ぎんちゅうのラノベ記録

主に読んだライトノベルの感想を書いています。

【新作ラノベ感想part189】パジャマのきみと、教室で青春を

 今回の感想は2024年8月のファンタジア文庫新作「パジャマのきみと、教室で青春を」です。

パジャマのきみと、教室で青春を (富士見ファンタジア文庫)

※画像はAmazonリンク

 

 

あらすじ(BWより引用

 可愛くて、エモい。4人だけの教室で始まる、青春と恋の物語。

 ――私たち、運命なんだよ。

 そう言っておれに笑いかけてきた彼女は、パジャマが合わさったへんてこな制服を着ていた。

 学校では制服を着る。

 そんな”普通”が許されない、学校から消失した少女たちが集まるのが、高校ゼロ年生の教室だ。

 なぜか彼女達を認識できる特異体質のおれは、頼る相手がおれしかいない病院帰りの美少女お嬢様なゼロ年生・琴守楓花に、学校から消えるという不思議現象の解決に協力することでお近づきになる。しかもその教室には、ほかにも悩みを抱えている不思議な制服の美少女たちが集まっていて――

 夏の京都、世界から消失したヒロインたちと幸せに向かう青春物語。

 

感想

 良かったですね~。

 ゼロ年生の教室という不思議な教室を舞台にした青春ラブストーリー。

 わがままで臆病なヒロインと、ぶっきらぼうで優しい主人公、お互いに友達というものに抱える過去を持つ二人が親友になるための物語が良かったです。



 さて、改めて本作のあらすじを。

””主人公が祖父のお見舞いで向かった病院で出会ったヒロイン。

 彼女は夏休み明けから学校に復帰できるが、友達がいないことが不安なのだという。

 面倒な友達付き合いはしたくない、そう思う主人公ではあるけれど病気がちだった彼女の気持ちを汲んで仕方なく付き合ってあげることに。

 彼女の初登校の日。

 彼女が校門をくぐると、その制服がパジャマのようなものに様変わりしてしまう。

 彼女は高校生になりきれない生徒たちが集まる”ゼロ年生”になってしまったのだ。

 ちゃんとした高校生になるためには、課題をこなさなければならない。

 そして、その課題は――親友を作ること。

 これは彼と彼女が親友になるまでの物語””

 といった感じでしょうか。少し長くなってしまいました。



 本作はちょっと不思議なファンタジーっぽい要素のある青春作品です。

 あまり詳しい設定を話してしまうとネタバレになるので伏せますが。

 ゼロ年生という教室が何のためにあるのか。

 そこに通うことになったヒロインが心に抱えるものとはなんなのか。

 そういう部分が主人公とヒロインの関係が深まるにつれて徐々に明らかになっていくというのがストーリーとしてもメリハリが効いていて面白いと思いますし。わたし個人としても、悩みを抱える少年少女の心の中を、こういう飛び道具な設定を使って魅せる作品というのは結構好きなんですよね。

 ですので、そういう意味でゼロ年生の教室という設定がしっかり本作の味として活かされていたのが良かったと思っています。

 それから、読み終わってみるとこのゼロ年生の教室っていうのがすごく温かいものなんだと感じるのもまた良かったかなと。現実にはこんなものがないからこそ、より一層この教室があったことで主人公もヒロインもその心の悩みに向き合えたんだろうな、と思える感じと言いましょうか。そういうのが温かいと感じるってことです。

 

 また、個人的にこの悩みに踏み込む過程にある二人の心情。

 これも良かったと思っていまして。

 本作は主人公もヒロインも、どっちもどっちで友達を作るということに関しては臆病なんですよね。それはそれぞれの心の悩みであり、過去の苦い思い出であり、ですが。

 そんな二人だからこそ、最初は「病気がちなヒロインに同情して付き合ってあげているだけ」「ゼロ年生の課題なんてよく分からないことに巻き込まれたのを助けるだけ」という”仕方なく”だったり、”打算”だったりというものありきで始まっていた関係性と時間に、徐々にそれだけではない心地良さや楽しさを感じていく……、っていう変化がすごく良いんですよね。

 結局、誰かと一緒にいたいっていうのは、理屈とかじゃないんだなって。そう思える感じが好きでした。

 

 そしてこういう一緒に過ごした時間で気がつけば……、みたいなお話だとなかなかメリハリのついた起承転結っていうのは難しいんじゃないかな? と思っていたりもするのですが、そこが本作ではゼロ年生の課題に向き合うことで上手くカバーできていると。

 これは話が戻ってしまっていますが、やっぱり良いんですよ。

 こういう主人公とヒロインが仲良くなるための物語を生み出してくれる外部設定や環境っていうのは。

 

 また、ヒロインのキャラクター性もちゃんと可愛いヒロインで良かったですね。

 ちょっとわがままで主人公のことを振り回してくるような女の子なんですけど、その言動の節々には臆病な側面、病気がちでそれまで友達がいなかった不安、でもやっぱり誰かと仲良くなりたい本心みたいなものを感じてしまって。

 読者目線の同情、みたいな気持ちにもなってしまうかもしれませんが、少なくともそんな彼女ならわがままの1つや2つは聞いてあげたくなるんですよ。そういう部分では主人公がしっかり受け止めてあげて、仕方ないからと言いながらも彼女を助けてあげる気持ちってのも共感しちゃいますね。



 と、ここまで色々話しましたがまとめると、最初に言ったとおり。

 ゼロ年生の教室という不思議な教室を舞台にした青春ラブストーリー。わがままで臆病なヒロインと、ぶっきらぼうで優しい主人公、お互いに友達というものに抱える過去を持つ二人がゼロ年生の教室というものを通じて、その関係性を深めていく物語が良かった作品ですね。

 

総評

 ストーリー・・・★★★☆ (7/10)

 設定世界観・・・★★★★ (8/10)

 キャラの魅力・・・★★★★ (8/10)

 イラスト・・・★★★★ (8/10)

 次巻への期待・・・★★★ (6/10)

 

 総合評価・・・★★★★(8/10) 不思議設定の青春恋愛は良いですね

 

 ※星評価は10段階。白い☆で1つ、黒い★で2つ分。★★☆だと評価は5、★★★★★だと評価は10ということになります。基本的には「面白さ」よりも「わたしが好きかどうか」の評価になります。評価基準に関しての詳細は以下のリンクより。

新作ラノベ感想の「総評」について - ぎんちゅうのラノベ記録

 

 最後にブックウォーカーのリンクを貼っておきます。気になったらチェックしてみてください。 

bookwalker.jp

 

 

余談(コメント寄稿させていただきました)

 ちなみに。

 余談となりますが。

 本作の応援コメントを書かせていただいています。

 Xの方でファンタジア文庫の編集さんからDMをいただいて、6月の時点で先読みさせていただいていたんですよね。そしてコメントを寄稿したという次第ですね。既にX公式ではそのコメントを見ることができます↓

 

 本当に余談なのですが。

 わたしのこのブログは普段わたしが好きかどうかの感想を書いているわけでして。

 作品の良し悪しとかをしっかり見てオススメですって言うことをしていないんですよね💦

 ですのでこの依頼を受けたとき「もしも読んで良い感想を持てなかったらどうしよう……」とか不安もありまして。編集さんに「コメントはやるならしっかり書きますけど、あとで自分の感想でアレコレ言うかもしれませんがいいですか?」みたいなことを聞いていたりします……(そういうとこだぞ)

 まぁ、ともあれ。そういう経緯もありながら、今回感想が基本的に褒める形になっているのはコメント投稿したなら感想では褒めなきゃいけないとかいう使命感とかは一切なく、素直に良かったと思ってこれを書いています。