ぎんちゅうのラノベ記録

主に読んだライトノベルの感想を書いています。

【新作ラノベ感想part157】シスターと触手~邪眼の聖女と不適切な魔女~

 今回の感想は2024年4月のガガガ文庫新作「シスターと触手~邪眼の聖女と不適切な魔女~」です。

シスターと触手~邪眼の聖女と不適切な魔女~ (ガガガ文庫)

※画像はAmazonリンク

 

 

あらすじ(BWより引用)

 わたくしとご一緒に、悪いことしませんか?

 正教会によるスキル差別が支配する世界。

 冤罪によって魔女認定された僕、シオンウォーカーは断頭台で首をはねられる直前だった。

 その時、処刑会場に現れたのは、怪しく微笑む一人のシスター。

 「さあシオンさん、目覚めの時です」

 邪眼の聖女シスター・ソフィアに突然口づけされた僕の中で覚醒する、最強の恩寵≪ギフト≫――それは、『触手召喚』の力だった! そんなの絶対に嫌だ!

 しかし、

 キスをされては太くなり、

 罵倒されてはキレを増し、

 パンチラを見ては数を増して、

 僕の意に反してムクムクと成長していく触手能力。

 女性からの阿鼻叫喚に晒されながらも、僕はシスター・ソフィアに導かれて欲望を解放し、最強の触手使いを目指していくことに……こうなりゃヤってやる!

 己の欲望を解放し、正教会の支配から世界をも解放するインモラル英雄ファンタジー

 

感想

 うん、面白かったです。

 

 女神によって人々が能力を授かる世界で、異端の能力を持つものを魔女として迫害するような宗教観の根強く、主人公のシオンもまた処刑寸前だったところをシスターソフィアに救われて始まるお話。

 タイトルや表紙からイメージするようなエロエロ要素は薄いものの。

 しっかりと読者に読ませるファンタジー作品としての満足感のある作品でした。

 

 本作のような魔女認定された人々の持つ復讐心や宗教的な正義に叛逆する物語というのは、やはり一種の王道パターンとして面白さのあるものですし。

 そのストーリーの中で、教会の抱える闇や世界の謎、女神や主人公の持つ能力の秘密に迫るような奥深い世界観も感じられるのが良かったです。特にシスターソフィアが、主人公のシオンを特別大切にする理由、そこに関係するだろう主人公の能力の正体という部分ではある程度読者に想像できるものを見せている上で、まだ直接語られることはないことで今後に期待させる塩梅も上手いなと感じさせられるポイント。

 それに主人公はソフィアと行動を共にする中で彼女が色々隠していることがあるのは理解しつつも、彼女が何を思い自分を救ったのかと気にかけたり。たとえ彼女の思惑や自分の能力がどうあろうとも、今は彼女のためにできることをしようとする、そんな基本的に真っ直ぐで素直な性根に少年漫画のような雰囲気も感じられて良いですよね。

 

 一方で、読者が本来期待するであろう触手について。

 これはエロエロな要素というよりは、エロコメのようなギャグ要素として作品を彩っていたように感じます。

 それは最初の口絵からも察することができる部分であり、あらすじが示すようなどう見てもチ〇ポにしか見えないような性質を持つ触手というのは……、まぁそういうことですよね。なんたって作中でもチ〇ポくんと呼ばれる主人公だぞ!

 実際に中身を見ても激しい(?)戦いの決着を見せるシーンがあれでいいのかと思わされるような描写に思わず笑ってしまいましたし。女の子があ~れ~な感じになる部分はしっかり挿絵で補完されていますし、ちょっぴりえっちな女の子も見られるファンタジーラノベとしてはこのくらいで良いと思えるものでした。

 個人的にはエロ漫画にちらほら見られる謎の表現技法のような感じで、本作は擬音が明らかにおかしいのを見せられるのが、嫌いじゃなかったですね()

 

総評

 ストーリー・・・★★★☆ (7/10)

 設定世界観・・・★★★★ (8/10)

 キャラの魅力・・・★★★☆ (7/10) 

 イラスト・・・★★★☆ (7/10)

 次巻以降への期待・・・★★★★ (8/10)

 

 総合評価・・・★★★☆(7/10) 予想に反した真っ直ぐなファンタジーの面白さb

 

 ※星評価は10段階。白い☆で1つ、黒い★で2つ分。★★☆だと評価は5、★★★★★だと評価は10ということになります。基本的には「面白さ」よりも「わたしが好きかどうか」の評価になります。評価基準に関しての詳細は以下のリンクより。

新作ラノベ感想の「総評」について - ぎんちゅうのラノベ記録

 

 最後にブックウォーカーのリンクを貼っておきます。気になったらチェックしてみてください。

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