今週も1週間で読んだ作品の感想をまとめていきます。
1:12月18日~24日に読んだ作品
今週読んだのは以下の11冊ですね。
・オリヴィア嬢は愛されると死ぬ
・魔法使いの引っ越し屋
・文句の付けようがないラブコメ 1~7
・おにぎりスタッバー
・ダンタリアンの書架 1
※文句の付けようがないラブコメの感想は3巻あたりからどんどん酷評になっていっています。
2:読んだ作品についてのお話
※以下画像はAmazonリンク
オリヴィア嬢は愛されると死ぬ
とても心の温まる素敵なお話。
オールステット家の主人が愛した最初の女性は死んでしまう。
そんな呪いを軸に据えた本作は、最初こそもう死ぬつもりで肝の座った少女と、初恋を持て余した小学生のような可愛い主人という、どこか微笑ましい空気に始まり、順調に愛を深めていたのが。呪いが成就するという12月に迫るにつれて少しづつしっとりした雰囲気になっていく。
言葉にはしないけれど、屋敷に住まう者全員が抱えている気持ち……、その機微を味わうと、家族の愛、姉弟の愛、恋人夫婦の愛。無数の愛で満ち溢れた作品なのがよく分かる綺麗なお話。
感想全文は以下のリンクより↓
【新作ラノベ感想part127】オリヴィア嬢は愛されると死ぬ - ぎんちゅうのラノベ記録
魔法使いの引っ越し屋
これは良かった!
魔法使いの引っ越し屋。出会いと別れ、新天地に向かう人々が持つ希望と哀愁。そういったものをどこまでも大切にしようとする女の子のお話でした。
短編形式で描かれる作品で、1つ1つの物語の起承転結がとにかく上手い! それ故の感動や楽しみが存分に盛り込まれていて。その上で1冊のストーリーとしての繋がりも見事! 読んでいて面白いしかなかったです!
感想全文は以下のリンクより↓
【新作ラノベ感想part128】魔法使いの引っ越し屋 - ぎんちゅうのラノベ記録
文句の付けようがないラブコメ 1~7
1巻感想
これは良い設定!
永遠の愛というものをそのまま形にしたような作品。やはり愛とはこうでなければ。どんなに残酷な世界で、どんなに過酷な運命を背負ったとしても決して諦めない想い……、けれどそれだけでハッピーエンドになれるはずもなく?
と、そんなお話の設定だけで1巻は終わった。
この1巻だけじゃ完全にバッドエンドなので、続きも読んでいくしかない。
果たして最終巻で運命に打ち勝ってくれるのかどうか。
個人的にやはりこの手の神様への生贄、神に堕とされた者、みたいなタイプは好きな設定だった。
2巻感想
新しい世界での出会いは学校で。
病弱な転校生と校内で孤立している主人公によるラブコメとして始まった今回は前後編の前編らしいです。徐々に近づく距離感が良いなと思わせながらも、二人の間にある壁が大きかった。
今回は世界の事情を何も知らないままに話が進んでいるために、いつその残酷な事実が二人を襲うのかと気が気でない。すっごいメタ読みをすれば、今回のハッピーエンドにはたどり着かないのでしょうけど……、どんなバッドエンドになるのか。
3巻感想
1巻のときよりは長く続いた。
けど、それだけ。ループモノである以上、こうして少しづつ先に行けるように……ってのは見所で面白い部分だとは思うけど。
正直1巻でやった内容を、ほぼそのままに2巻3巻の2冊かけてやるのは、間延び感が否めないんですよね……。若干の環境の変化や、キャラの立場の変化があるとはいえ、結局やってること変わらなくて、情報量の増えないものをだらだら見るのは個人的にはややしんどい。
とはいえこういう作品は、どうやってハッピーエンドに辿り着くかが肝でしょうし、そこを見るためにだらだら読むしかないのですが……
4巻感想
なんでしょうね、この違和感。
数千年生きてる神とか、何十万回もループしているとか。そういう壮大な設定や世界観があるはずなのに、その壮大さをこれっぽっちも感じないのですよ……。結局キャラの立ち位置が変わってるだけで、関係性は大差ない話を延々と読まされている感がすごい。単巻完結とかのループモノならそれでもいいかもしれないけど、シリーズモノとしての大きな1つの物語を綴ろうというのでこれはどうなのか。
……もちろん、1回1回のループではそんなに変わるものがない。新しい変化はない。だからこそ何十万回もループしている。とか言うなら、それはそれで納得しますよ。
でもそうであるなら、もう少しループの速度速めてくれないと読むのもなかなか大変。
だから1回1回のループを長編として描くのであれば、個人的にはもう少しガラッと時代とか関係性とか、登場するキャラを変えても良いように思える。その方が読んでて新鮮さはあるだろうし、ずーっと続いているお役目、たとえどれだけの時間が経って、立場が変わって、周囲の関係式が揺らいでも、二人を結ぶ因果と想いだけは変わらないという要素を強く魅せることもできそう。
5巻感想
ようやく話が動きそう感じか? ……いや、もうあと残り2冊なんですから、動いてもらわなきゃ困るのですけど。ここまで話に全く進展がないことが驚きだよ……。
感想としては、やはりとにもかくにも間延び感がすごい。今回も2冊前後編に分けてやるような内容でもなく、話も広がらず、同じような展開を続ける。
こういう悲劇を前にした作品だからこそ、日常パートが輝くみたいなものもあるでしょうが、この作品の場合はそこが惰性になってる。そもそも本筋に一切踏み込まない状態で日常とのギャップもクソもあるわけなく、楽しめるものですらないし。
願わくば、せめて最後の真相とかが全部明らかになって、ここまでの退屈を吹っ飛ばしてくれることを。ここまでだと文句のつけようしかないラブコメなので。
6巻感想
いやぁ、長い……。ここまでも長いし、この巻を読む体感時間も長いの。
今回は最初から最後までかけてようやく世界の真実を説明する巻でした。
……ええ、はい。「説明する」なんですよね……。
何でしょう、この物語として満足できない感覚。 明かされた真実は想像以上に重くてえげつなくて。SFなのか概念的な話なのかはたまた精神世界的な話なのか。これまでの疑問を全て解消して、壮大な世界観を一気に広げて、そしてようやく辿り着いた二人の長い長い旅の果て。
こんなのどうやったって感動できるだろっていう内容なのに、それを「説明」で見せられるとこんなにも虚無を感じるのだなと、そう思いました。
そしてここまで読んで思うのがやっぱり2巻から5巻の内容がまるでいらなかったという。結局この巻に繋がるものではなく、2巻から5巻までの内容はこういうループの一環だったのだという説明されるだけですからね。
7巻感想
ハッピーエンドのその後の物語。
平凡でありきたりな日常はやっぱり困難を乗り越えてこそ輝くもの。紆余曲折あったけど今はこうして幸せで笑い会える日々を過ごせている、という姿は良いものです。何より、結局皆が同じ場所に集まってこれから先も生きていく最後の運命共同体を感じさせる形はこういう作品らしい味わい。
文句の付けようがないというには、途中過程に文句の付けどころしかなかったけど、まぁ最終巻読み終われば文句の付けどころが多々あるラブコメくらいにはなったかも。……たぶん。
……いや、やっぱり無理です。きつかったです。6巻まで楽しめてないのに、最終巻アフターストーリーが楽しめるわけがない。
おにぎりスタッバー
なんだこのカオスは……。
普通(?)の女子高生、中萱梓のちょっと変な日常をただ純粋な形で詰め込んだような作品。読者に対しての説明や配慮というものを捨て去り梓視点で彼女が見ている世界観をそのまま押し付けてくるような感じか?
結果、文字びっしりの文章で読者に集中させて読ませる中に、床に聖剣エクスカリバーが落ちてるだの、友達のサワメグは魔法少女だの、おにぎりが襲ってくるとかクリスマスが落ちてくるとか世界が滅びるだとか意味のわからない単語がめちゃめちゃ自然と混入してくるカオスが生まれてる。そんなわけわかめな高校生たちのよく分からない日常と青春は、なんかよく分からないのですけど不思議な感動を覚えてしまう。
面白かったです。
ダンタリアンの書架 1
これは面白かった!
内容としては悪魔の書、幻書によって引き起こされる超常の事件を巡る短編集といった感じ。ダリアンとヒューイがそんな事件を巡っていくのだけど、本作のお話はどれも、悪魔の書と呼ぶにふさわしい人智を超えた人の望みを叶えることに始まって、その代償と言わんばかりの救いのない結末に終わっていてこれがすごく印象的。そして基本的には二人が何かするまでもなく幻書の所有者はもう手遅れみたいなのが短編としてのひとまとまりの良さがあったように感じました。
特に一話目からやってくる、美食を追い求めすぎた者のあの末路は強烈でしたよ。
おわりに
今週も過去作シリーズを読んでいきましたよ。
残念ながら文句の付けようしかないものになってしまいましたが……。
ただ、新しく読み出したダンタリアンの書架は面白いので一気に8巻まで読んでいこうと思います。