今回の感想は2024年7月の電撃文庫新作「こちら、終末停滞委員会。」です。
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あらすじ(BWより引用)
終わり続けるセカイの裏には――デカい銃でアオハルしてる学園があった
実は俺らの世界は、密かに滅んでる真っ最中らしい。上野の不忍池に潜む異形、エッフェル塔に張りつく巨大カタツムリ、どう見ても美少女な魔王……。正体も数すら不明のナニカ――“終末”によって。
けど世界の裏では、それに中指立てて闘ってる少年少女がいたんだ。
「あはっ☆ 最強美少女ひかり様の前で神様ごときが頭が高いのだわ!」
「加減しないとパリ市街が吹っ飛びます隊長。……運が良ければ」
終末を停止でもなく、根絶もできず、ただ停滞させるだけ。誰に強いられたわけでもないその生き様は、ただこのクソッタレな世界でアオハルするため!
元・マフィアの下働き(異能持ち)で、クズな経歴の俺だけどさ。ここなら、楽しい学園生活ってのが始まりそうじゃないか?
感想
いやぁ、面白かった!!
これはたまらないですねっ!!
作者の好きと熱量で溢れかえっている!
それを肌でビシビシと感じるような作品でした!!
それだけに感想としてもどこから触れたらいいのでしょう? というくらいにいっぱい言いたいことがあって……、仕方がないので1から順番に言うことにします!(ネタバレとかいうものは、知らん!! とにかく感想書くぞ!)
まず序盤。主人公の境遇とそうなるに至った彼の特異な能力。そこから生まれた彼の願いの根源が描かれると共に、いきなり急転直下の展開の連続。なんだなんだと食い入るように読まされてしまいました。
「え、ファンタジー? いや、異世界転生? 違うのこれはSF?」
と頭の中を可視化したらそんな疑問符で溢れかえっていたことでしょう。
そして同時に感覚的に理解もしてしまいます――「考えるのはあと。これはまずは読まなきゃならねぇ」と。少しでも気を抜いたら振り落とされるぞ、覚悟を決めなきゃ作品に喰われちまう、そんな身震いするようなものを冒頭から感じさせられてしまったのです。
それからようやくといったくらいで少し展開が落ち着いてくると、タイトルにもある終末停滞委員会というものも登場し、そのメンバーから話を聞くことで徐々に世界観や話が見えてくるようになります。しかし見えてきたからこそ、この作品はまだまだ奥が深いぞと、こんなもんじゃないぞという底知れなさまで分かってしまうのが恐ろしいのです。だって序盤からあんなに叩きつけてきたものが、本当にまだまだ序盤でしかなかったんですよ?
そしてこの世界観構築は他作品でも見せられた先生の十八番とも言えるものなんじゃないかと感じる部分。こういう作者の色がいちばん滲み出るような描写が作品の至るところにあるの、こういうのがいっちゃん好きなんですよ。面白いんですよ。わたしのワクワクが一気に加速しました。序盤からエンジン全開だったのに、もう中盤で完全に振り切れてしまっていました!
そして終末にという異能事件のようなものに関わっていく中で学園の仲間との交流を深めていき、その日々が主人公の心にもたらしていくもの。過去に行ったことは消せない、間接的だとしても自分の犯した罪の意識を抱え続ける主人公にとって、それが眩しい青春であると同時に暗い贖罪であるというコントラストがまた非常に効いてきますし。さらにはそんな彼の幸せを心から願うLunaさんが積極的には物語に介入してこないけれど、重要な部分で刺さってくるのがめちゃくちゃ良いですし。何よりもそんな直接的に自分から何かをしようとしないLunaさんの心の中が、この主人公だからこそしっかり分かることができて”繋ぐ”ことができてるのがあまりに強いんですよ。この何て言いますかね、どっちがどっちの心を救っているんだろう? みたいな絶妙な関係性はあまりにわたしに刺さりまくる!
そんな状況からの最後のクライマックスだよ。
読み切ったあとは「なんだこれは!」って言いたくもなってしまった。
だってもうこんなの性癖のバーゲンセールじゃねぇか、ってくらいすっごいのがあふれ出してたんですもの!
メフの戦い、Lunaさんの戦い、何より主人公の戦い。その全てから命を燃やす輝きを放ちながら、人の限界を物理的にも精神的にも超越して、ボロボロになっていく姿がカッコよくて美しいの一言しか出てこないし。その戦いに乗せてそれぞれのバックボーンを語っていくのあまりにズルくないですか? これ本当に1巻かよって思うくらいの熱量が詰まっててもう面白すぎるし、みんな本当にがんばって絶対生き残ってって気持ちにさせられるし、ああもう情緒がかき乱される!
なんやかんやで、読み終わってみると。
「とにかくすごかった……!(放心)」
みたいな感想しか出てきません。それくらいに面白いを純粋にぶつけられたように思いました。
ここまでの流れで触れられてないけど。恋兎先輩のかわいいがあまりにすぎるし。理屈とか全部ぶっとばして最強な恋兎先輩マジかっこよすぎますし。メフや会長も見ててすこすこなキャラですし。終末の設定というか、霊魂アキュムレーターの扉のむこうとか、エッフェル塔の巨大カタツムリとか、臓物マンションの子宮人間とか、どうやったらこんなの思いつくのだろうと言わんばかりにエグくてすげぇものを大量に出してくるの読んでて脳が震えますし。挿絵の異形はちゃんと異形として描きながらも、キャラはめっちゃキラキラしてるくらい魅力的に描けるの最高だなぁと思いましたし。言いたいこととかいくらでもあるやろというくらいに、見所しかなかったですね。
そういうわけで、感想をとりあえず締めますと。
総評
ストーリー・・・★★★★★ (10/10)
設定世界観・・・★★★★★ (10/10)
キャラの魅力・・・★★★★★ (10/10)
イラスト・・・★★★★☆ (9/10)
次巻以降への期待・・・★★★★★ (10/10)
総合評価・・・★★★★★(10/10) 作品の全部から「逢縁奇演」先生にしか描けないモノを感じました、こんなの面白いというしかないじゃないですか。
※星評価は10段階。白い☆で1つ、黒い★で2つ分。★★☆だと評価は5、★★★★★だと評価は10ということになります。基本的には「面白さ」よりも「わたしが好きかどうか」の評価になります。評価基準に関しての詳細は以下のリンクより。
新作ラノベ感想の「総評」について - ぎんちゅうのラノベ記録
最後にブックウォーカーのリンクを貼っておきます。気になったらチェックしてみてください。
