ぎんちゅうのラノベ記録

主に読んだライトノベルの感想を書いています。

【新作ラノベ感想part46】青薔薇アンティークの小公女

 今回の感想は2022年5月の富士見L文庫新作「青薔薇アンティークの小公女」ですね。

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あらすじ

 少女は絶望の淵で 銀の貴公子に救われ、聡明さと美しさを取り戻す。

 

 身寄りを亡くし、絶望の淵にいた少女ローザ。彼女はある事情で、居場所も母の遺品すらも奪われた。そこに手を差し伸べたのが、美貌の貴公子アルヴィンだったーー。
 ローザは看板娘として、妖精と花のモチーフを蒐集(しゅうしゅう)した彼の店に勤めることに。地位と財をもち、一風変わった彼の優しさに触れて、次第にローザは生来の聡明さと凛と美しい佇まいを取り戻していく。


 一方、アルヴィンが伝承上の妖精に強い関心を寄せる背景にも、秘めた過去と哀しみがあり……?


 伝承に託された謎が、孤独な二人の魂を救う。西洋幻想浪漫開幕!

 

感想

 龍に恋う、の作者様の新作ですね。
 あちらはヒロインが感情薄めでしたけど、本作はヒーローの方が感情薄めで、しかしそれ故に出てくる彼の配慮や忖度の一切ない言葉が癖になりました! 個人的にアルヴィンがかなり好きなタイプです!

 

 さて、というわけで改めて感想を。

 舞台は18、19世紀くらいの西洋。労働者階級や貴族階級で人々が区別されていた頃。そして伝承やおとぎ話は廃れてしまった時代。あらすじで述べたように、絶望の淵にいたローザがアルヴィンに拾われて、そのお店で働く中で心地良さを感じて、過去の職場での人間関係や、母との思い出に触れたりもして、彼女が本来の凛とした性格に戻っていく。
 という、導入からローザの成長まで、一本分かりやすく王道な展開で非常に読み心地のいい作品でした。

 

 しかしそんなローザのお話の一方で、個人的にはこの作品がローザよりもアルヴィンの方が救いを求めているように感じて。過去のとある出来事から、他人の感情の機微が分からなくなって、希望を求めるように妖精の伝承に傾倒している。
 そんな彼がローザに出会って、何かが変わる予感?

 

 という、ここがすごく好きな感じで、好きだったんですよ! 龍に恋うとは対照的だと感じた点でもありますね。やっぱり、どっちがどっちにしても、こうして特別な二人の関係で救われるお話っていいんですよ、読んでて楽しいんですよ。


 あとは、アルヴィンが妖精という言葉さえあればどんな事件にも首を突っ込んでいくから、章ごと短話短話としてしっかり起承転結でまとまっていたのも良かったですね。
西洋の妖精伝承をモチーフにした表現や設定が、アクセントとして非常にいい塩梅です。

 

総評

 ストーリー・・・★★★ (6/10)

 設定世界観・・・★★★ (6/10)

 キャラの魅力・・・★★★★ (8/10)

 イラスト・・・★★★☆ (7/10)

 次巻以降への期待・・・★★★★ (8/10)

 

 総合評価・・・★★★☆(7/10) 全体的にすごく楽しめた作品! これからのローザとアルヴィンの関係がすごく気になる!

 

 ※星評価は10段階。白い☆で1つ、黒い★で2つ分。★★☆だと評価は5、★★★★★だと評価は10ということになります。基本的には「面白さ」よりも「わたしが好きかどうか」の評価になります。評価基準に関しての詳細は以下のリンクより。

新作ラノベ感想の「総評」について - ぎんちゅうのラノベ記録

 

 最後にブックウォーカーのリンクを貼っておきます。気になったらチェックしてみてください。

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