ぎんちゅうのラノベ記録

主に読んだライトノベルの感想を書いています。

【新作ラノベ感想part240】ファム・ファタールを召し上がれ

 今回の感想は2025年2月のガガガ文庫新作「ファム・ファタールを召し上がれ」です。

ファム・ファタールを召し上がれ (ガガガ文庫)

※画像はAmazonリンク

 

 

あらすじ(BWより引用

 この美女、惚れたら破滅。

 

「あっははは! わたくしのおっぱいにはだ~れも逆らえなくってよ!」

 ニカ・サタニック・バルフェスタは悪女である。

 惚れた相手を操る『魅了』の異能で、世界中の人間を下僕に変えてきた。

 そんなニカの次なる標的は、かつて宿敵だった魔界の魔王。

 しかし魔王は、ちょっと興奮するだけで気絶する超絶コミュ障だった。

 「押してだめなら押し当ててみろですわ!」

 コスプレ、女体盛り、お風呂に突撃。ニカはあらゆる色仕掛けで魔王を虜にしようとする。

 一方、魔王城には別の悪意も忍び寄っていて……? 惚れたら破滅のラブゲーム開幕!

 

感想

 ひょころー先生のイラストじゃん!

 と思って買いました本作ですが、作者先生のあとがきは必見でした。

 そう、ひょころー先生のイラストは素晴らしいのです!

 Fから始まってAで終わる5文字の場所にはいっぱい良いのがあります。

 というわけで、ラノベ感想ですが初手F〇〇〇Aのリンクを貼っておきますね。

 [ひょころー]

 [ひょこ道]

 作者のページと同人のページそれぞれ。18歳以上の方は気になったらチェックしてみてください。

 同人の方の最新作「一年後、俺の~」とか、単行本では「うとのと(おとめぼれに収録)」とか、個人的には好きなやつです。

 


 このブログを公開して、Twitter(現X)の方でも共有したところ。

 作者様からひょころー先生の作品に関して「アムネロ好き。全人類アムネロ読んで」というお言葉をいただきましたので。

 AMNERO総集編

 AMNERO総集編2

 のリンクをそれぞれ個別で張っておきますね。全人類読みましょう!

 

 

 さて、そんなえちちなイラストの話は前置きとして。

 本作の感想にいきますと。

 

 まず、素直な気持ちとして、とても良かったと思います!好きでした!

 

 本作最大の魅力はなんといっても、表紙から圧倒的な美貌を見せつけるヒロインのニカ。

 

 ””傾国の悪女””として、数多の街を国をその魅了の力で自らに服従させてきた彼女。

 そんな彼女の在り方は、彼女自身の生存戦略であり、彼女の矜持であり、信念である。

 そういう一本筋の通った在り方で、だからこそ常に自らの魅力に絶対的な自信を持って突き進む姿がどこまでも眩しい。

 まさしくファムファタールというタイトルにふさわしいヒロインでしたね。

 

 そしてそんな彼女を中心に動く本作は、

 ある日、停戦中の魔族側から、人類側に友好の証として魔王と人類側の代表の婚約を持ちかけてきたことをきっかけに、ニカが魔王を籠絡するために自ら魔王城へと赴くことから始まります。

 いくら魔族といえど、自らの魅力に屈さない存在はいない。そう思っていたニカだったけれど、件の魔王ナサニエルはと言えば彼女の苛烈なアプローチを前にすぐ気絶してうくらいのウブなコミュ障だったのだ……、というそんなお話。

 

 すなわちニカにとっては、気絶されたら魅了もなにもあったもんじゃないと、想像以上に誘惑に苦労してしまうことになるわけです。

 そして、そんな彼女がどうにかこうにかナサニエルを攻略するために四苦八苦することで、どんどん物語が転がっていくコメディのテンポの良さは読んでいてめちゃくちゃ楽しい。

 

 さらにはそれまで他者はほぼ全ててのひらで転がすことのできる存在としか思っていなかった(実際に魔族たちが棲まう未知の世界に来てからもそれが変わらない)彼女にとっては、ナサニエルのような存在は未知であると同時に、そうであればこそ特別と呼べる存在であるというもの良いですよね。

 こういうある種の圧倒的な力を持ち、だからこそ孤独であるという人。さらにはニカのような常に誰かに見られる自分を考えて振る舞うような仮面の分厚い人間にとっては、そういうのが本当に大事。

 彼女自身を深掘りするためにも、彼女自身の心に変化を生み出すにも。

 もちろん、だからといってニカが簡単に恋に落ちるとかではなく。むしろ欲しいものはなんだって手に入れるという彼女の強欲さを加速させ、その悪女たる魅力を更に引き出していくので、そりゃもう最高としか言えないよねって感じです!

 

 そしてヘタレ魔王様のナサニエルに関しては。

 ニカの眩しさに対比するかのように、序盤から終盤まであますところなくヘタレなわけですけど。

 その本質としてもニカと同じような孤独があって。そんな孤独に対して自ら進み続けるニカと、閉じこもるナサニエルという対比がしっかりあることで、やっぱりナサニエルにとってもニカのような存在の眩しさが刺さるの良いなぁって思いました。

 



 また、本作において個人的にめっちゃ良かったと思うキャラに、

 ニカの世話係としてあてがわれたスライム娘のムース、って子がいましてね。

 

 彼女は端的に言えば、真っ先にニカの魅力で身も心も虜にされた女の子……、なんですけど。

 

 それだけではなくて、

 彼女は物語としても、ニカ視点で見ても、いちばん最初に魔族が人類に対する友好的な関係を伝える橋掛の存在であると同時に、ニカの持つ魅力がただ特殊能力に依存しているものではなく、その能力の上にある彼女自身の眩しい生き様こそが他者の心に強く突き刺さるのだろうと見せてくれた。

 

 ムースはスライム娘であることから、城内でも邪険に扱われて。

 でもニカ自身にはそんな魔族の価値観がないために、偏見無くただ1人の人間として、スライムという特別な能力があるくらいの女の子として見て、自らの役に立てと言って側に置いてくれる。

 だからこそムースにとって、ニカの存在が救いなのは明確で。そして初めての魔族の近しい関係ができて、ニカの魔王攻略作戦に対して「もしかしてニカって普通に恋させるの下手ですか?」というニカ自身も案外気づいていなかった弱点を指摘してくれたり。とはいえ基本的には自尊心の低い子だからニカに尽くすことだけに幸せを感じたり、スライム娘らしく踏まれたときには「足の垢が美味しいですうぅぅう」とかいってトリップしてたりするけど、そんな個性は可愛いものじゃないかと。

 

 とにかくムースがいればこそ見えるニカの魅力というのがいっぱいあって。

 ニカのような傲岸不遜に振る舞うような悪女の側仕えとしては、こういう子がいちばん相性良いんだろうなと思わせてくれる関係性が非常に読んでいてすこすこでした。

 美容のためにスライム娘に全身すみずみまで舐めさせるニカと、主の全身にまとわりついて綺麗に出来る好意に恍惚の表情を浮かべるムースというやつ、ヴィジュアル的にはエロティックそうだけど、なんかこう微笑ましいところのある主従感とかもう見てて最高ですよ。

 

 

 

 全体の総評としては。

 ニカというヒロインの眩しさが前面に押し出されて、最初から最後まで彼女がその力で突き進む様に魅了される作品でした。そしてそんな彼女の魅力というは、魔族という新環境、自分に惚れない魔王様、彼女によって救われるスライム娘という周囲があればこそどんどん輝いていくモノ。

 ちょっぴりえっちなコメディのようなテンポの良い物語運びでサクサク読みながら、キャラをしっかり見せてくるので、とにかく楽しかったと思うことができました。

 そんな感じですね。

 

総評

 ストーリー・・・★★★★ (8/10)  

 設定世界観・・・★★★☆ (7/10) 

 キャラの魅力・・・★★★★★ (10/10)

 イラスト・・・★★★★☆ (9/10)  

 次巻への期待・・・★★★★☆ (9/10) 

 

 総合評価・・・★★★★☆(9/10) 素直にこれは楽しいと思いながら、ニカというヒロインを存分に味わうことができました。

 ※星評価は10段階。白い☆で1つ、黒い★で2つ分。★★☆だと評価は5、★★★★★だと評価は10ということになります。基本的には「面白さ」よりも「わたしが好きかどうか」の評価になります。評価基準に関しての詳細は以下のリンクより。

新作ラノベ感想の「総評」について - ぎんちゅうのラノベ記録

 

 最後にブックウォーカーのリンクを貼っておきます。気になったらチェックしてみてください。

bookwalker.jp