ぎんちゅうのラノベ記録

主に読んだライトノベルの感想を書いています。

【新作ラノベ感想part280】神と悪魔がデートをするなら、どちらが奢るべきか? ~恋は神魔最終戦争のあとで~

 今回の感想は2025年7月のファンタジア文庫新作「神と悪魔がデートをするなら、どちらが奢るべきか? ~恋は神魔最終戦争のあとで~」です。

神と悪魔がデートをするなら、どちらが奢るべきか? ~恋は神魔最終戦争のあとで~ (富士見ファンタジア文庫)

※画像はAmazonリンク

 

 

あらすじ(公式ウェブページより引用

【衝撃作】光と闇の戦争は終わり……男と女の最終戦争が幕を開けた!

 

《平和になった世界で勃発したのは……男と女の恋愛戦争!?》

 熾烈を極める全面戦争を繰り広げた神々と悪魔は、歴史的和解へと至り、ついに終戦を果たした。

 平和が訪れた二周目の世界で、彼らは輝かしい青春を謳歌する、ハズだったのだが――

 「デートしといて割り勘とか、マジでありえないんだけど!」

 「そんなにエロい格好するって……男に見てほしいんだろ?」

 ――平穏な世界で新たに勃発したのは、男女のすれ違いから巻き起こる“神魔大戦級”の痴話喧嘩〈ラブ×バトル〉!?

 恋愛をめぐる男と女のいざこざは、神々にも悪魔にも平和的解決が難しいようで……
古今東西の神話を騒がせた神魔が結集する巨大学園都市《天乃宙学園》を舞台に、男子寮と女子寮の猛者たちが激突する!!

 

 

感想

 ちょっと思うところはあるものの、面白かったですね。

 

 本作の舞台となるのは、神々や悪魔たちの生まれ変わりが暮らしている学園都市。

 そこでは日々、様々ないさかいが生じており、その解決のために行われるのは1対1の決闘。

 主人公スサノオの周りで起こる様々な男女間の問題と戦いを描くラブコメバトルなお話……というのがおおまかな概要。




 まずは普通に良かったなと思う部分をまとめていきますと。

 

 神話をベースにしつつも、二周目の人生という設定があることで生まれるキャラの関係性はなかなか面白かったですね。元カレ元カノという関係性が乱立しながら、今は別に恋人ではないけれど幼馴染くらいの距離感になっていたり、あるいは前世の続きのような関係性を続けていたり。

 また、この古今東西あらゆる地域の神話が混ざった日常風景というのも妄想捗る設定でありましょう。そして、神々によるバトル展開というのも、やはり数多の作品が証明しているようにワクワクするものです。こういう読んでいて夢のある感覚は、物語改変系ならではの魅力だったかなと思います。

 それから、そもそもの神話というものが恋愛的ないざこざの多いものだったりするわけで、それをベースにして現代的な恋愛観における諸問題(タイトルにもある割り勘問題など)をピックアップして語らせるというのは、なかなか思いつかないアイデアで新鮮味があり面白いなと感じました。神話はやはり今のわたしたちから見れば現代の感覚とは違うズレが多数ある中で、現在にあるズレを合わせてくるというのは趣がありますよ。




 一方で、個人的に気になった点が。

 

 世界観設定がふわふわしているという点ですね。

 二周目の人生の神々が暮らす学園というところは分かるのですが、それより外の部分、奥の部分、細かいところが全く分からないんですよ。話の主題である恋愛のいざこざには一切関係ないところかもしれないんですけど、関係ないなら必要なかったのではないか?とも思ってしまうものが多々ある。

 例えば、生まれ変わらせた意味がどのくらいあるのだろう?というところ。一度、元の神話の関係性をリセットする意味では必要だったでしょう。しかし生まれ変わっても、神々の戦いができるくらいには特殊な力を持っているとなると、別に元のままでも神話の世界が混じり合ってしまったとかで成立する話だったのではないかとも思ってしまう。

 であれば、次に疑問なのはバトル展開というのがここまで必要だったのか、ですよね。こういう展開をやるなら、それこそ素直に神々が存在する世界観だったり、あるいは神の力を宿す存在を召喚するようなものでやれば良いのではないかと。

 本作のメインはタイトルからも分かる通り恋愛なんですよね。だったら、恋愛やるなら恋愛やるで通した方が良かった気がしています。元々の権能みたいなものは、性格や言動に反映させたりするだけでも十分だったような。バトル展開が多くなる終盤は特にわたしの楽しめなかった部分ですね。

 

 なんかこう、全体的にやりたいことを詰め込んだ弊害みたいなものが見え隠れしてしまっている印象を受けたんですよね。

 最初に良いところで挙げたように、それぞれ単独ではたしかに相性の良い要素、面白い話を作れるポイントになっているのだと分かりますが、それを全部混ぜて良くなるかと言われたら微妙なところじゃないかなと。

 そう言う意味で、設定世界観にはもう少し最適化が必要だったように感じるのが素直な気持ちです。

 やってるアイデアは面白いので、そこは素直に評価したいですし、こういう作品は増えて欲しいとも思いますが。

 

 

総評

 ストーリー・・・★★★ (6/10)  

 設定世界観・・・★★★ (6/10) 

 キャラの魅力・・・★★☆ (5/10)

 イラスト・・・★★★☆ (7/10) 

 次巻への期待・・・★★★ (6/10) 

 

 総合評価・・・★★★(6/10) 面白くはありますが、個人的には気になる部分もやっぱり大きいかなと思いました。

 ※星評価は10段階。白い☆で1つ、黒い★で2つ分。★★☆だと評価は5、★★★★★だと評価は10ということになります。基本的には「面白さ」よりも「わたしが好きかどうか」の評価になります。評価基準に関しての詳細は以下のリンクより。

新作ラノベ感想の「総評」について - ぎんちゅうのラノベ記録

 

 最後にブックウォーカーのリンクを貼っておきます。気になったらチェックしてみてください。

bookwalker.jp