【新作ラノベ感想part222】銀河放浪ふたり旅
今回の感想は2024年12月の電撃文庫新作「銀河放浪ふたり旅」です。
※画像はAmazonリンク
あらすじ(BWより引用)
銀河は孤独じゃない――隣に最高の相棒さえいれば!
★第9回カクヨムWeb小説コンテストエンタメ総合部門・大賞受賞★
人類の指導者としての教育を受けるも、無実の罪で地球上から追放され、宇宙空間の個人牢獄に収監されていたカイト・クラウチ。気ままな囚人ライフを送っていたが、刑務官であり生活支援ロボットのエモーションから衝撃の報告を受ける。
『地上滅亡を確認。人類社会終焉に伴い、受刑者279502号の刑期は終了しました』
しかしカイトは当たり前の疑問の一つも口にせず、なぜかワクワクした様子。
「なら、行けるところまで行ってみようか。地球人類最後の宇宙旅行に!」
『きゅるきゅるきゅる…………正気ですか!?』
でもその最後の旅が、まさかすべての始まりになるなんて。
外宇宙文明との出会い、超能力の発現、そして自分だけの宇宙船の獲得。銀河は孤独じゃない、隣に最高の相棒がいれば。地球人と機械知性のコンビが外宇宙文明で自由に暮らすスペースジャーニー!
感想
ふたり旅でぶらり旅。
ゆる~くイシュカンコミュニケーション。
物語よりも、SF設定と雰囲気を楽しめる感じの作品でしたでしょうか。
本作のあらすじとしては、
とある組織の指導者となるべく育てられた主人公カイトは思想犯として地球を追放され宇宙監獄に収容されてしまう。しかしながら地球文明が崩壊してしまったことで自由の身となったものの、食料と空気の問題もあって残り数日しか生きられない。それならば、遠くの宇宙へいけるところまで行ってみようと、刑務官だった球体型の支援ロボット・エモーションと共に旅立つことになるのだった。
という感じでしょうか。
そこから外宇宙の文明に出会い、その連邦に加盟させてもらって、宇宙空間に適用できるように改造してもらって、特別な宇宙線も手に入れて……、といった具合に話が進行していきます。
そして本作でまず言及すべきは、基本的にゆるいことです。
それは主人公に特別な目的があるわけではない、ということに影響されているかと思います。そもそもが組織の旗頭になるために育てられて、具体的に何かを成す前には逮捕されて、監獄行きになったという生い立ちですし。監獄内でも何も気負わず気ままに過ごせることに充実感を見出し、文明崩壊後はどうせ死ぬのを待つだけなら宇宙を旅してみよう、くらいな気持ちでやってるような男ですから。
そりゃあ主人公の目的としても、物語としても、明確な方針なんて定まるわけがないのです。これは小説という媒体で見ると大きな欠点と言えるものかも知れません。
しかしながら、本作が元々はウェブ小説初だった点を考慮すれば。
長期的な目的よりも、目先の問題を解決すること、それに対してこういう主人公だからこその選択が見られること、そしてその結果として全く未知の宇宙文明と出会って新しい発見の連続がある、というような先行き不透明であっても一歩一歩を確実に進んでいく物語っていうのはむしろ本作の魅力ではないかと思うのですよ。
個人的には、ウェブ初の作品は1冊の書籍にするならそれ相応の物語性をしっかり出してくれよと思うことも多々ありますが、本作が宇宙ぶらり旅で宇宙文明の未知に出会うみたいな内容であることも踏まえるとこういうゆるい構成っていうのは変えようがないだろうなと思うので、素直に面白さとして享受することができました。
では、そんなSF設定と空気感を楽しむ作品として見たとき。
個人的に良かったなと思うのは、宇宙クラゲ・テラポラパネシオが地球にも姿形の似たクラゲという生き物がいる話を聞いて地球環境の保護に対して暴走するようなお話でしたね。同じような姿形でも、知性の有無だったり、生きる環境の違いだったりに興味を持ってしまうというのは宇宙文明生物を差で見せることとしてもほのぼのエピソードとしても良かったですから。
それから球体型の支援ロボット・エモーションが宇宙文明の力で人型にも変形できるようになったこととかは技術云々の話は抜きとして、作品的には主人公との食事や会話という部分で二”人”という空気が増して読んでて楽しくなったりしたのもなかなか良かったですね。
ただ逆に主人公の改造に関しては、改造そのものは宇宙文明ありきの話ではあるものの、その結果で特殊能力が使えるようになるのは主人公自身が過去の漫画(この作品基準の過去が、読者であるわたしたちの現在くらいのイメージ)なんかに影響された結果となるようですが、これでSF感よりはファンタジー感が若干強くなったのかなと思ったのは良かったのか悪かったのかちょっと悩むところでしたね。とはいえ、ぶっちゃけSFも内容次第では近未来ファンタジーのような感じになりがちなイメージもありますし、わたし自身がそもそSFへの経験値が多いわけでもないので、なかなか評価しづらいところではありますね。
総評
ストーリー・・・★★☆ (5/10)
設定世界観・・・★★★☆ (7/10)
キャラの魅力・・・★★★ (6/10)
イラスト・・・★★★★ (8/10)
次巻への期待・・・★★★ (6/10)
総合評価・・・★★★(6/10) 雰囲気を楽しむことができました。
※星評価は10段階。白い☆で1つ、黒い★で2つ分。★★☆だと評価は5、★★★★★だと評価は10ということになります。基本的には「面白さ」よりも「わたしが好きかどうか」の評価になります。評価基準に関しての詳細は以下のリンクより。
新作ラノベ感想の「総評」について - ぎんちゅうのラノベ記録
最後にブックウォーカーのリンクを貼っておきます。気になったらチェックしてみてください。
