昨日5月25日から第2回MF文庫Jevoが始まりました!!
第1回から楽しく色々な短編を読ませていただいている企画でして、今回はこうして雑談としてだらだら~と感想でも書こうかなと。
1:MF文庫Jevoとは
詳細に関しては冒頭のリンクを見ていただければ分かりますが、一応ざっくり簡単にご紹介。
・MF文庫Jevoは短編作品のコンテスト企画!
・読者の投票によって1位に選ばれた作品は書籍化されます!
・投票を抜きにしても個性豊かな短編が揃っているので純粋に面白い!
と、そんな感じの企画ですね〜、たぶん
今回はコンテストの第2回で、
投票は6月30日まで、
参加している作家さんは以下の5名になります。
・小林湖底 先生 (代表作:ひきこまり吸血姫の悶々/GA文庫)
・望公太 先生 (代表作:神童勇者とメイドおねえさん/MF文庫J)
・三屋咲ゆう 先生 (代表作:学戦都市アスタリスク/MF文庫J)
・森林梢 先生 (代表作:殺したガールと他殺志願者/MF文庫J)
どの作者さんも一度は読んだことある先生なので、個人的には読む前からかなり楽しみでした。
瑞智士記先生に関しては富士見ミステリー文庫時代に書かれていた「幽霊列車とこんぺい糖」という作品が、来月の6月28日星海社FICTIONSさんから新装版として刊行されるみたいでして、とても気になっていたりします。
あとは第1回のコンテストの作品もリンクのwebページから読めるみたいなので、気になる作品があったら読んでみるのをオススメします。
わたし個人としては、「機巧少女は傷つかない」などの作者、海冬レイジ先生が書いた短編が非常に尖っててイチオシです。
まぁ、概要はこのくらいで。
とにかく色々な短編作品が読めるイベントなんだ、くらいの認識でもOKだと思いますし。
2:作品の感想
ではそれぞれの作品について感想を書いていきます。
最後に個人的イチオシ(投票作品)についてさらに一言二言話す感じで行きますね。
経学少女伝~試験地獄の男装令嬢~ (小林湖底)
性別を偽り科挙試験に望んだ少女・梨玉と、ひょんなことから仲良くなった童生の雪蓮。試験毎に一等の成績を取った者が殺害される事件が起こってしまって……、という中華系ミステリ作品でした。
梨玉が性別を偽ってまで科挙に望む理由、純粋で真っ直ぐな想い。そんな彼女に振り回される雪蓮。自らの保身のために事件を隠蔽しようとする県知。それぞれの思惑が絡む事件の真相は短編ということで登場人物も少なくある程度は察せてしまいましたが、予想外の部分もあったり、全体的に綺麗にまとまっていて良かったかと思います。
続きがあるのなら性別を偽っているという要素が物語のアクセントとしてどう働くかが気になるところですね。
小鳥遊ちゃんはクソ漫画愛好家 (望公太)
漫画家志望の主人公とクソ漫画を愛するヒロインが部室で駄弁るだけのラブコメっぽいやつでした!
いや~、これは最高に笑いました!
初っ端からメタ全開の話題で始まったり、小鳥遊ちゃんは「たかなしちゃん」でなかったり、ラノベ映画グルメ様々なジャンルを引き合いに出しながらクソ漫画を愛することについて分析していく軽快な会話劇。言ってることが「あーたしかに」「分かるわ〜」で満ちてるからとにかく楽しく読める作品!
そしてアクセント程度ではありますが、たしかに感じる良質な先輩後輩によるラブコメの波動も素晴らしかった!
いのち短し恋せよ魔王、勇者が自爆する前に (瑞智士記)
かつて宿敵同士の勇者と魔王だった頃の記憶を思い出した男女のラブコメでした。
とりあえず小っ恥ずかしい。前世のノリが色濃く出ている二人は、現実世界的に見れば中二病でなんかいちゃいちゃしてるようにしか見えないんですよね。しかしいちゃいちゃとはいっても恋愛の甘い雰囲気は無く、果たしてどうなることやら、という感じ。
面白いことには面白いのですけど、アイデアだけで終わってしまっているような気もしていて。続きが読みたいかと言われるとどうでしょう? というのが正直な気持ちですね。
あとこれは個人的な印象ですがラノベじゃなくて漫画の方が面白そうです。
剣と魔法の火星事件簿 (三屋咲ゆう)
各惑星に神性が宿ることで人々が暮らすことのできる世界観にて、火星の事件屋に所属する二人の少女の元に盗難事件が舞い込むことで始まるSFファンタジーでした。
面白かったですね〜!
世界観はもちろんのことながら、剣と魔法それぞれに憧れを持つ二人の気持ち、ここがもっと深掘りされていって絆のようなものも描かれたらさらに面白くなるだろうなと。アスタリスクの作者らしい魅力に溢れたSFファンタジーでした。
余談として。個人的に魔法階級のルビが一等星の明るさ順になってるのでクスリとしました。
二〇〇那由多の手を尽くしても、君の心に触れない。 (森林梢)
余命一年の女の子二人から告白されてしまった主人公。二人を悲しませないために嘘をつく、二股をするちょっと切ないラブストーリー。
良かったですね〜。
最初こそ、なんでこいつは嘘をつくことにこだわってるんだ? と主人公への不信がありましたが、その理由が明らかになるにつれて切ない恋としての味わいがぐっと出てくる作品でした。タイトルに込めた想いもしっかり伝わってきて感動しました。
ただ、前回のコンテストでもそうでしたが、ここまで綺麗にまとまっているとこれで満足してしまって書籍化したものを読みたいと思えないのがちょっと気になりますかね。強いて言えば短編の尺では描ききれていないメイン二人以外のキャラをもう少し見せてほしいかもしれません。
3:総評・投票作品
今回はもう迷う余地なく、望公太先生の「小鳥遊ちゃんはクソ漫画愛好家」に投票ですね!!
ぶっちゃけこれがシリーズ化して、継続的な面白さがあるとは思えないんですけど、とりあえず1冊でいいから書籍として読みたい! そう思えるほどに面白かった、楽しかった、個性で溢れていた!! ふと冷静になったときにそれこそ本作で語っているクソ漫画を愛するような気持ちで、この明らかなクセ強作品に投票したんじゃないかと思ったりもしそうですが、それでもいい!
長期のシリーズ化を期待するのであれば、三屋咲ゆう先生の「剣と魔法の火星事件簿」も面白そうではあるんですけども、今回はとにかくもっと読んでみたいと思ったものにした感じになります。
単純な短編としての満足感で言えば、 森林梢先生の「二〇〇那由多の手を尽くしても、君の心に触れない。」が良かったです。感想でも述べていますが、主人公の持つ心情が明らかになっていく終盤に一気に感情が揺さぶられます。
4:おわりに
さて、今回は第2回MF文庫Jevoについてお話しさせていただきました。
相変わらず個性豊かな短編が集っていてどの作品も楽しく読ませていただきました。
今後も継続的に年1回とかでもいいのでやってほしいなと思ってしまいます。
投票とか難しいことは考えず、とりあえず面白い短編があるから読んでみようかな、くらいのノリで読んでみることをオススメします。第2回の5作品に加えて、第1回の10作品もあるので全部読むのは大変かもしれませんが。
今回の雑談は以上になります。