【新作ラノベ感想part199】人妻教師が教え子の女子高生にドはまりする話
今回の感想は2024年9月の電撃文庫新作「人妻教師が教え子の女子高生にドはまりする話」です。
※画像はAmazonリンク
あらすじ(BWより引用)
「そんな優しいとさ、せんせぇのこと好きになっちゃうよっ」
苺原樹――年齢は二十代後半。既婚者。職業は高校教師。そんな私が、10歳年下の教え子の女子高生に手を出してしまった。
生徒の名前は戸川凛。私より背が高くて、温和でどこか幼くて、顔がいい。そしてとてもいい子。家庭環境に問題のあった彼女を気にかけているうちに、いつしかベッドの上で唇を重ねていた。
これは間違いなく裏切りで不倫で犯罪で。身の破滅を招き寄せる要素を、よくもこれだけ集めて。
――なぜこんなことになってしまったんだろう。
淫らで不貞で、でもどこかあたたかい。女教師と女子生徒の恋愛小説。
感想
おいおいマジかよ。
この教師、めちゃくちゃやらかしてるじゃねぇか……!
読み終わった第一声はこれでしたね。
本作は、高校教師である既婚者女性の苺原樹先生が、教え子である戸川凜が夜中に征服のまま街中を歩いているところを目撃して注意するところから始まるお話です。
そこからはその一件を機にして、戸川さんと度々会話するようになり、更に夜遊びしない代わりにと遊びに誘われるようになってしまう。教師と生徒、という関係以上に近くなってしまう距離感に悩みながらも戸川さんのことを知れば知るほどに目が離せなくなってしまう苺原先生。そしてついに・・・と展開していくような感じでしょうか。
本作でやはり最も印象的だったのは終盤の展開。
徐々に深まる関係の中で、戸川さんにどのような立場で向き合えばいいのかと先生と一個人の狭間で苦悩する心情がありありと描写されながら、その葛藤を助長し爆発させるかのように触れ合いが加速してしまう現実の行為。やっていること自体は決してまだそこまで踏み込んだことではないはずなのに、教師として一線を越えつつあることへの脳内アラートと先生自身が戸川さんに向ける気持ちがミックスジュースのようにかき混ぜられることで、読者の頭をぐわんぐわん揺らすような官能的な空気感がどんどん膨らんでいくのです。
素直な一言で言うなら、文章の生み出す雰囲気だけでものすごくいやらしさを感じました。
もちろん、この終盤でこれだけの感情を引き出すのはそれまでの積み重ねがあってのこと。
先生の距離感を守ろうとするも、親の愛情に欠ける戸川さんのことを知る中で一人の人として彼女を心配に思う気持ちが生まれてしまい、戸川さんはそんな気持ちを知ってか知らずかパーソナルスペースギリギリを反復横跳びするような距離感で接してきて。徐々に近づいてしまえば、戸川さんから自分に向けられる気持ちがどういうものなのかも察することができてしまって、それがダメだと分かっても彼女の甘えるような仕草を見捨てるようなことはできない。
そんな過程によって形成した関係があるからこそ、そこから逃れられず、されど自分が望んでいないというわけではない二人だけの時間へと溺れる様に臨場感が生まれてきたのです。
そして、それだけでも十分すぎるくらいだったのに。
終盤を終えて尚、この作品は立て続けに特大の爆弾を落としてきやがったのですよ。
エピローグで語られた一幕。そこで描かれた内容がそれまでの内容を完全に一変させるパンドラボックスだった。
なにせ、その直前まで描かれていた先生の葛藤。その奥にある先生自身の無意識が完全にあふれ出しているもので、先生自身が全く知らない戸川さんだけが知っているその事実があることによって、先生自身の内面への認識が変わるのはもちろんのことそれまでずっと戸川さんが先生に向けているだろうと想像していた部分すら覆ってきたのですから。
戸川さんが先生に甘えてくるから、そこから目をそらせないから先生は徐々に引き寄せられるようになってしまったのか? いや、そうじゃなくない? これは先生自身も完全にやらかしてしまってますよね? 戸川さんが先生に向ける気持ちの芽生えは、完全にあなたがきっかけなのでは? これは果たして……、どっちが先に動かし始めた関係性だったんだ?
という頭の中大混乱フィーバータイムが始まりました。
さぁ、そんな風に終盤怒濤の展開で読者の頭を揺さぶりまくってくれてなんだか今回わたしの感想もどこかテンションがおかしいぞってことになっている本作ですが、この先二人の関係がどうなってしまうのだろうか? また、先生が既婚者であるというにはその旦那さんの影の薄さも気になりすぎるぞっていうところもあったりして、次巻が非常に楽しみですね。
総評
ストーリー・・・★★★☆ (7/10)
設定世界観・・・★★★ (6/10)
キャラの魅力・・・★★★☆ (7/10)
イラスト・・・★★★★ (8/10)
次巻への期待・・・★★★★☆ (9/10)
総合評価・・・★★★★(8/10) この教師は絶対に酒を飲んではいけない
※星評価は10段階。白い☆で1つ、黒い★で2つ分。★★☆だと評価は5、★★★★★だと評価は10ということになります。基本的には「面白さ」よりも「わたしが好きかどうか」の評価になります。評価基準に関しての詳細は以下のリンクより。
新作ラノベ感想の「総評」について - ぎんちゅうのラノベ記録
最後にブックウォーカーのリンクを貼っておきます。気になったらチェックしてみてください。
