ぎんちゅうのラノベ記録

主に読んだライトノベルの感想を書いています。

【新作ラノベ感想part301】配信に致命的に向いていない女の子が迷宮で黙々と人助けする配信

 今回の感想は2024年12月のファンタジア文庫新作「配信に致命的に向いていない女の子が迷宮で黙々と人助けする配信」です。

配信に致命的に向いていない女の子が迷宮で黙々と人助けする配信 (富士見ファンタジア文庫)

※画像はAmazonリンク

 

 

あらすじ(BWより引用

 コミュニケーションは苦手、でも最強な配信者「日療の白石さん」とは――


 魔物を瞬殺し、颯爽と人助けして、名乗りもせず去っていく、いまダンジョン配信で最も話題な配信者、「日療の白石さん」。彼女が全然喋らないワケは――ただコミュ力が低いだけ!?

 迷宮探索者=配信者な世界において、大手医療法人に所属し国内初の迷宮救命士となった白石。アイドル配信者や大手配信者を黙々と救助しながらマイペースに配信を続けていたところ、とある事件から配信がバズり……。

 喋ればポンコツ、黙れば最強、やりたいことは人助け。自己紹介すらたどたどしい人見知り少女が、人助けしながら成長するダンジョン配信ファンタジー

 

感想

 めちゃくちゃ良かったです。

 この読み心地がとにかくわたしには合うという、そういう作品でした。



 本作はいわゆる現代ダンジョンモノ+配信というタイプの作品。

 

 主人公の女の子はコミュ障で、配信してもほぼほぼ無言。あくまでダンジョンに潜る者の義務として配信を行っている模様。そのため黙々とダンジョンでモンスターを倒す姿だけが映され、戦闘力こそ比肩する者がほとんどいないレベルの上級者だけれど、コアなファンしか知らない配信となっていた。

 そんな彼女ではあるけれど、ダンジョン内で危機に陥っている人がいればすぐさま助けに行き、助けた人の配信でその姿が映ると少しずつ話題になり、そして大手医療法人・日本赤療字社からダンジョン内での救助活動を専門とする迷宮救命士としてスカウトされると「日療の白石さん」として広く知れ渡るようになる。

 

 と、お話としてはこんな感じです。




 そしてこの作品の何がそんなに読み心地が良かったかと言えば、これが”見守るお話”であるというところなんですよ。

 白石さんの活動はまさしくタイトル通りの「配信に致命的に向いていない女の子が迷宮で黙々と人助けする配信」でありながらも、そんなコミュ障で会話もない配信でも良いと、彼女は彼女らしく伸び伸びやってくれればそれでOKですと、ファンサがなくともファンは十分幸せですよと、そういう少数の温かい古参リスナーたちの応援コメントが常に流れてくる。

 わたしの読書スタイルは基本的にその世界やキャラを俯瞰して見るものですので、こういう主人公の女の子を優しく見守る人たちの姿というのみ非常にシンパシーを感じて、流れてくるコメントがまるで自分の声を代弁しているように聞こえる。これが本当に読み心地が良くて、終始楽しい気持ちで満たされるなというところ。

 特に、わたしが好きだったのは白石さんの名前についての流れ。なんとこの作品では主人公の白石さんが無言配信ばかりしてるもので自己紹介すらしていないため、古参リスナーですら名前を知らず、白石という名字すらも1巻中盤くらいまで分からないままで「お嬢」とだけ呼ばれて進むのですが……、白石さんがちゃんとリスナーたちに自己紹介できるまでのお話を読み進めていざそのときがくると、何故か無性に親心のような気持ちで立派に成長した白石さんに感動してしまう気持ちが共感できてしまいましたね。

 

 一方で、読者であるわたしと、白石さんを応援するファンたちはやっぱり少し違うなと感じる部分もちゃんとあって。それはファンたちは見守るだけでなく、白石さんが本当に困っていたら助けようと動けるところ、推しからのSOSがあれば画面の前から飛び出しダンジョンに向かうことのできる奴らだということ。

 するとわたしにはときどき変なこと言ったりして白石さんをいじったりすることもあるこの有象無象でしかない名前すらないようなリスナーたちもまた、本作の愛すべき登場人物なんだなと思えて、読者目線の見守りがさらに心地良いものになるのです。

 

 そして、本作はそんな優しさに溢れる配信風景をメインにしながらも。

 その配信で映し出される光景は、ダンジョン内の救命活動というどうやってもシリアスにしかならないものです。一歩間違えれば、笑い話じゃ済まされない事態になってもおかしくないテーマを扱っている。

 しかしながら、本作では白石さんが迷宮救命士として活動する中で決意した「どんな敵が相手になってもピンチにならないくらい強くなる」という言葉があるように、シリアスすらも優しい世界と配信のコメディで打ち勝たんとする意気込みが見えてきて、そんな夢物語の理想を読者も信じたいと思える。この空気感がやはり温かくて優しい、本当に良い作品だったなと思います。




 というわけで、総じてこの作品の雰囲気と読み心地がわたしにとにかくフィットする作品で、温かい気持ちになれる作品でした。こういうのはとても好きです。良かったです。

 

 

総評

 ストーリー・・・★★★ (6/10)  

 設定世界観・・・★★★★ (8/10) 

 キャラの魅力・・・★★★★ (8/10)

 イラスト・・・★★★☆ (7/10)  

 次巻への期待・・・★★★★ (8/10)

 

 総合評価・・・★★★★☆(9/10) 楽しく読める作品が結局いちばん良いわけよ

 ※星評価は10段階。白い☆で1つ、黒い★で2つ分。★★☆だと評価は5、★★★★★だと評価は10ということになります。基本的には「面白さ」よりも「わたしが好きかどうか」の評価になります。評価基準に関しての詳細は以下のリンクより。

新作ラノベ感想の「総評」について - ぎんちゅうのラノベ記録

 

 最後にブックウォーカーのリンクを貼っておきます。気になったらチェックしてみてください↓

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