ぎんちゅうのラノベ記録

主に読んだライトノベルの感想を書いています。

【新作ラノベ感想part277】ヒロインが最後に死ぬラブコメ ~夢の彼女編~

 今回の感想は2025年8月のPUSH!文庫新作「ヒロインが最後に死ぬラブコメ ~夢の彼女編~」です。

ヒロインが最後に死ぬラブコメ ~夢の彼女編~【電子版特典付】1 (PASH!文庫)

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あらすじ(BWより引用

 これは妄想か

 それとも現実か!?

 

「昨日会ったんだよ。夢に出てきた女の子と」

 高校2年生の赤月楓は人形劇部の部員たちにそう語る。

 残念なやつだと冷ややかな目で見られていたが、なんと夢に出てきた女の子そっくりの雲見早希が転校してくる。

 しかも、引っ越してきたのはアパートのお隣だった!?

 生活力皆無の早希を見かねて、楓は何かと世話を焼くのだが……。

「今から、わたしの家……来ない?」

 新感覚ハイスピードラブコメ、ここに開幕!

 

 

感想

 後半に期待値を超えられない作品、でしたね。




 本作の概要としては、主人公が夢で出会う女の子とそっくりな子が転校してきて交流を深めてやがて恋仲にもなるけれど・・・という感じにお話になっています。

 タイトルも示すヒロインが最期には亡くなってしまうというのが、一体どういうことなのかと、それが最大の肝となっていたわけですが個人的には満足のいくものではなかったですね。



 さて、改めて感想として述べていくのですが。

 

 まず序盤の展開について、これは正直めちゃくちゃ良かったと思っています。

 夢の中の女の子と出会い恋仲になるまで、その過程は作中で用いられている表現を使うならまさしくリアルタイムアタックがごとくトントン拍子に進んでいきます。

 ある種ダイジェスト気味で進む展開ですが、ラブコメのテンプレ的な要所は確実に押さえ、序盤に割ける文章の尺ギリギリでよくもこれほどのテンポ感で上手くまとめることができるなと感心を覚えるレベルでした。

 またこういう作品では、この序盤の展開も後半の足がかりとなったり、あるいは雰囲気を一転させるためにある特定の雰囲気でまとめているもの(本作の場合は、後半がシリアスになる分だけ、前半戦はこれ以上なく順調な恋愛模様というように)ですが、そこにあまり不自然さを感じないというのも良かったと思います。



 そして、来たるべき後半戦。

 前半と後半を明確に区切るような急展開で、一気に話が切り替わり、そこからどんどんと話は思わぬ方向へと転がっていきます。

 

 序盤が良かっただけに、ここの期待値も高く……しかしハードルが上がりすぎたのか、それを超えることができなかった。

 

 決して悪くはなかったんですよ。

 終盤明かされる事実も、それに関わるキャラが何故そんな行動を取ったのかという理由も、アイデアとしてはたしかに面白いし、それをこういうほんのりサスペンスじみたラブコメで見せようとする本作そのものは評価したい気持ちはあります。

 ですので、個人的な印象として感じたのは、シンプルに見せ方の問題だったのかなと。……まぁ、これもあくまでわたしの好みの問題でしかないのかもしれないですが。




 まずは、本作が謳っていた「どんでん返しに継ぐどんでん返し」という部分。

 これがわたしには、ちょっと過剰すぎたかなと思っています。

 謎や衝撃の事実が次々と明かされていく展開というのは確かに効果的に読者の感情を揺さぶるものではあると思いますが、それが多すぎるとわたしは驚きよりも「ああ、そういうお話なのね」という事実を認識することが先行してしまいます。

 

 本作は、まさにそこがわたしにとってのネックポイントでして。

 後半からどんどんと実はこうだったのだという話をされると、それはもう物語ではなくただの説明として感じられず、終盤に差し掛かる頃にはもう驚く気持ちが完全に失せてしまっていました。

 



 またもう1点、個人的に気にかかるのは。

 主人公のとある設定ですね。

 

 本作は別にミステリというわけではないですし、サスペンスっぽいとは言いましたが別にサスペンスと明言されているわけでもありません。

 ですから、序盤に明かされている情報が必ずしも後半の真相へ全部繋がってなきゃいけないとか、予測できるようになっていなきゃいけないとか、そういうことを言うつもりはないのですが。

 

 ……ただ、この主人公の設定だと、そりゃ主人公視点で全く予期せぬ真実が明らかになってしまう、みたいな展開がやりやすいよなと。

 何をやっても驚きの事実、みたいにできてしまうよなと。

 

 だからやるのであれば、この主人公の設定そのものが読者に対しての大きな1つの衝撃ポイントとして見せて、

 その上でそこから芋掘り式に分かってくる事実がいわゆるミステリにおける探偵の真相解明パートみたいになった方が良かったのではないかと……、個人的にはそう思いました。




 最初にも言いましたが、後半の内容そのものが面白くなかったわけではないと思います。実際、ヒロインのとった行動やその背景みたいな部分は好きなものでしたし。

 ただあくまで個人的に演出的な部分で、引っかかってしまっただけだと。

 

 そういう意味で後半の期待を超えることはない作品でした、というのが総評ですね。

 

総評

 ストーリー・・・★★☆ (5/10)  

 設定世界観・・・★★★★ (8/10) (設定そのものは決して悪くないです)

 キャラの魅力・・・★★☆ (5/10)

 イラスト・・・★★★ (6/10) 

 次巻への期待・・・★★☆ (5/10)  (夢の彼女編、ってことは別の編もあるかもしれない?ですかね?) 

 

 総合評価・・・★★☆(5/10) わたしの視点では後半が失速してしまいましたね。

 ※星評価は10段階。白い☆で1つ、黒い★で2つ分。★★☆だと評価は5、★★★★★だと評価は10ということになります。基本的には「面白さ」よりも「わたしが好きかどうか」の評価になります。評価基準に関しての詳細は以下のリンクより。

新作ラノベ感想の「総評」について - ぎんちゅうのラノベ記録

 

 最後にブックウォーカーのリンクを貼っておきます。気になったらチェックしてみてください。

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