ぎんちゅうのラノベ記録

主に読んだライトノベルの感想を書いています。

【新作ラノベ感想part295】俺がシフトの時だけバイト先の喫茶店に来る、クラスの美少女モデル様

 今回の感想は2025年8月のGA文庫新作「俺がシフトの時だけバイト先の喫茶店に来る、クラスの美少女モデル様」です。

俺がシフトの時だけバイト先の喫茶店に来る、クラスの美少女モデル様 (GA文庫)

※画像はAmazonリンク

 

 

あらすじ(BWより引用

 放課後、お店に訪れるクラスメイトの本音を僕だけが知っている。
 コーヒー好きな高校生と、クール系美少女モデル様が繋がる恋の物語。


 神坂しずく。

 今世間で話題の美少女モデル様。クール系。

 そして――クラスメイト。

 世間でも学校でも人気な彼女と、特徴といえば、放課後に喫茶店でバイトしてる事くらいの純太郎では、住む世界がまるで違う。そんな決して交わらないはずの二人、だったのだけど――。

「いらっしゃいませ……って。神坂?」
「み……御影君?」

 ある日喫茶店に、涙を浮かべたしずくが飛び込んできて――!?

 これはコーヒー好きな高校生と、クラスのクール系美少女モデル様が、一杯のコーヒーを挟んで繋がる恋の物語。

 

感想

 1対1恋愛。1巻でしっかりオチまでつける。余計なノイズがない。

 ラブコメとしての必須要件をちゃんと満たせば、それだけで十分に良い作品になるのだと、それを実感した作品でした。



 本作は、喫茶店で働きそこのマスターが煎れるようなコーヒーを煎れられるようになりたいと日々努力する主人公と、ある日、彼の働くお店にやってきたクラスメイトのモデルをしているヒロイン、そこから始まる2人の交流を描くお話でした。



 そして本作に関して、作者はあとがきで二人の間には山も谷もないと述べています。

 これに関しては、実際に読んでみた印象としてもたしかに山も谷もなかったなと思います。

 しかしながら、わたしはこれが決して悪いことではないと思っています。

 間違ってはいけないのが、オチがないわけではないというところ。恋愛を扱う話としてしっかりまとまっている。ただ、いわゆるドラマティックな恋愛劇のようになっていないだけで、本作には本作の2人だからこその距離感があって、それならそれでOKということですよ。

 

 この2人の距離感という部分に関して、

 最初はたまたまやってきたお店、しかしそこで素の自分を晒したことから徐々に主人公と話す時間やそこでコーヒーを味わう時間が癒やしになっていくという、モデルをやっている苦労から解放されるヒロインというのが基本形になっていたかと思います。

 喫茶店という場、コーヒーというアイテム、気持ちを吐き出せる相手、ヒロインにとって居心地の良い場であることがちゃんと分かる舞台設定とても良いと思います。そして大きな出来事があったわけではなく、その気持ちを吐き出せる相手を好きになるのも理解できるところ。

 

 そして、この彼女との交流が一方的に彼女のメリットになっているわけではなく、主人公視点で見てもちゃんと良い影響というのがある。

 すなわち、美味しいコーヒーを煎れられるようになりたい主人公の目的としては、より身近な人に振る舞ってフィードバックをもらえる状況そのものがメリットですけど。

 それだけでなく、作中でも言及があるように飲食を提供する者として相手をちゃんと見ることの重要性を理解していくという、人間関係の部分でも成長と気づきが彼の中で生まれている。

 そして、身近で接する中で彼女をだんだん気になってくるという恋愛への移行は自然な流れかなと。良いじゃないですか。

 こういうお互いに相手にどうこうするだけでなく、それを通じて自分自身の心持ちを良い方向に向けられるようになる関係性って良いですね。



 また、本作の作品雰囲気という部分でも。

 主人公とヒロイン、2人の身近にいる大人たちの存在が良かったなと思ってます。具体的には喫茶店のマスターや、その同級生であり主人公たちにとっては先生にあたる人ですね。

 本作ではヒロインがモデルをやっていることから、SNSや深く関わりのないクラスメイトという周囲からはときに心ない言葉を浴びせられていて、それが彼女にとっての苦労になり、主人公がそれを癒やす存在になるわけですが。

 この間の距離感にある身近な大人という存在がちゃんと優しく彼らを見守っている温かさを感じたので、それが作品雰囲気としての悪意と善意のバランスを保ってて良いなぁと。

 一読者として、恋愛を微笑ましく見守る者としては、やはりこういう大人がいてくれることには安心感を覚えます。

 大きな波乱のないことを強みとする本作であれば、この安心感はそれを強めるためのサブウェポンとしてちゃんと機能していたのではないでしょうか。




 というわけでまとめますと。

 ドラマティックな恋愛劇でなくとも良い。突飛な設定がなくても良い。ただ普通に恋愛をして、それを見守る優しい世界がある。ラブコメとしてそれだけで十分に満足できるものにはなるのではないでしょうか、そう思える作品でしたね。

(それはそうとして、タイトルの"俺がシフトのときだけバイト先の喫茶店に来る"という部分が正直ピンと来ないのですが、タイトルもう少し何かなかったのかなとは思いました。)

 

総評

 ストーリー・・・★★★ (6/10)  

 設定世界観・・・★★★ (6/10) 

 キャラの魅力・・・★★★ (6/10)

 イラスト・・・★★★☆ (7/10)  

 

 総合評価・・・★★★☆(7/10) ちゃんとやって、ちゃんと良いラブコメになる。それでちゃんと満足できる。それで十分。

 ※星評価は10段階。白い☆で1つ、黒い★で2つ分。★★☆だと評価は5、★★★★★だと評価は10ということになります。基本的には「面白さ」よりも「わたしが好きかどうか」の評価になります。評価基準に関しての詳細は以下のリンクより。

新作ラノベ感想の「総評」について - ぎんちゅうのラノベ記録

 

 最後にブックウォーカーのリンクを貼っておきます。気になったらチェックしてみてください↓

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