今回の感想は2022年2月の電撃文庫新作「友達の後ろで君とこっそり手を繋ぐ。誰にも言えない恋をする。」です。
※現在2巻まで刊行中(2022年6月)、2巻まで読了済み。今回は2巻まで含めての感想を書きます。
※画像はAmazonリンク
あらすじ
青春は恋愛だけではない。けど――。この恋だけは気づかれてはいけない。
「青春=彼女を作ること? 青春ってなにも、それがすべてじゃないだろ」
恋にトラウマを持つ高校生、古賀純也は恋愛よりも友達とわいわい騒いで友情を育むことこそが、青春だと思っていた。
男女の親友五人組で綺麗な星空を見たり、ファミレスで朝まで駄弁っている今この時こそが、自分達の青春だと。
――なのに、どうして俺達は相手が友達でも、恋をしてしまうんだろう。今までどおりの関係じゃいられなくなるかもしれないのに。
グループ内の一人、成嶋夜瑠が隠していた本音を知ったことで、純也と彼女の間に共犯関係が生まれ、意図せずお互いの傷に触れていく。
友情と恋心が交差する、まっすぐな気持ちと歪んだ想いをつづった青春恋愛劇。
感想
まず本作はツイッターでなかなか評判が良かったので不安8割期待2割くらいでとりあえず1巻読んでみた作品なんですよね。
そして1巻の率直な感想を言うと、青春恋愛モノの作品として丁寧なキャラ描写と展開でこれは面白いと言われるのにも納得できるものでした。ただし、この段階では特別何か良いとは言えない感じ。
イメージとしては、アニメ全12話の最初の1話2話を見せられたような感じ。
なので、ちゃんと最後まで完結を見れば面白かった、これは良かった、と言えるかもしれないけど、この段階じゃ面白いもなにもなかったんですよね。
なので、2巻を読んでみまして。
ここで評価が一変しました!
何と言ってもキャラの心情描写の変化が素晴らしい。
特にメインヒロインである夜瑠の情緒不安定さが良かったんですよね。複雑でやりきれない矛盾した抑えようのない気持ち、そんな激情を吐き出すときの苦しさ、そういったものをこれ以上無く魅力的に見せてくれる。ヒロインとして魅力的で可愛いと思える、そんな情緒不安定さ。
こういうの、わたしは大好物です。
彼女だけでなく、主人公を含めて他のキャラの描写もすごく良かったですよね。
友人関係と恋人関係に悩むグループ内だからこその難しさ、袋小路にはまって抜け出せない、そんな状況で自分の感情に向き合う少年少女たちがどこに向かっていくのか、とても気になります。
個人的にこの手の作品では結末については、ああいう感じになるのかな、それともこういう感じかな、ああいうエンドでもいいなぁ、とか色々思ってることがありまして。
理想を言えば、わたしはもうわずらわしいの全部捨てて二人だけで完全に孤立してお互いに共依存して溺れるようなのがいいって思いますね。
総評
ストーリー・・・★★☆ (5/10) ※2巻で★★★★(8/10)
設定世界観・・・★★★ (6/10)
キャラの魅力・・・★★☆ (5/10) ※2巻で★★★★☆(9/10)
イラスト・・・★★★ (6/10)
次巻以降への期待・・・★★☆ (9/10) ※2巻で★★★★(8/10)
総合評価・・・★★☆(5/10) 1巻時点ではなんとも言えない作品
ただし2巻で★★★★(8/10)になる、一気に呑み込まれた! もう続きが読みたくて仕方がない!
※星評価は10段階。白い☆で1つ、黒い★で2つ分。★★☆だと評価は5、★★★★★だと評価は10ということになります。基本的には「面白さ」よりも「わたしが好きかどうか」の評価になります。評価基準に関しての詳細は以下のリンクより。
新作ラノベ感想の「総評」について - ぎんちゅうのラノベ記録
最後にブックウォーカーのリンクを貼っておきます。気になったらチェックしてみてください。