ぎんちゅうのラノベ記録

主に読んだライトノベルの感想を書いています。

【新作ラノベ感想part293】人間ちゃんの警戒心が薄すぎる!

 今回の感想は2025年8月のスニーカー文庫新作「人間ちゃんの警戒心が薄すぎる!」です。

人間ちゃんの警戒心が薄すぎる! (角川スニーカー文庫)

※画像はAmazonリンク

 

 

あらすじ(BWより引用

 カリスマサキュバスが人間女子を次々攻略!? やりたい放題百合ハーレム

 

「君の笑顔をずっと見ていたいな」「そ、そんな……//」

 この世界は天国だ。私、明日乃はサキュバスで、魔界から人間界へやってきた交流生。その目的は女学園で私だけの美少女ハーレムを作ること! だって人間女子が一番かわいいって気づいたから! 魔性のカリスマ性と美貌を前に人間ちゃんの警戒心はゼロ。ゆるふわ女子のM心をくすぐり、ツンツンまじめちゃんをデレデレにして、小動物系女子は私にだけ甘えてくる!

「私の胸に、さぁおいで」

(あぁ人間ちゃん愛しているよ、もっとイチャイチャしよう!)

 カリスマ女子がやりたい放題のハーレムガールズラブコメ

 

感想

 うん、面白かったと思います。

 途中まではちょっとわたしの好みに合わないかなと思っていたんですけど、読み進めていくとこれはこれでアリだなと思うようになった、少し珍しい感覚を味わえた作品です。



 本作は、交流生という制度で均衡を取っている魔界と人間界がある世界で、通常つがいとなる男を見出すために人間界に行く者が多い中、女子ハーレムを作るために女子校への交流生として人間界にやって来た主人公がそのハイスペックで次々に女の子を攻略していくお話しでした。



 主人公が次々とヒロインを攻略する。

 これは言ってしまえば、百合作品としては珍しく、男性向け美少女ゲームに近しい構図があるものだと思います。

 そして、美少女ゲームの王道といえば。個別ルートでヒロインそれぞれの掘り下げを行い、悩みや問題を解決して、その中で徐々に心を通い合わせていき、イチャイチャ純愛大勝利……みたいなものだと思いますが。

 本作の方向性はその真逆を行く作品だったというのがさらに珍しい。

 

 これは、完全に主人公がサキュバスであるからこそと言える部分。

 つまり人を惚れさせる手腕があり、さらに相手の感情の機微を察する能力もあるが故に、基本的に他者との関わりで重点が置かれる部分がそこになっちゃって、普通の人のように相手目線に立って相手の心を理解するという過程が薄くなってしまってるということですね。

 本作1巻では3人のヒロインを攻略しているわけですが、よくよく見ればどのヒロインに関してもその本質的な部分にほとんど踏み込んでいないんですよ。美少女ゲームだったら、攻略可能なラインになっていないというか、個別ルート的な内容が一切ない状態というか。

 しかし、それでも確かに好感度を得ることができて、自分とそういう関係にさせることができてしまっているという状況になっているんですよ。目先の快楽に誘導して、自分という存在で相手の悩みを軽くしているだけ、でもサキュバスである彼女にとってはそれで十分だしそれで目的が果たせている。

 これは間違いなく主人公が異種族だからこそ。本来必要なステップを飛ばせるだけのチートとして、異種族の特性を発揮している作品と言えるでしょう。

 ガルコメの皮を被っているが、よくよく見ると主人公の自分に都合良い方向にだけ周囲の人物を動かしていく様は悪魔の所業であり、人を自分より下の存在として見ているような言動はまさしく悪魔の感性。しかし、それは異種族としては割と一般的な在り方であり、それこそが異種族なのだとこちらが理解しなければならないもの。

 

 最初に言ったわたしには合わないかなと思ったのも、この点ですね。

 あくまで個人的な好みで言えば、やはり異種族間での心の相互理解という観点を求めてしまう節があります。それは異種族間の差異を明示し、それを埋めていく過程があることでその違いが際立ち、異種族の魅力というのが描けると思っているからです。

 しかし、本作を読んで少しだけ、こういう心の相互理解に見向きもしないどこか一方的な支配もありなのかもしれないと思いました。これはこれで人と異種族の明確な隔たりを感じるものだなと。

 

 とはいえ、本作の主人公がサキュバスであり、美少女ゲームの個別ルートみたいなまだるっこしいことをせずにどんどん落としていくような様は、当然の帰結として普通の複数ヒロインラノベのように主人公の周りにいるヒロインを魅力的に描くことができない欠点を抱えているので、そこをどう補っていくかはシリーズとして続くときの課題になるのかもしないと懸念してます。

 ただ、見てると主人公と同郷の異種族仲間が学校内にいたり、彼女たちの魔法が全然効かないハイスペック生徒会長がいて対立しそうになっていたりするので、そこを上手く活かしたストーリー的な部分で十分補うことはできそうな気もしてますので、今後次第でしょうか。

 

 

総評

 ストーリー・・・★★☆ (5/10)  

 設定世界観・・・★★★★ (8/10) 

 キャラの魅力・・・★★☆ (5/10)

 イラスト・・・★★★ (6/10) 

 次巻への期待・・・★★★ (6/10) 

 

 総合評価・・・★★★☆(7/10) 人の心を理解することなく落としていく悪魔の所業、これはまさしく異種族ですね

 ※星評価は10段階。白い☆で1つ、黒い★で2つ分。★★☆だと評価は5、★★★★★だと評価は10ということになります。基本的には「面白さ」よりも「わたしが好きかどうか」の評価になります。評価基準に関しての詳細は以下のリンクより。

新作ラノベ感想の「総評」について - ぎんちゅうのラノベ記録

 

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