今回感想を書いていく作品は「西野 ~学内カースト最下位にして異能世界最強の少年~」
MF文庫Jより2018年から刊行されている現在13巻のシリーズ。作者はぶんころり。イラストはまたのんき。
※画像はAmazonリンク
今回は感想と言うよりも、シリーズを総括した紹介に近い形になっています。
なので、少しだけ普段と形式を変えて最初に目次を置いておきますね。
1:作品概要
まずはいつものように本作をあらすじをざっくりご紹介。
””裏の界隈で名のしれた最強の男・西野五郷。彼はどこまでも普通の男だ。学園カーストで言えば中間層、顔はブサイクでもなくイケメンでもないフツメン。強いて言えば少しシニカルを気取るくらいの普通な男。これはそんな彼が青春を謳歌しようとするも報われない、どこかいたたまれないそんな日々の物語である。””
ジャンルとしては群像劇、青春コメディ、異能バトルなどになるでしょうか?
しかし、正直なところ、この作品はこんなあらすじだけじゃ内容の1パーセントすら伝えることはできていません!
このあと多少なりと紹介をがんばりますけど、この作品に関して言うことがあるとするならそれはたった一言だけ、
「とりあえず、読め。話はそれからだ」
なんです!
読まなきゃこの作品の雰囲気というものは伝わらない。
そして、読み続けないことにはこの作品の本当の魅力というものは伝わらない。
1巻2巻でもしも読むのをやめている人がいるのならそれはまだ判断が早いと言いたいです。(それは過去のわたしだ💦)
この作品は巻を重ねるごとにその面白さが倍増していくのですから。
だから、とりあえず読んでほしい。
話はそれから。
さて、そうは言ってもどんな作品なのか分からないことには最初に読むきっかけというのは中々生まれないですよね。
なので、端的にこの作品の魅力を語ります。
2:西野という作品の魅力!
個人的に思う、西野最大の魅力というのは何と言ってもその登場人物たちをそれを描写する地の文の数々。
はっきり言えば、まともな人間が一人もいないのです。それは主人公である西野も含めて。
そんなヤベェ奴らをオブラートに一切包むことなくこの作品は地の文で描写します。ともすれば完全に悪口になっているような文言でキャラを示すことだって平常運転。だけど、それが違和感に感じないくらいに実際にやってる行動がヤバいんですよ、西野の登場人物たちは。
少しだけ紹介すると。
主人公の西野。彼はフツメン。イラストからも分かるほどにフツメン。しかし、そんな彼の口から出るのは嫌に気障ったらしいシニカルな発言ばかり。そういうのをカッコいいと信じていて、実際やっちゃう彼の姿を見たら、世の男子諸君は自分の青い頃を思い出して共感性羞恥で悶えること間違いなし。
メインヒロイン(?)な金髪ロリータのローズ。彼女はいわゆるヤンデレ。その愛情表現が変な方向に走っていて、そして壊滅的に西野には伝わらない……。
その他には、西野のクラスメイトでカースト上位なイケメンの竹内君や鈴木君、ザ・委員長な志水さんやその友人のリサちゃん、あるいは強かすぎる肉食系女子な松浦さん。西野の裏社会の仕事で出会った異能少女なガブリエラや、子犬系アーティストの太郎丸さん。
西野やローズみたいに最初から癖が強いのは強いのですけど、これらのキャラは西野という主人公に関わったからこそおかしくなっていく人物で……、この変化の様、徐々に曝されていく彼ら彼女らの本性は「うわぁ……」と思わず口にしてしまうものばかり。
本作は物語が進むにつれて少しづつ西野の周囲にいるキャラたちがどんどんおかしくなっていく、暴走していくと言っても過言ではない。
そして、そんな個性が濃すぎるキャラたちの行動は事件や問題となって物語を波立たせ、その波が青春コメディや異能バトルのような要素も貪欲に呑み込んでいき、その余波が誰も予測すらしない場所でいきなり竜巻を巻き起こすような。そんなノンストップで加速し続ける群像劇となって現れるのです。
最初に言った、読まなきゃ分からないこの作品の右肩上がりの面白さというのはこういうこと。登場人物が増えてきて、そしてそんな登場人物たちがどんどんおかしな方向へ突っ走っていく、その混沌具合こそがこの西野という作品の真骨頂。
最大の魅力なのです!
加えて言うのなら、ヤベェ奴らしかいない、と言いましたがそんなキャラたちを読者の視点で見ていると誰も彼も決して憎む気にはなれない。それは、個性が爆発暴走するやつらのソレはどれもが人間味という魅力になって映るから。
ヤンデレ、下ネタ、フツメン、イケメン、シニカル、包丁、暴力、特殊能力、裏稼業、人外美少女などなど。
わたしはこんなにも個性爆発したキャラたちを上手く煮詰めている作品を見たことがないのです!
3:おわりに
まとますと
・キャラクターの個性。
・そして、そんなキャラクターたちを描くあけすけない文章の数々。
・それこそが西野ワールドを作り出す最大の要。
みたいなことを語っていきました。
とりあえず、まずは読んでみてほしい。
1巻や2巻で微妙だと思っても、決してそれが読んでいて辛いと思うのでなければ、もう一歩勇気を出して読み進めてほしい。
進んだ先には必ず、沼がありますから。
西野という作品に溺れるための沼があります。
さぁ、こちらは楽しい世界ですよ。
いまこの紹介を読んだ方がこちらへ来てくれたらとても嬉しいのです。
わたしだけでなく、わたしにこの西野という世界を教えてくれたファンの方々もきっと大喜びするでしょう。
わたしはもう西野沼からは戻れません。
と、そんな感じで今回の紹介はおしまい。
同作者の田中や佐々木もそのうち読んでみたいですね。どちらも西野に負けず劣らずでかなり個性的な作品みたいですし。なので、田中や佐々木を読んだことがある方は、この西野を読んでみてもいいかもしれない?
とりあえず、西野が気になった方は以下の1巻リンクからチェックしてみてください。
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またカクヨムさんの方(リンクを貼っておきます)でも読むことができるので、買うかどうか悩むという方はこちらで試読するのもアリだと思います。
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