ぎんちゅうのラノベ記録

主に読んだライトノベルの感想を書いています。

【新作ラノベ感想part156】魔王の元側近は勇者に転生しても忠誠を捧ぐ

 今回の感想は2024年4月のファンタジア文庫新作「魔王の元側近は勇者に転生しても忠誠を捧ぐ」です。

魔王の元側近は勇者に転生しても忠誠を捧ぐ (富士見ファンタジア文庫)

※画像はAmazonリンク

 

 

あらすじ(BWより引用)

 元側近は、女勇者となって転生した世界でも魔王に仕えたい!

 人族と魔族の長きにわたる戦いに終焉と勝利をもたらし、世界を滅び尽くした歴代最強の魔王――バルド・バルバドス。

 彼に忠誠を誓い、戦い死んでいった六魔臣――銀狼、黒竜、真祖、暴鬼、邪精霊、夢魔を憂い、バルドは側近たちを新しい世界へ転生させると――美少女の姿で『勇者』になっていて!?

「バルド様――ついに時が来たのですね!」「時、だと?」

 元側近たちに次こそは平穏な日常を願うバルドだったが、元側近たちは前世と同じくまた世界を征服するため力を尽くしたいと忠誠を誓い、さらには甘えてきて!? 
学院都市の学長となった魔王と元側近のすれ違いハーレムファンタジー

 

感想

 こういうファンタジーラノベは定期的に摂取したくなりますね。

 良かったと思います。



 まずは、改めて本作のあらすじを。

 かつて魔王として、六人の側近の魔族たちを従え世界を滅ぼした主人公のバルド。

 彼は自分に忠誠を誓い死んでいった配下たちに平穏を願い、転生させることを神に約束させたのだが……、彼女たちが転生した時代には異世界から侵略してきた魔物によって脅かされていた。神の手によって、異世界の魔物たちを退けるためにバルドはかつての魔王のまま生き返ることになる。

 そして、再会した配下たちは、全員が可愛い女の子の勇者となっていて――、みたいなお話でした。



 そんな本作に対して言うべきは「可愛い女の子に囲まれて最高じゃん」……、これしか無いと思うのですよね。

 

 というのも、まず配下の六人が全員女の子になっているという状況。

 一人も男がいないのか、なんてツッコミは野暮と言わんばかりのお膳立てがあります。

 そして配下たちは全員が全員最初から好感度MAX

 せっかく勇者に転生しているなら、何人かは記憶が戻るのに時間差あって最初は魔王の主人公に敵意を向けてくる……、みたいな状況を作ってみても面白い話作れそうだ、なんて言ってはいけないのです。

 1巻で六人も詰め込んでも、結局最初にフォーカスできるのは一人だけなんだから何人かは後出しにしても続く楽しみにできるんじゃないだろうか……、なんて意見もノーサンキューなんです。

 

 最初から女の子に囲まれるからいいんじゃないか!!

 そんな強い意志を感じるようでした。

 じゃあ、もう読者も最初からそういうものと受け入れて可愛い女の子を楽しめば良いのです。

 

 かつて狼の魔物でそのふかふかの毛並みで主人公の側で寝ていたから、今度はふかふかのおっぱいで包み込んで一緒に寝るくらい普通のことですし。かつて竜の魔物でその翼で覆い被さるようにねていたから、やっぱりふかふかのおっぱいに包まれて一緒に寝るなんて当たり前のことです。色々な実験をする女の子が実験に失敗して、何故か服だけが透けて見える魔法が発生してしまうのだって当たり前のことでしょう。全員女の子になったのなら夢魔の能力で発情したって何もおかしくはないのです。

 そうして六人のヒロインは全員が全員、それぞれの個性でもって、主人公にうはうはなシチュエーションを提供してくれる。挿絵のちょっぴりえちちな雰囲気も合わされば鬼に金棒。

 いいじゃないですか、夢が広がるじゃないですか。わたしはこういうの嫌いじゃないんですよ。

 

 また、若干の勘違いモノの空気感で。

 元側近たちのやや過剰な忠誠と、それによるちょっとした暴走だったり。元魔王と魔族であるが故の、人らしい普通の親愛を理解しないままに、お互いを大切にしようとすることで生まれる絶妙な噛み合わない感じも良かったと思いますし。

 主人公は基本的に最強で何でもできますが、側近たちに好きなことをやらせてやりたいという心持ちと、世界と繋がってしまっているために力を振るうとリアルに世界に余波が出るという枷もあって、本作の戦闘がヒロイン主体になっていたのも可愛い女の子をメインにする本作の作風合ってたかなと思います。



 ともあれ、この手の可愛い女の子を全面に押し出すようなラノベは定期的に読みたくなります。

 昨今はこの手の気軽に可愛いイラストで楽しめるような作品はあまり見ないですからね。

 そういう意味では、満足感のある作品でした。

 

総評

 ストーリー・・・★★★ (6/10)

 設定世界観・・・★★★ (6/10)

 キャラの魅力・・・★★★☆ (7/10) 

 イラスト・・・★★★★ (8/10)

 次巻以降への期待・・・★★★ (6/10)

 

 総合評価・・・★★★☆(7/10) 可愛い女の子にチヤホヤされるハーレムがあればそれでいいじゃないか

 

 ※星評価は10段階。白い☆で1つ、黒い★で2つ分。★★☆だと評価は5、★★★★★だと評価は10ということになります。基本的には「面白さ」よりも「わたしが好きかどうか」の評価になります。評価基準に関しての詳細は以下のリンクより。

新作ラノベ感想の「総評」について - ぎんちゅうのラノベ記録

 

 最後にブックウォーカーのリンクを貼っておきます。気になったらチェックしてみてください。

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