今回の感想は2025年6月のHJ文庫新作「私の怪談師はポンコツ可愛い」です。
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あらすじ(BWより引用)
幼い頃から霊感体質に悩まされてきた女子高生・白春青は、怪談師を目指しているという孤高の女子生徒・夏目咏に目をつけられ、『怪談収集を手伝ってください!』と頼まれる。
真夜中に二人で家を抜け出し、不穏な曰くが伝わる神社へ行くことになるが――
「青! 藁人形が大漁です!」「少しは危機感持てないかなぁ!?」
好き放題に暴走する怪談オタクに振り回されて、青の灰色の日常は明るく塗り替えられていく!! 霊能力者と怪談師――仲良しJKコンビが送る〝真夜中青春エンタテインメント〟ここに開幕!
感想
うん、面白かったです!
こういう作品は好きですよ。
本作は霊感を持つ少女・白春青が、怪談師を目指しているという少女・夏目詠に、怪談集めに付き合わされていくことから始まるお話で、
方向性としては何らかの悩みや苦い思い出(今回の場合は青が霊感体質であり、それにまつわるもの)を抱えている主人公が、ヒロインとの出会いによって少しずつ心変わりしていくというような、ある種王道の形であったかなと思います。
それを百合や怪談、青春といった要素を含む内容で描いたものが本作であったと。
ですので、まずその点に触れると。
青と詠の関係性、これはとても良かったと思います。
霊感体質であり、普通ではない自分というものをコンプレックスに思っている青が、怪談オタクで自分と一緒にいて目の当たりにするホンモノの怪奇現象にも目も輝かせて、元気いっぱいに自分を振り回してくる詠といる時間に少しずつ心地よさを感じ、こんな自分でも良いのかもしれないと思えるような変化。良いですよね、こういうの。
そしてただ青だけが詠に救われているわけではなく、詠もまた青にものすごく救われているのだという双方向の構図がしっかり描かれるのが良かった。詠がなぜそこまで青に構っているのかが分かり好感を持てるだけでなく、その想いはちゃんと青に届いているんだよと青の変化が分かる読者にはしっかり分かる、そういう関係性がやはり見ててエモいと思うのです。
二人ともそれぞれ傷を抱えている。けれどしっかり前を向いて生きていく。そのために助け合うことができるようになった。これから二人がさらに深めていく絆を是非見てみたい、素直にそう思いました。
また、青の友人である結花や、彼女から紹介された怪奇現象に巻き込まれていた杏子を含めた四人による青春の1コマがこれから始まるのだろうと思わさせる引き、ネタバレですが言いますけど怪談研究部なんてものを立ち上げて活動するらしいので部活という要素の青春が深まるだろうと思えば楽しみなところですよね。
これまでの感想でも何度か言ってますが、シリーズモノとしての続きに期待ができるのは個人的には非常に重要な要素。この作品はそこがありました。
次に怪談要素について。
正直に言うと、あまりホラーって感じの怖さはありませんでした。
しかしそれは悪い意味ではなく、本作に関して言えば詠というキャラの明るさや怪談話の下手くそさ加減も見せられているのもあって、作品全体としての雰囲気にあまり劇的なギャップを生み出さないようにしているのかなと思える塩梅でわたしは好きでした。
もちろん、怪奇現象云々のパートをめちゃくちゃ怖くして、そんな怖い体験をした上で詩はそんな下手くそな怪談話をするの?っていうギャップがあってもそれはそれで面白いと思いますけどね。
ただ、本作のメインに青と詠それぞれの心の弱さとそれに向き合うこと、助け合うことがあるのであれば、怪奇現象そのものがめちゃくちゃ怖くある必要はそこまでないのかもと思う次第です。
二人が関わる怪談話そのものは、突飛すぎるファンタジーのようなものではなく相応のリアリティがあったので、本当に怪談話を聞くようなちょっとした不思議体験くらいの気持ちで読めて面白かったと思います。
あと個人的に良かったのは、イラスト面。
本作、しっかりイラストが作中の見せ場を引き立たせていました。
ラノベなのですからやはりこういう要素あるとすごく嬉しいしニコニコしちゃうんですよね。
ただ、そのイラストも効果的で見せ場となったシーンそのものはまだあまり詳しいことが分かっていない(というより、物語の内容としては果たして効果があったのか疑問が残るところ)ので、今後さらに深掘りされるのかどうか……。
総評
ストーリー・・・★★★☆ (7/10)
設定世界観・・・★★★ (6/10)
キャラの魅力・・・★★★☆ (7/10)
イラスト・・・★★★★ (8/10)
次巻への期待・・・★★★★☆ (9/10)
総合評価・・・★★★★(7/10) 全体的に好きな雰囲気でとてもグッドな女の子二人組の関係性があり、続きも楽しみな作品でした。
※星評価は10段階。白い☆で1つ、黒い★で2つ分。★★☆だと評価は5、★★★★★だと評価は10ということになります。基本的には「面白さ」よりも「わたしが好きかどうか」の評価になります。評価基準に関しての詳細は以下のリンクより。
新作ラノベ感想の「総評」について - ぎんちゅうのラノベ記録
最後にブックウォーカーのリンクを貼っておきます。気になったらチェックしてみてください。
