ぎんちゅうのラノベ記録

主に読んだライトノベルの感想を書いています。

【新作ラノベ感想part196】リスナーに騙されてダンジョンの最下層から脱出RTAすることになった

 今回の感想は2024年2月のKラノベブックス新作「リスナーに騙されてダンジョンの最下層から脱出RTAすることになった」です。

※現在2巻まで刊行中(2024年7月2巻発売)、今回は1巻を読んでの感想になります。

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※画像はAmazonリンク

 

 

あらすじ(BWより引用

 新人ダンジョン配信者の世迷言葉。

 一階層の攻略中に、リスナーの一人に騙されて(自業自得)、転移魔法陣を踏んでしまう。言葉の視界が切り替わると、そこは――未だ誰も到達していない、五百階層の未踏破地帯だった。レベルも強さも初心者な言葉は、配信を続けながら、リスナー頼りで生き残り強くなる!

 なお、地上では――
・地上波永続生配信中
・攻略組による支援
・世界的に大注目
 な模様。

 ダンジョン最下層からの脱出RTA、スタート!

 

感想

 とりあえず、タイトル詐欺するの、やめませんか?

 百害あって一利なしだと思うのですけど。

 

 本作はダンジョンと呼ばれるものが世界中にある世界で、探索者たちは安全管理などの名目で配信が義務付けられている。主人公の世迷言葉は、探索者としてデビューした初日にリスナーからの「その魔法陣に触れてみなw」というような言葉を真に受けて、気がつくと前人未到の500層にいた。果たして彼は無事に地上に戻ることができるのか……、という感じで始まるお話です。

 

 で、ですね。

 正直冒頭からツッコミどころが多いんですよ……。

 

 まず、主人公が最下層に落ちた理由。

 リスナーからのコメントを真に受けたから、なんですけど。

 実はそのコメントは冗談のつもりで、本来初心者が講習で触れてはいけないと言われる魔法陣に、主人公は講習を寝ていたから全く知らずに触れてしまったから、なんですよ。

 作中でも言われているように完全に自業自得です。リスナーは騙そうとする気持ちが一切なく、主人公に非がある状況、これが何故「リスナーに騙されて」というタイトルになるのか。コレガワカラナイ。

 

 更に「RTA」ではないですよね。

 だって前人未到の階層なわけですから。

 競技人口1人のものにRTAもクソもありません。クリアしたらもう新記録達成ですよ。

 主人公自身もなんとかして地上に戻ろうっていう”攻略”がメインの話になっており、できるだけ早く帰らなきゃいけない理由もあるわけではなく、RTA要素の欠片も見当たりません。

 

 序盤からもうタイトルの要素2つが事実と異なる状況って、一体どういうことなのでしょうか?

 

 読み進めれば分かることですが、本作はコメディ作品です。

 主人公の突飛な言動をリスナーたちが面白おかしく見守ってコメントしている様子を楽しむ作品です。

 そのため多少の現実味のない描写や言動は笑って見るのが正解なのでしょう。そのためこういう序盤にあーだこーだ言うことには全くもって意味がありません。

 しかしですよ。

 そうであったとしても序盤からタイトルを無視するような事実を並べたてる意味もないわけですよ。タイトル詐欺とかあらすじ詐欺が良い意味で読者を騙して面白くなるのなら大歓迎します。

 そうでもないのに、作品の内容とタイトルがただ単に合致してないのは作品のガバとしてしか見えないんですよ……。

 そしてそれは作品への期待値を下げることにしか繋がらないと思います。

 タイトル詐欺することに何の意味があったんでしょう……。





 と、ここまでただただ長ったらしい上に別に内容そのものに大きく影響するわけではないところに関して無意味な前書きが生まれてしまうのでタイトル詐欺は本当にやめてほしいと思いますが、改めて本作の感想です。

 

 本作はコメディ作品です。

 主人公・世迷言葉はすぐに調子に乗って、痛い目を見て、反省して次に活かそうとする(実際に活かせるとは言ってない)、都合が悪くなったらリスナーに責任転嫁、という実に"良い性格"をしていて。

 まさしく名は体を表すと言わんばかりに突飛な言動を繰り返し生まれながらの奇人としてのエンターテイメントを見せてくれる。そして、それに対してツッコミを入れては面白おかしく笑い転げるリスナーたちに共感して楽しむような作品となるでしょう。

 更には過酷なダンジョンの中で、明らかにそれは無理があるだろと言いたくもなるようなギャグの神様に愛された悪運によって生き延びているという状況。そんなギャグ世界の空気を支えるかのように、彼の配信を全世界に届ける国営放送という環境が存在して、これまたやはり頭がおかしくて美味しい要素ですよね。特にイカれてるのは放送局が一個人の配信に投げ銭をするという状況。勝手に放送している出演料は事後承諾のスパチャでやりますってか、謎すぎるわ。

 この主人公の奇怪な言動を楽しむあたおかな世界観、そこに馴染むことさえできればしっかり楽しむことができる作品だったと思います。

 

 しかしながら、一方で1巻時点での懸念点として挙げられるのが。

 主人公のギャグ適正一本だけで1冊を続けるのはちょっと無理があるか、という点ですね。

 つまりは同じようなギャグコメディ展開だけでは飽きるということです。

 世界中のトップランカーたちが、主人公の配信を見て動き始める……、という外の世界の状況がもっと割合として増えてくれればそこも改善されるかと思いますが。

 主人公自身が前人未踏の地にいる、という状況なので世界中の実力者たちがどれだけがんばっても主人公と対面するには相当時間がかかると思うんですよね。そうなると主人公自身に直接影響を与えられる人物というのがこの作品内には存在しないため、主人公単独のギャグコメディの毛色が変わることが当分ないことになります。一辺倒のギャグコメディ展開だけでは先の広げ方に限界があるでしょうし、果たしてここからどうするのか。気になるところではあります。

 

 

 

総評

 ストーリー・・・★★☆ (5/10)

 設定世界観・・・★★★ (6/10)

 キャラの魅力・・・★★★ (6/10)

 イラスト・・・★★★ (6/10)

 次巻への期待・・・★★★☆ (7/10)

 

 総合評価・・・★★★(6/10) 主人公以外の話をもっと読みたいですね

 ※星評価は10段階。白い☆で1つ、黒い★で2つ分。★★☆だと評価は5、★★★★★だと評価は10ということになります。基本的には「面白さ」よりも「わたしが好きかどうか」の評価になります。評価基準に関しての詳細は以下のリンクより。

新作ラノベ感想の「総評」について - ぎんちゅうのラノベ記録

 

 最後にブックウォーカーのリンクを貼っておきます。気になったらチェックしてみてください。 

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