ぎんちゅうのラノベ記録

主に読んだライトノベルの感想を書いています。

【新作ラノベ感想part243】成り代わり令嬢のループライン

 今回の感想は2025年2月の角川文庫新作「成り代わり令嬢のループライン」です。

成り代わり令嬢のループライン 繰り返す世界に幸せな結末を (角川文庫)

※画像はAmazonリンク

 

 

 

あらすじ(BWより引用

『Unnamed Memory』著者が贈る、大本命ループファンタジー


「ユール・ラキス、お久しぶりね。これを機に私と二年くらい婚約しましょう」「分かった。その婚約を受けましょう」

 派遣社員だった八瀬咲良は、ある日友人の真砂からお願いを受ける。「異世界に行って二年後に起きる惨劇を止めて欲しい」と。『妖精姫物語』の主人公ローズィアとして新たな人生をスタートさせた咲良を待ち受けるのは、”妖精契約”の失敗により世界が破滅する未来――。一度は失敗し、気づけば二年前に死に戻ったローズィアは、何度もループする悲劇の歴史を打破するため、もっとも信頼する人物に助けを求めた。

 ユール・ラキス――ローズィアの幼馴染であり、身分を偽る隣国の王子とともに、咲良はもう一度人生をやり直す。願わくは、死んでしまう運命のこの人も救えるように。
大切な人を救うためには手段を選ばない成り代わり令嬢と、彼女に振り回される不遇な青年の知られざる駆け引きと戦いが幕を開ける。

 大ヒット『Unnamed Memory』の古宮九時が贈る、圧倒的に面白いループファンタジー

 

 

感想

 うん、面白かったです。

 破滅の未来を回避するために奮闘する単巻完結のループファンタジー



 本作の主人公・ローズィア。

 彼女として生きているのは、普通の一般人女性だった咲良。

 彼女は愛読書である「妖精姫物語」について、その作者からそれが実体験であり、常に破滅の未来に終わってしまうその物語を救ってほしいと頼まれローズィアとして生きることになったのだった――という感じのお話です。



 個人的な印象として、まず思ったのは導入から結構勢いがあったなと。

 それはいくつか理由があって、

 バッドエンドを救うためローズィアになった背景の導入がスッと入ってくること。それから実際にバッドエンドを回避するという大目標と共に、それを達成するための小目標が明示されて物語が進むこと。そして愛読書としていた世界だからこそ、ローズィアとなった彼女自身の心で救いたい妖精姫のティティと、幼馴染の青年ユールという主要キャラがハッキリすること。

 そういうところがあったんじゃないかなと。

 

 そして、彼女がそれまで愛読書として前任者のトライ&エラーを知っていたために、彼女自身が1から手探りで始めるよりもずっと進んだ状態から始められたことで結構序盤から選択肢が多く、それをポンポン選んで進めることが序盤のテンポの良さになっていたかなと。

 特に個人的に印象に残ってるのが、新生ローズィアとなった咲良の勢いに押されるユールと、そんなユールの協力を取り付けたらあまりの恩恵に驚くローズィアという状態に関して、彼女が「婚約早々お互いにドン引いてるの、いいスタート切れてる。」とか言ってるところですよね。

 読者目線でもたしかに”良い”スタート切れてて、思わず笑ってしまいました。

 

 一方で中盤からは、その知識があるだけ、選択肢で良さそうなのをとにかく選ぶだけの勢いじゃ根本の問題が解決できないというところで1度ブレーキがかかる。そこからはより深い問題の真相解明に向けたファンタジーが深まっていくことで、再度物語としては加速していく。ここのギャップは1冊の物語として読んでていて楽しいところでしたね。

 また、序盤では隣国の王子であるユールを救うことと、自国の妖精姫を救うことに関してはそれぞれ独立しているものかと思いきや、どちらもしっかり密接に関わっているのがどんどん分かっていって、正攻法じゃ絶対にクリアできないところをどうにかかいくぐるところとか。

 やっぱりどうしても自分は外部からの干渉者という気持ちが抜けない状態では、本当の意味でその世界に関わる、その世界にいる人を救うということが達成できないようなところとか。最終的な着地点で見ても、ローズィアとなった彼女自身が真の意味でその世界が繰り返されるものの中に取り込まれたというのを踏まえると、なかなか面白かったなと。

 

 

 とはいえ、個人的なちょっとした気持ちとして。

 1冊1冊はバッドエンドだけど、最後に解決するみたいな流れが上下巻構成とか、3巻構成でもっとガッツリ深掘り深掘りしながら進んでいくようなのも見たかったなという気持ちがありますね。ループモノとしての旨味がその方が出るのかなぁと思ったりしたので。

 

総評

 ストーリー・・・★★★★ (8/10)  

 設定世界観・・・★★★★ (8/10) 

 キャラの魅力・・・★★★ (6/10)

 イラスト・・・★★★☆ (7/10) 

 

 総合評価・・・★★★☆(7/10) 単巻完結で良いファンタジー作品でした。

 ※星評価は10段階。白い☆で1つ、黒い★で2つ分。★★☆だと評価は5、★★★★★だと評価は10ということになります。基本的には「面白さ」よりも「わたしが好きかどうか」の評価になります。評価基準に関しての詳細は以下のリンクより。

新作ラノベ感想の「総評」について - ぎんちゅうのラノベ記録

 

 最後にブックウォーカーのリンクを貼っておきます。気になったらチェックしてみてください。

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