ぎんちゅうのラノベ記録

主に読んだライトノベルの感想を書いています。

【新作ラノベ感想part255】魔王と女勇者が生まれ変わって、恋人になるまで

 今回の感想は2025年5月の講談社ラノベ文庫新作「魔王と女勇者が生まれ変わって、恋人になるまで」です。

魔王と女勇者が生まれ変わって、恋人になるまで 【電子特典付き】 (講談社ラノベ文庫)

※画像はAmazonリンク

 

 

あらすじ(BWより引用

「貴方の事が好きになりました、付き合って下さい!」

 冬の夜空の下。クリスマスのイルミネーションに照らされた告白。

 だが俺達は、偶然再会してしまった、元魔王と元女勇者なのだ――。

 とある世界で魔王だった俺は、何故か前世の記憶を維持したまま現代日本に転生し、普通の男子高校生として平穏に過ごしていた。

 唯一残ったのは相手の心を読む能力だが、それも滅多に使わない。

 そんな俺はある日、かつて殺してしまった女勇者の生まれ変わり・細見鈴と出会い、彼女が俺を殺そうとしている事を知ってしまう。

 逃がすまいと彼女に告白され、俺達は付き合うことになり……!?

 平和に生きたい元魔王と、彼を殺したい元女勇者の転生ラブコメ

 

感想

 アイデアは良かったですし、実際そこも面白くはあったのですが、読後の満足感が足りない。なんだか、後半がサラッと終わってしまった……。

 最終的な感想としてはそんなところでしょうか。




 改めて、本作の概要から。

 内容としては、かつて別の世界で魔王と勇者として戦っていた主人公とヒロインが、現在世界で再会するところから始まるお話です。

 主人公の方はスルーしようとしたものの、なぜか積極的に距離を詰めてくるヒロイン。相手の心の声を聞くことができる元魔王の力で彼女の心の声を聞くと、どうにも自分の正体を疑って、隙あらば仕留めようとしてるらしい。

 そして、そんな彼女から付き合ってほしいと言われ……、一体どうなってしまうのか?

 

 と、そんな感じですね。

 基本的には公式のあらすじ通りです。




 そんな本作の魅力は、憎む相手を倒すためとはいえ、思わず「付き合ってください」と口走ってしまうようなポンコツ可愛いヒロインでした。

 主人公視点、彼女が何を考えてその行動をしているかが分かる中で彼女の言動を見てると、とにもかくにもぐだぐだ過ぎて微笑ましさしかないのです。

 さらに、そんな彼女の心の声が読めるからこそさらっと話題転換したり、彼女の気がそれるように誘導する主人公と、それに乗ってしまって本来の目的が果たせなくなってしまうチョロかわヒロインという、コミカルなやりとりは良かったですよね。

 

 そして、この最初の建前と関係があった上で。

 主人公サイドからしたら、元々勇者に対する恨みや憎しみはなかったため、相手が自分を恨んでいても仕方ないとは思いつつ、ヒロインが普通に幸せになれればいいと願って偽恋人関係を続けていく。

 そんな気持ちで共にする時間を続けていけば徐々に本当に好きになっていくし、心を見ていることを言わないままに関係を続けていくことにも後ろめたさが生まれてしまう。

 さらに、彼女自身がずっと前世に囚われ続けていることが誰より分かってしまうからこそ、そんな彼女の心を縛り付けている自分(過去の自分)がどうすべきなのかと、考えて行動しなければならないというところで主人公の魅力が見えてくる。この手の片方だけが得ている情報量でアドバンテージを持つ系のラブコメとしてやり方が上手いと思いました。

 

 ですので、序盤から中盤まで読んでいる印象としては、

 主人公とヒロインのそれぞれの前世の情報を適切に開示しつつ、それを伴う今の在り方があるというのを、ポンコツ可愛いヒロインの心の声が聞こえる微笑ましいラブコメ模様の中で描いていき二人の関係値を積み重ねていくというので、楽しく読むことができました。

 

 そして、だからこそその積み上げた関係値が揺さぶられる後半への期待があったのですが……、これが少しわたしには物足りなく感じてしまいました。

 その要因はたった1点だと思っていて。

 主人公が、徐々に本当に好きになってから心の声を見ることをやめることにして、そこからしばらくの間続いていただろう時間、それがほぼほぼスキップされてしまったことです。

 

 いやぁ、そこがいちばん見せて欲しいところじゃないですか……!

 わたしは常々、ラブコメは結論は分かりきっているものを前提にして(ヒロインレースであればその決着まで見た上で)、その過程こそがいちばん面白いところだと思っているわけです。

 ですので、心の声を読んでいた序盤と対比するような、本当に好きになってからは心の声を聞かずに相手のことだけを想って関係性を続けていく、そしてその結果起こったであろうトラブルであったり更なる心の変化だったり、そういうものを見せてくださいよ。

 その上で、本作の結論となるああいう最後に辿り着くのであれば非常に満足して終われたと思うのに……。

 これはもうおそらく1巻でしっかり綺麗にまとめるための分量の問題とかになってくるかなと思うので、より一層惜しいなと思ってしまうのですよ。内容そのものは好きな雰囲気でしたし、前世とか心の声が聞こえる設定でしっかりコミカルさもシリアスさも担保できている良い話ではあったんですけど……、

 

 

総評

 ストーリー・・・★★ (4/10)  

 設定世界観・・・★★★☆ (7/10) 

 キャラの魅力・・・★★★ (6/10)

 イラスト・・・ ★★★☆ (7/10) 

 次巻への期待・・・★★☆ (5/10)

 

 総合評価・・・★★★(6/10) 序盤の掴みや設定は良かったですけど、終盤の勢いが弱かったように思いました。

 ※星評価は10段階。白い☆で1つ、黒い★で2つ分。★★☆だと評価は5、★★★★★だと評価は10ということになります。基本的には「面白さ」よりも「わたしが好きかどうか」の評価になります。評価基準に関しての詳細は以下のリンクより。

新作ラノベ感想の「総評」について - ぎんちゅうのラノベ記録

 

 最後にブックウォーカーのリンクを貼っておきます。気になったらチェックしてみてください。

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