一癖も二癖もあるキャラそれぞれの背景……、みたいなの。

 こういうのってやっぱり素直に良いじゃないですか。好きですよ。

 

 キャラに関して話すなら。

 今回は表紙にもいる少女(雉子優良希、きぎすゆらぎ)のことが深堀りされていて。特別は敬遠とイコールだと知り人間不信になっている天才少女なアホの子、みたいな感じでこれがなかなか可愛いんですよ。助けてという言葉を言えない、ではなく助けてと言っても意味がないから言わない、みたいな価値観が良いですよね。でも、それは誰とも関わりたくないわけではないし、好き好んで孤独になっているわけでもない……みたいなのとか。見ててグッと来るよ。

 そして表紙の男の方(灰空瑠宇、はいぞらるう)。こいつもまたひねくれた感じで、掴みどころがないキャラでかなり自分本位で動いているから面白いところなんですよ。またこの掴みどころのない男だからこそ、人間不信でどこかズレている優良希との絡みは見てて楽しいですよね。

 その他雉子の仲間になる残り二人の少女。ストーカーと戦闘狂、というくらいしかまだ分かっていないけど、読んでいるとその背景が気になってしまう。

 

 

 設定からキャラまで良い作品じゃないかと、わたしは終始楽しく読むことができました。

 ただ、これを読み終わってから思ったのが「あれ? 設定だけ語って1巻終わったぞ?」というもの。

 

 漫画とのクロスオーバーやら色々あるらしいから(漫画は読んでないですけど)基本的には長続き前提で読んでもいいのでしょうか?

 だとしたら1巻はしっかり世界観を説明して、気になる設定も見せている、という評価で良いのだけど。

 これで続きが出ないのなら1巻として物語としての内容がないのは大きな欠点かなぁと思いました。わたしみたいに設定とキャラだけでも飯三杯はイケるぜ、物語は後々でOKみたいな人間なら読み終わって「あれ?」くらいにしか思わないでしょうけど、物語性を求める人には長々設定やキャラにフォーカスされる本作は冗長に感じるかもしれませんね。



総評

 ストーリー・・・★★☆ (5/10)

 設定世界観・・・★★★★ (8/10)

 キャラの魅力・・・★★★★ (8/10)

 イラスト・・・★★★★ (8/10)

 次巻以降への期待・・・★★★★ (8/10)

 

 総合評価・・・★★★☆(7/10) 良い設定とキャラで楽しめる作品!

 

 ※星評価は10段階。白い☆で1つ、黒い★で2つ分。★★☆だと評価は5、★★★★★だと評価は10ということになります。基本的には「面白さ」よりも「わたしが好きかどうか」の評価になります。評価基準に関しての詳細は以下のリンクより。

新作ラノベ感想の「総評」について - ぎんちゅうのラノベ記録

 

 最後にブックウォーカーのリンクを貼っておきます。気になったらチェックしてみてください。

bookwalker.jp