ぎんちゅうのラノベ記録

主に読んだライトノベルの感想を書いています。

【読書記録】2023年7月 お気に入り作品紹介 / 8月注目の新刊

 7月も終わるので、1ヶ月のまとめを記録していきます。


 ・・・とは言いますけど、最近は正直毎週読んだ作品の感想をまとめていますし、この月末の記録に果たして意味はあるのかと自分でも疑問が浮かんできました。

 

 なので、今まで通りに1ヶ月の中で特に好きだったお気に入り作品の紹介、読了数と読了作品の一覧は今まで通りに書くとして。

 それにプラスで来月の気になっている新刊新作の話をしようかなと思います。

 というわけで、今月の記録やっていきます。

 

不死探偵・冷堂紅葉 01.君とのキスは密室で【電子イラスト特典付き】 (GA文庫)廃公園のホームレス聖女 最強聖女の快適公園生活 (GAノベル)スペル&ライフズ 1 恋人が切り札の少年はシスコン姉妹を救うそうです (オーバーラップ文庫)

いもーとらいふ〈上〉 (電撃文庫)滅びの季節に《花》と《獣》は 〈上〉 (電撃文庫)英雄都市のバカども3 ~アルコ・ホール三番街の何でも屋~ (富士見ファンタジア文庫)

※画像はAmazonリンク

 

1:お気に入り作品

 早速7月中に読んだ作品の中からお気に入り作品をご紹介。冒頭の画像で示したように全部で6つですね。一つづつ簡単なコメントをつけて紹介します。

 

不死探偵・冷堂紅葉

 今月のGA文庫から発売された新作。

 タイトルが示すとおりの不死のヒロインの冷堂紅葉と、キスをすると僅かに時間を遡ることができる主人公が学校で起こった密室殺人事件の解決に望むお話です。

 そんな本作はとにかく要素要素の扱いが上手く、それぞれの魅力を最大限に発揮していたように思いました。例えば――異能力という設定はあれど、それを事件そのものに使うというより事件の捜査やキャラの背景掘り下げのために使うことに重きを置くことで、現実的なミステリーとしての面白さを確立しつつ、キャラ小説やラノベらしい軽い読み心地もそこに共存させている――というような具合でしょうか。

 ですので、ある程度しっかりしたミステリを求める人にも、ミステリ慣れしていないからまずは読みやすい作品を読んでみたいという人にもオススメできる作品だと思います。

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 以前書いた感想記事もリンクを貼っておくので、気になったら読んでみてください。

ginchu.hatenablog.com

 

廃公園のホームレス聖女

 ヘイト管理が見事過ぎる爽快聖女追放モノ作品でした。

 本作は神殿に勤めていた聖女アルムが、上司である第七王子のパワハラに耐えかねて、嫌なら辞めてしまえという言葉に辞表を叩きつけることから始まるホームレス廃公園生活を始めるお話です。

 ホームレスとは言うものの陰鬱さというものからはほど遠く、アルムはその類いまれない奇跡の力で快適な生活を暮らしてて、そんなアルムの能力を求めて様々な権力者たちがやってくるのだけど勝手に空回っては全部失敗しちゃうというコメディ具合を楽しむような作品になっています。

 そして、本作はアルムにパワハラをしていた第七王子がとにかく気持ちが悪く、反吐が出るほどに自己中心的なキャラでして、そんな第七王子が追い出したアルムを連れ戻そうとするのに対して、他の聖女たちが「害虫退治!」「二度とアルムに近づけるな!」と一致団結しあの手この手で妨害する様が何よりも面白いです。いいぞもっとやれ、と言いたくなる爽快感がありました。

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 以前書いた感想記事もリンクを貼っておくので、気になったら読んでみてください。

ginchu.hatenablog.com

 

スペル&ライフズ

 『スペル&ライフズ』と呼ばれる魔法(スペル)と召喚獣(ライフ)をこの世に顕現させる異能のカード。それを扱う全てのプレイヤーが暮らす人工島を舞台に、主人公の桐谷駿とその恋人を自称する少女ミラティアが、不正渡航者の少女・萌葱咲奈と出会うところから始まるお話です。

 スペル&ライフズというカードとそれを扱う技術に関した非合法な実験や組織との対立、そこにある主人公の生き別れの妹や行方不明になった咲奈の姉探しという、物語の方向性、起承転結がが明確になっているで素直に面白い作品でした。

 そして、それ以上に。メインキャラの三人、駿とミラティア、咲奈の会話劇がとにかく楽しく読めるというのが良かったですね。こういう会話のノリみたいなのは、正解があるわけでもなく、説明するのも難しいので良かったとしか言えないのが悔しいところですが……、本当に良かったんですよ!

 現在2巻まで刊行中で、今後も非常に楽しみなシリーズになりました!

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 以前書いた感想記事もリンクを貼っておくので、気になったら読んでみてください。

ginchu.hatenablog.com

 

いもーとらいふ 上下

 兄と妹、二人で一生の時間を過ごす。

 ただそれだけのとても尊いお話でした。 

 兄だから、兄である。妹だから、妹である。他の何者にも代えることなどできない二人の兄妹だから。そんな理屈でどこまでも純粋で綺麗過ぎる家族愛の在り方が素晴らしかったです。

 この綺麗すぎるっていうのは、そう見えるほどにそれ以外がくすんでいたということでもあって。周囲から見たら歪にしか見えなかったり、そこにいる当人ですらその完璧と歪の狭間で正しいとか間違いとか、幸福とか不幸とかに迷ったり悩んだりして終始地を這うような空気感で綴られる文章があって。

 だけど、どうあっても結局、最後に行き着くのは他の何物をも切り捨て兄妹二人で一緒に、という。生まれてから死ぬまで、たったそれだけの答えを描くための長い長い時の流れと心の機微を詰め込んだ上下巻の物語、大変満足でした。

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滅びの季節に《花》と《獣》は 上下

 やっぱりこういうファンタジー恋愛は素晴らしいんだよなぁ!!!

 そう思わず叫びたくなるほど、わたしの琴線に触れた作品でした。

 スラガヤという巨大な花の街で、人々は《大獣》と呼ばれる奇跡を行使する存在の奴隷となって生きる世界観で、《大獣》でありながら人の少女クロアに恋してしまった《貪食の君》、二人の淡く壮大な恋物語を描いた物語。

 序盤はガファルという人に扮しながらクロアに想いを寄せる《貪食》さんと、そんなガファルとの時間で彼に想いを寄せて行くクロア、双方の視点で始まって。正体を明かそうにも明かせない《貪食》さんのもどかしさや、一方で《貪食》さんとも関わる中で想い人であるガファルの面影を重ねてしまうクロアの板挟みの甘酢ぱっさを感じさせて。中盤からは滅びの季節、世界の敵、《大獣》と呼ばれる存在の正体や、過去の聖女リリアンの伝説などを巡る壮大なファンタジーに翻弄されドキドキハラハラが止まらなくなります。

 二人の甘く幸せな恋を阻むように次々に立ちはだかる問題の数々を越えて、ハッピーエンドにたどり着けるのか……、というファンタジー設定でゴリゴリに固めた恋愛モノというのが好きなわたしにとっては本当に最高の作品でした。

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英雄都市のバカども 全3巻

 英雄都市と呼ばれる街で、主人公の何でも屋モルトとそこに生きる愛されるべきバカどもの笑いアリ感動もアリ(?)なドタバタファンタジーコメディ作品。

 男なんて所詮みんなエロが大好きでバカしかいないんだよ。というタイプのノリと勢いの強いバカ騒ぎ系の作品でして、飯テロや全裸ネタもしっかり兼ね備えて笑い楽しめるのはもちろんのこと。

 そんなバカたちが街のピンチや女の子の涙を見れば即座にシリアスに切り替えて、その涙を吹き飛ばすためならどんな危険にだって躊躇無く飛び込む姿で、憎めない愛されるべきバカとしての格好良さをバッチリ見せてくるのが、やっぱりこういう作品の華だよなぁと思いました。

 また本作は街単位でバカ騒ぎするような作品だからこその、街の空気感、寛容さや温もり、そんな街で育った子どもと育ててきた大人たちの関係性のようなものをささやかな描写から感じるのが読めば読むほど胸に染みてくる良さがありました。

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2:読了数および読了作品一覧

 2023年7月中の読了数は34冊

 

 そして、その間の読了作品は以下の通り。作品は基本的に新作、読んだ巻の数字が小さいもの、が上になるように並べています。厳密ではないですが。また☆は今月のお気に入りとして紹介した作品。

☆不死探偵・冷堂紅葉
☆廃公園のホームレス聖女
・愛され天使なクラスメイトが、俺にだけいたずらに微笑む
・魔女の怪談は手をつないで 星見星子が語るゴーストシステム
・名探偵は推理で殺す
・魔王都市
・くたびれサラリーマンな俺、7年ぶりに再会した美少女JKと同棲を始める
・お隣さんな教え子と甘い◯◯
・妹はサイコパス
・SSSS.DYNAZENON CHRONICLE
・ありす×ユニバース -キャプテンはJK-
・アリス×アカデミィ -彼女のついたウソ-
・Wメイドで生徒会!
・小説 仮面ライダー龍騎
・小説 仮面ライダードライブ マッハサーガ
・触手魔術師の成り上がり 1
☆スペル&ライフズ 1~2
☆いもーとらいふ 上下
☆滅びの季節に《花》と《獣》は 上下
・俺ミーツリトルデビル! 1〜3
☆英雄都市のバカども 1〜3
・悪いコのススメ2
・Lie:verse Liars 2
・オレのラブコメヒロインは、パンツがはけない。 3
・わたし、二番目の彼女でいいから。6
・才女のお世話 6
・お見合いしたくなかったので、無理難題な条件をつけたら同級生が来た件について 7

 

3:来月の注目作品

 来月、8月に発売される作品についてお話ししていきます。

 

 まず新作について。

 個人的にいちばん期待しているのは、ガガガ文庫から発売される「ドスケベ催眠術師の子」ですね。第17回小学館ライトノベル大賞の優秀賞受賞作、タイトルからしてガガガらしい癖の強さを感じさせていますし、何より個人的に大好きな「ハナヤマタ」や「おちこぼれフルーツタルト」の作者である浜弓場双先生がイラストを担当されているというのが胸アツすぎるんですよね。

 もうこんなの期待しないわけがない!

 

 また、同じくガガガ文庫の大賞受賞作である「獄門撫子此処二在リ」もタイトルやあらすじからどんな物語が広がるのかが想像できないので、気になっている作品です。

 

 またGA文庫から発売される、第15回GA文庫大賞《大賞》受賞作という「透明な夜に駆ける君と、目に見えない恋をした。」は目の見えないヒロインと織りなす恋物語ということで、不自由さがつきまとうような設定が好きなわたしとしては注目している作品ですね。

 

 あとはファンタジア文庫から発売される「生徒会長との待ち合わせは、いつもホテル。」に期待しています。作者の前作「青春失格男とビタースイートキャット。」が非常に尖りまくったフェティシズムに満ちた淀んだ青春を描いた作品で非常に面白かったので、作者買いということになりますね。

 

 

 続いて新刊について。

 発売日順に見ていけば、まずはスニーカー文庫から「もしも明日、この世界が終わるとしたら」の2巻。いろセカ、もゆ。から漆原先生の大ファンのわたしはもう1巻から最高に好きな作品で、2巻もめちゃくちゃ楽しみですね!

 

 

 続いて、HJ文庫からは「魔王の俺が奴隷エルフを嫁にしたんだが、どう愛でればいい?」の17巻。巻数を重ねるごとにカップル増殖して甘さが増していくシリーズ、今回は推しカップルであるシャッ黒がメインの回ということで、読む前からもうワクワクしちゃいます。

 

 そして、電撃文庫からは「クセつよ異種族で行列ができる結婚相談所」の2巻ですね。電撃文庫新人賞の銀賞として発売され、1巻から見事な世界観とテーマ性でわたしの心を鷲づかみにした作品。今回はどんな相談者がやってきて、どんな騒動が起こるのか?

 

 8月後半になればMF文庫Jの「死亡遊戯で飯を食う。」4巻がありますね。1巻から独自の構成と設定で魅せてくれるデスゲーム作品。この作品にしかない面白さというものが確かにあり、まだ巻数は少ないものの既にわたしの中で「この作品は安心して読み続けられるぞ」と思わせてくれた作品。もう毎回新刊を楽しみにしています。

 

 注目している作品はこんなところでしょうか。

 

 以下、買うつもりの作品をまとめておきます。(他の方の感想見て買う作品の増減はあると思います)

・もしも明日、この世界が終わるとしたら 2 スニーカー文庫
・喋らない来栖さん、心の中はスキでいっぱい。3 スニーカー文庫
・魔王の俺が奴隷エルフを嫁にしたんだが、どう愛でればいい? 17 HJ文庫
・クロの戦記 12 HJ文庫
・男女の友情は成立する? 7 電撃文庫
・クセつよ異種族で行列ができる結婚相談所 電撃文庫
・透明な夜に駆ける君と、目に見えない恋をした。 GA文庫
・ドスケベ催眠術師の子 ガガガ文庫
・獄門撫子此処二在リ ガガガ文庫
・生徒会長との待ち合わせは、いつもホテル。 ファンタジア文庫
死亡遊戯で飯を食う。 4 MF文庫J

 

おわりに

 今までも、おわりにの項で来月の気になってる作品をちょろっと話してはいましたが、それを改めてまとめておこうと思って今回から変えてみました。

 今後もひとまずはこんな感じでやっていこうと思います、ということで今回の月末まとめはおしましです。