ぎんちゅうのラノベ記録

主に読んだライトノベルの感想を書いています。

【新作ラノベ感想part203】小説 僕の心のヤバイやつ

 今回の感想は2024年9月のMF文庫J新作「小説 僕の心のヤバイやつ」です。

小説 僕の心のヤバイやつ (MF文庫J)

※画像はAmazonリンク

 

 

あらすじ(BWより引用

 シリーズ累計550万部突破の大人気コミック『僕ヤバ』公式小説!

 桜井のりお先生全面監修によるファン必読の『僕ヤバ』公式小説が登場!

 

 親友の萌子が見てきた山田と京太郎の関係。そして、そんな萌子が抱く恋愛や受験に対する想いとは――「関根萌子は一歩踏み出す」。

 小学生の頃にもらったレアカードがなんと十万円に!? カードショップに向かう京太郎は山田と出会い――「僕はカードゲームがしたい」。

 京太郎&山田とのダブルデートを経て、神崎と原さんの距離は縮まった? 二人で過ごす夏休みの出来事――「神崎健太は触ってみる」。

 京太郎が山田家を訪れたある日。団欒のなかで、ほろ酔いの山田ママが初めて語るパパとの交際秘話――「山田ママは告白させたい」。

 以上四編を収録。そしてラスト、物語は十年後へ……向かうのか?

 

感想

 本作は大人気漫画作品「僕の心のヤバイやつ」のノベライズ。メインの市川と山田だけでなく、二人の友達や山田夫妻のお話も収録したファン必見の1冊となっていましたね。

 わたし自身、素直な感想としてこれはとても良いノベライズだと思いました!

 

 まず1つ1つの話にフォーカスしますと。

 萌子メインの第1話はやや真剣味の強い話、第2話は市川と山田のイチャイチャ話、第3話は神崎と原さんの話で全身〇〇〇なIQが急激に下がったような話、最後は山田夫妻の馴れそめを含めたほのぼの話。

 という形でいずれもその持ち味が違って、僕ヤバという作品の旨味が選り取り見取りという具合になっていたのがすごく良かったですよね。

 個人的には最後の山田夫妻の話がほほえま~で好きでした。山田が割と天然なところありますけど、お母さんも割と天然だったので親子だなぁ~と。そして山田パパも言葉数少ないからこそ、そんなママとの馴れそめも、娘に彼氏ができたときも、その心情を察して感じるところがあるのが良いですよね。

 

 そして全体を通して見ると、特に個人的に良かったのは本作がノベライズ担当の望先生が持つファン魂の溢れるような内容になっていたこと!

 つまり、望先生の「僕ヤバのこういう部分ってすっごく良くないですか!?」って想いがビシビシ伝わってくるようなお話で彩られていて、同じファンであれば「それめちゃわかる!」という気持ちになれるのですよ! 短編の1つ1つが違った味わいを持っているのは、望先生が僕ヤバの面白いところいっぱい見せたいいっぱい描きたいと思って書いていたのあろうというのが読めば分かる! まさしく原作ではない、アンソロジーのような別の作者が描くからこその魅力にあふれている1冊と言っていいでしょう! 

 そして当然ながらファン魂が溢れればこそ、描くお話1つ1つにはちゃんと原作に対するリスペクトがあるのも良かったですね! 1ファンとしてこういうお話も見てみたいという気持ちを込めて書きながらも、逆にファンだからこそ公式のノベライズで勝手に書いてはいけない部分は守らねば、というジレンマを感じさせるところをあとがきで望先生自身も仰っていてすごく好感が持てました!

 

 それから、わたし自身原作を読んでいる身としての言葉になりますが。

 望先生が「僕ヤバは常に今が一番面白い!」という気持ちで、できるだけ最新話に近い時間軸のお話を書いていたのも良かったと思ってます。

 だって読者はみんな初期の市川と山田の距離感も大好きでしょうけど、今の市川と山田はもっと好きですから。

 その今が最高潮(その最高潮はどんどん更新されていくけど)の市川と山田を見せてくれたら、そりゃ読者は嬉しいに決まってるんですよ!

 その結果として原作を読んでいない方にはネタバレになってしまう部分も多くあるかもしれませんが、原作ファンのためのノベライズとして見ればこれ以上ない満点なのです。

 そしてもちろんわたしは原作大好きですので「このノベライズは最高だった!」という感想こそが全てとなりましょう。

 

総評

 ストーリー・・・★★★★ (8/10)

 設定世界観・・・★★★☆ (7/10)

 キャラの魅力・・・★★★★★ (10/10)

 イラスト・・・★★★★ (8/10)

 

 総合評価・・・★★★★☆(9/10) ファン必読の『僕ヤバ』公式小説、その言葉に嘘偽りなし!!

 ※星評価は10段階。白い☆で1つ、黒い★で2つ分。★★☆だと評価は5、★★★★★だと評価は10ということになります。基本的には「面白さ」よりも「わたしが好きかどうか」の評価になります。評価基準に関しての詳細は以下のリンクより。

新作ラノベ感想の「総評」について - ぎんちゅうのラノベ記録

 

 最後にブックウォーカーのリンクを貼っておきます。気になったらチェックしてみてください。

bookwalker.jp