ぎんちゅうのラノベ記録

主に読んだライトノベルの感想を書いています。

【新作ラノベ感想part190】ソフィア、君は死んでいないのか? ~魔法研究を引退した俺は、北欧王女の婚約者と学園生活を楽しむ……はずだった~

 今回の感想は2024年8月のMF文庫J新作「ソフィア、君は死んでいないのか? ~魔法研究を引退した俺は、北欧王女の婚約者と学園生活を楽しむ……はずだった~」です。

ソフィア、君は死んでいないのか? ~魔法研究を引退した俺は、北欧王女の婚約者と学園生活を楽しむ……はずだった~【電子特典付き】 (MF文庫J)

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あらすじ(BWより引用

 「いつか世界中を旅して回りたいの。君と二人で」

 フィンランド王国第四王女・ソフィア、それが魔法研究者だった俺・火神陽太の婚約者だ。とある理由で幼い頃から大人に交じって研究生活を送っていた俺たちには『魔法学園に通いながら普通の青春を謳歌する』という夢があった。15歳になって研究者を引退し、明日から彼女との学園都市で同棲生活が始まるはずの入学式当日――海難事故で彼女が死んだとの報が届く。

 それから……どうやって彼女の死体を確認したかはもう覚えていない。次の記憶はいつの間にか帰っていた二人で暮らすはずの新居、ぼやけた視界に幻が揺らめく。これは夢なのか……

 目に映るのは世界で一番大切な笑顔。

 ――なぁ、ソフィア。君は死んでいないのか?

 

感想

 

 あー、そういう感じですか……

 単巻でもかなり綺麗にまとまって感動できる系かと思っていましたが、普通に続巻もありきで進む学園ファンタジー作品でしたね。そういう意味で言えば、ちゃんと面白い作品ではありましたけども。

 

 

 本作はローファンタジー作品。舞台として現実の地名が使われながら魔法が存在する世界のようです。そして幼い頃から交流があって主人公・火神陽太の婚約者となったフィンランド王国第4王女のソフィアが入学式の当日に海難事故で亡くなってしまい、しかし陽太が二人暮らしするはずだった新居に帰ると、そこには亡くなったはずのソフィアがいて……、という導入から始まるお話でした。

 

 ソフィアの死の謎。

 今、目の前にいる彼女は一体誰なのか?

 少なくとも言動は陽太の知る彼女自身で、ソフィアの妹であるリサに身体情報をチェックしてもらっても100%本人であるという。

 しかし彼女の存在はエラーであるかのように学園都市の敷地から出ることはできず……。

 学園都市が管理するデータの中にその秘密がある。

 あらゆる「権利」を実力で手に入れる学園の中で二人は果たして望んだ平和な青春を送ることができるのか……、とそういう感じで話が進んでいき、中盤からはかなり学園ファンタジーとしての色が濃くなっていました。

 そしてこの1巻の山場としても、ソフィアの謎ではなく。今の陽太とソフィアの関係性という部分にフォーカスしており、物語のゴールとしてはまだまだ遠いのかなという感じ。ですのでその辺りは今後の続巻に期待するしかなさそうです……、



 さて、そういうわけで、改めて本作の感想とすれば。

 学園ファンタジーとしては、流石MF文庫Jといった感じでした。学園都市の規模感を十分に感じられ、この作品ならではの魔法設定や理論もあり、世界観や雰囲気はしっかり味わうことができました。

 その中で主人公とヒロインが様々な講義を受けたり、幼い頃から研究者として活動してきたために経験できなかった魔法の実践的活用を学んだりという部分は、設定説明パートであると同時に二人が望んでいた穏やかな日常パートという感じで良かったなと。

 またこの二人の距離感も、婚約者であるからといって甘々な空気ではなく。イタズラ好きで自由奔放なソフィアの方が陽太を振り回しており、惚れた弱みと言わんばかりにそんなソフィアも愛しいとする陽太なので、気の許し合える関係の中に信頼と愛情があるという形が良かったですね。

 特にすれ違いからお互いの気持ちを再確認する展開。陽太の方がソフィアにもうどうしようもなく惚れていることが分かり、ソフィアの方も普段はあんなにも陽太を振り回すのにこういうところではそういう選択をしちゃうんだなぁ……って感じの可愛さが見えてくるのは、個人的に好きなところでした。

 またお互いに研究者であることもあってか、選択講義なんかでは自分の興味で選ぶから自然と別行動になったりもして、やはり二人のイチャイチャに比重が置かれすぎず物語の進行がちゃんとあるようになっていたのは良かったですね。




 と、まぁ、学園ファンタジーとしてはちゃんと面白さがあった本作ですが。

 やはり最初に行ったように個人的には単巻である程度まとまるものを想像していて、ソフィアの謎に関して気になる気持ちが強いんですよね。

 だって結局二人が今をどういう選択したとしても、その真相と真実を受けたら全てが覆る可能性があるんですよ? ソフィアが本当のソフィアであると証明するものは何? 陽太が愛するソフィアとは何? 大事なのは事実? それとも想い? 何を以てしてあなたたちは自分たちの愛を証明するの? ……本作の大きなテーマともなるこの部分が、この1冊だけじゃテーマの提示にしかなってないんですから。

 プロローグで二人の関係性を明確に提示し、そこからソフィアの謎が始まって、冒頭こそ読者のワクワクを引き出す見事な滑り出しであったのに。ドキドキしながら読み進めても、その謎の進展があまり見られずに、真っ当な学園ファンタジーに舵を切ってそこでとりあえず終わり、とするのはあまりにもったいない。

 続巻前提ではあるのでしょうけど、そういう構成であるならばどうしたって肩透かしをされてしまった感は否めません。せめて二人の新しい日常とその中にある疑念によるすれ違いに想いをぶつけ合って解決良かった良かった……、を思い切りぶち壊すような真実の断片を陽太かソフィアどちらかが知ってしまうみたいな叩き落としとかがあっても良かった気がするんですよね……。そうであれば読後感もエグい意味で良かったと思うのですが。

 (というより、この作品最大の問題はソフィアの真実が分からないと異種族異種間判定ができないことなんですよ!わたしの頭は色々バグっているため普通のカップルを見てるときと、そのカップルの片方もしくは両方が人外だと明かされたときでは、その評価に天と地の差が生まれます。実はこのキャラ人外だったんだ〜、と明かされるだけでそれまで特別好きでもなかったキャラが急にめっちゃ好きになる現象なんてざらにあります。ですので、その可能性を秘めながら明確な判定ができない本作はモヤモヤモヤモヤが溜まって仕方ないのですよ!分かりますか!?今は絶妙なラインに経ってて、ここからの真実如何では落ちることも飛ぶこともできるんですからね!頼むから異種族異種間カップルであれ!……作品に個人的好みを押し付けるものほど無意味で害悪なことはないと分かっていますが、わたしにとっては大事なことです。譲れません。作品の楽しみ方が180℃変わる瀬戸際にいます。この作品の評価は全てここにかかってます) 

 

 

総評

 ストーリー・・・★★★☆ (7/10)

 設定世界観・・・★★★☆ (7/10)

 キャラの魅力・・・★★★☆ (7/10)

 イラスト・・・★★★☆ (7/10)

 次巻への期待・・・★★★★ (8/10)

 

 総合評価・・・★★★☆(7/10) ソフィア、君は死んでいないのか? ←結局この謎が気になります。

 

 ※星評価は10段階。白い☆で1つ、黒い★で2つ分。★★☆だと評価は5、★★★★★だと評価は10ということになります。基本的には「面白さ」よりも「わたしが好きかどうか」の評価になります。評価基準に関しての詳細は以下のリンクより。

新作ラノベ感想の「総評」について - ぎんちゅうのラノベ記録

 

 最後にブックウォーカーのリンクを貼っておきます。気になったらチェックしてみてください。 

 

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