ぎんちゅうのラノベ記録

主に読んだライトノベルの感想を書いています。

【新作ラノベ感想part258】だれがわたしの百合なのか!?

 今回の感想は2025年5月のガガガ文庫新作「だれがわたしの百合なのか!?」です。

だれがわたしの百合なのか!? (ガガガ文庫)

※画像はAmazonリンク

 

 

 

あらすじ(BWより引用

 差出人は、この生徒会室にいる!

 事の発端は生徒会室の引き出しに入っていた匿名のラブレター。『並木ひと葉様 あなたのことが好きです』。部屋に自由に出入りできたのは生徒会役員の3人だけ。生徒会長候補の才媛・才原京、全校生徒友達のコミュ強ギャル・小内鹿乃愛、校内のファン多数な神絵師・吉野咲姫。この中にわたしを好きな奴がいるはず……! 手紙の差出人・リリーを見つけ出すため、平凡なわたしは3人それぞれとデートすることに。でも、差出人は1人のはずなのになぜかみんな怪しくて……!? 『誰がわたしを好きなのかわからない』ガールズ・ラブコメ

 

感想

 まさしく百合ラブコメでした。

 普通のNLラブコメでもできそうな内容を百合でやってくれてる感じ。

 それを非常に手堅くやってくれて、2巻も既に刊行予定があるようなのでそこも期待できる良い作品でした。



 本作の舞台となるのは生徒会。

 主人公の女の子・並木ひと葉の生徒会室の引き出しにあった匿名のラブレターから始まるお話で、ラブレターの差出人(リリーと呼称する)の候補は同じ生徒会仲間の三人しかいない! 一体誰が自分のことを好きなんだ!?

 というようなお話。



 この手の作品は普通にラブコメでよく見るやつですよね。

 つまり「最初から複数人のヒロインがいる環境で、相手が分からない告白相手を探す、しかしその過程ではどう見ても全員気のある素振りを見せてきて全然分からない!」というようなやつ。

 それを本作は女の子が主人公の百合として行うのです。

 ですから、本当に純粋にラブコメテンプレストーリーの1つとして、百合を見たいという人なら素直に満足できる作品だったと思います。かくいうわたしのような「恋する女の子は可愛い! ならば、百合は恋する女の子の二乗でもっと可愛い!」とかIQ3くらいの思考をしている者には、下手にドロドロしたり百合作品にあるような女の子同士を課題としてややシリアスになるものではなく、こういう素直なラブコメとして女の子たちが恋愛してるのを見られる本作はかなり楽しめたかと思います。



 そんな本作の感想として最初に言った手堅くやっている、というのは告白相手候補になる三人の生徒会仲間の描き方についてです。

 まず最初に生徒会の誰かが自分に告白したという展開は、もう少し詳しく言えば、他の三人全員いる状況で共有されており、その内容として「過去にとある約束をしているから思い出して欲しい」という内容もあったことで、全員と平等にデートをするという話になります。

 この段階で、この主人公のひと葉ちゃんが全員から好かれてるじゃん、って分かるのが良いですね。というのも満場一致でデートするなんて話になるのは、手紙の差出人はもちろんでしょうけど、その他の人のこの件をきっかけに自分の想いを伝えるきっかけにしようとしている、もしくは純粋に生徒会の仲間として恋を応援しようとしていると思えば、どちらにせよ好かれているのは間違いないわけですよ。(もちろんこの段階では、三人の中の誰かは逆に主人公になにかしら恨みのようなものを持っていて二人きりになったら本性が現れる、なんてパターンもあるでしょうけどそれが即座に続くデートパートで否定されるので。)

 

 さて、実際のデートパートになると、三人とも分かりやすくひと葉への好意を見せてくれるのが良いですね!

 まず最初に次期生徒会長候補である才媛の京ちゃん。誰の目から見ても完璧な美少女というような雰囲気の持っているけれど、実は必死にがんばっている努力家で上手くいかないこともいっぱいあってそのたびに落ち込んでしまうような女の子、その上でひと葉にだけは弱みを見せて甘えるような姿を見せてくると。なるほど、可愛い。

 次にイラスト上手なほわほわ系女子である咲姫ちゃん。ヴィジュアルから可愛らしく好きになってしまうような女の子だけど、実はひと葉のことがめっちゃ大好きなちょっとヤンデレちゃんという事実……、これも可愛い!好きな子を前にしちゃうと少しくらいおかしくなってもしかたないですね、うん。

 そして、三人目はコミュ強ギャルな乃愛ちゃん。誰とでもすぐに仲良くなれるような子だけど、ひと葉にはよりいっそう距離が近いというか、小悪魔のような言動に振り回されてしまうようになる。これも可愛い。

 というように、しっかり全員が全員、主人公とのデートでだけ見せる顔があるというのでシンプルに好意(恋愛的なものにしろ、友情にしろ)が見えてくる空気感が良いですし、話としてもラブレターの差出人「リリー」は誰なんだ?という疑問に明確なアンサーが出ないことでしっかりと続きが気になる良い導入になっていたかと思います。



 そして、このように全員の第一印象とキャラをしっかり出した上で、この1巻としては京の掘り下げに注力していたのですが、その内容もすごく良かった。

 生徒会長候補として完璧に仕事をこなす京。しかしその心には弱さがあることも分かった。その状況からさらに一歩、彼女がひと葉に向ける好意の理由と背景に踏み込み、さらに彼女の強さと弱さを補強する形になっている見事な掘り下げでありながら。

 さらに、そこに特別に憧れる主人公ひと葉と、そんな彼女が何でもこなせる京に向ける感情、さらに彼女自身のその性格に由来する行動力がしっかりと京の掘り下げに絡み合うことでそれぞれのパーソナリティも二人の関係値の変化も見て取れる内容になっていたのですよ。

 こりゃ、素直に上手いなと思いました。

 

 さらにはこのキャラの深掘り+関係性の描写が上手いっていうのが、本作は2巻も出ますとあとがきで言っていることから他の二人に対しても同じくらいの良いものを期待しちゃって良いんですよね?と思えることも、シリーズモノとして見るとわたしとしては好評価ポイントになります。

 特にヤンデレちゃんの咲姫ちゃんが気になるので。今回の京と同じくらいの掘り下げがあるなら、また新しい魅力も出てきそうな予感がしています。



 というわけで、総評としては。

 ラノベらしいラブコメを素直に百合としてやることにした作品。個人的には好き。

 ですね。

 

総評

 ストーリー・・・★★★★ (8/10)  

 設定世界観・・・★★★ (6/10) 

 キャラの魅力・・・★★★★ (8/10)

 イラスト・・・ ★★★☆ (7/10) 

 次巻への期待・・・★★★★☆ (9/10)

 

 総合評価・・・★★★☆(7/10) 全体的に好きですけど、ラブコメとしてはまだまだこれから次第なので総評は7にします

 ※星評価は10段階。白い☆で1つ、黒い★で2つ分。★★☆だと評価は5、★★★★★だと評価は10ということになります。基本的には「面白さ」よりも「わたしが好きかどうか」の評価になります。評価基準に関しての詳細は以下のリンクより。

新作ラノベ感想の「総評」について - ぎんちゅうのラノベ記録

 

 最後にブックウォーカーのリンクを貼っておきます。気になったらチェックしてみてください。

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