更新が1日遅れてはいますが、今週の読書記録です。
1:10月2日~8日に読んだ作品
今週読んだのは以下の10冊ですね。
・誰が勇者を殺したか
・組織の宿敵と結婚したらめちゃ甘い
・ライアー・ライアーSS
・男子禁制ゲーム世界で俺がやるべき唯一のこと 2
・豚のレバーは加熱しろ 8
・蟲愛づる姫君 春夏秋冬の花束
・B.A.D. 1~4
2:読んだ作品についてのお話
※以下画像はAmazonリンク
誰が勇者を殺したか
本作の感想については既に記事を書いているので、そちらを見ていただきたいです。
正直、わたしには合わないお話でした。
読み終わって感想書いて、そのあとで他の方の感想も見て振り返りましたが、やはりわたしには淡々として綺麗にまとめただけの物語に見えてしまうという気持ちが変わりませんでしたね。
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【新作ラノベ感想part111】誰が勇者を殺したか - ぎんちゅうのラノベ記録
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誰が勇者を殺したか【電子特別版】 - ライトノベル(ラノベ) 駄犬/toi8(角川スニーカー文庫):電子書籍試し読み無料 - BOOK☆WALKER -
組織の宿敵と結婚したらめちゃ甘い
「賢勇者シコルスキ・ジーライフ」が大好きで、非常に楽しみにしていた作者の新作! 面白かったです!
本作はかつて宿敵同士だった男女の甘々ホームコメディということで、まずはその夫婦のイチャイチャ模様に大満足。さらに過去の異能力者の世界にいたという事実が、その日常にちょっと非日常なコメディを持ち込んだり、あるいはがっつりシリアスを演出したりと、締めるところは締める、緩めるところは緩めるという、作品の緩急が非常に読んでいて気持ちの良い作品でもありました!
これまで様々なジャンルを書いてきた作者だからこそ生み出せる味わいがあると、作者の力量の高さを再確認できる1冊でしたね。続巻にも期待したいです!
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【新作ラノベ感想part112】組織の宿敵と結婚したらめちゃ甘い - ぎんちゅうのラノベ記録
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組織の宿敵と結婚したらめちゃ甘い - ライトノベル(ラノベ) 有象利路/林けゐ(電撃文庫):電子書籍試し読み無料 - BOOK☆WALKER -
ライアー・ライアーSS
最高の短編集!
ヒロインの可愛さが凝縮された1冊!
特に個人的には紬と雫のお話は良かったなぁと思います。紬は本編だと登場シーンが少ないのもあって新鮮なのと、雫はあの独特なテンションがやっぱり可愛いんですよね。プール回がめちゃめちゃ好き。メイド回多くて個人的なメイドスキー満たされたのも良きです。
そして改めて読んでいて思うのが、このシリーズってヒロインが数多く登場しますが、どのヒロインもちゃんと可愛いと思えるキャラになっているっていうのが本当にすごいと思うんですよね。ヒロインの描き方がめちゃめちゃ上手い。
また、この短編集は、月刊コミックアライブに収録されていたのを厳選したということで、時系列としても幅広い内容を扱っていて新鮮な気持ちもありつつ読むことができたのが良かったかと。
あと個人的に常々「本編以外の色々なところで書いている短編をまとめてくれ〜!」っていう気持ちがあって、でもそれはやはり難しいのだろうと思って、もしあったらいいなくらいに思ってるので。こうしてまとめてくれた1冊が出たというのが嬉しい。本当に嬉しいです。
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男子禁制ゲーム世界で俺がやるべき唯一のこと 2
百合を守る。
誰かの愛を守る。
ただ、そのためだけに本気で命を張って戦える男とかかっこよすぎてヤバいでしょ。敵がどれだけ強大であったとしても、絶対に退かない。そして死ぬのを覚悟したなら、あとはもう全力で正面から殴り飛ばす。自分が死ぬまで、戦い続ける。
本当にカッコよすぎて言葉を失った。
信念とは、行動で見せてこその信念であると、そう深く実感させてくれる主人公ですね。
こんだけカッコいいんだから、そりゃヒロインも惚れるわって言いたくなる。
百合に挟まるくらいなら死にたいと思うヒイロくんですから、どうにかヒロインたちの自分への好意を下げようとアレコレ手を尽くすのに、少しでもシリアスに入ったら俺が絶対に守ってやるって誓って、目の前で泣いている女の子がいたら手を差し伸べずにはいられなくて。
お前本当にヒロインに嫌われようとしてる? って言いたくなるけど。百合が好きで、それ以上に幸せになるべき女の子は全てを守りたい、そんな馬鹿馬鹿しいほどに真っ直ぐな信念を持っている以上譲れない一線のジレンマだから仕方ないんだよね。
まぁ、それはそうとして今回は序盤から中盤にかけてはヒロインからの好意全開のアプローチを受けては、百合に挟まってしまう自分の状況に死にそうになっているヒイロくんで笑わせてもらったりしたけど。百合IQ180のポンコツ具合最高すぎる。
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豚のレバーは加熱しろ 8
ブヒブヒ言っていられる時間ももうすぐおしまい。
世界のどうしようもない運命に振り回されたジェスと豚の物語はやがて終幕へ。
なんでしょうね、こんなに穏やかに終わることができるとは思ってなかったんですよ。だけど、うん、本来交わるはずのない2つの世界。そうして出会った二人。初めての旅から始まって、少しづつ想いを育み、その結果世界まで変わってしまう事態に至って……、引き返せないところまで来てしまったらもうあとは進み続けるしかない。そうして、全部を終わらせるのは自分たちの覚悟しかない。そうなってしまったから、ジェスも豚もただそれに向き合うしかなかったのかもしれないですね。最後まで諦めたくはなかっただろうし、こんな運命を受け入れるわけにもいかなっただろうし。そんな気持ちが静かに少しづつ溜まって、これまでの旅を振り返る、そんな最後の旅でした。
だからわたしが想像していた以上に、驚くほどに穏やかだった。
だけどだからこそ、豚のジェスを想う気持ちが溢れ出した所は駄目でしたね。まずページを開いて見た瞬間、こういう感じで爆発させたかと思って、それからじっくりその想いの全てを読んでいくと、そこまで読んできた読者にも溜まってくるんですよ。地の文が一切ない。ただただ豚が喋るだけ、でも豚がどんな顔で、どんな風に語ってるか容易に想像がつく。静かに、穏やかに、向き合ってきて、そこでやっと溢れた。
本当に、心の中に深く深く染みました。
だけど、まだ終わってなかった。
最後の旅を終えたあとの物語。
もう1冊お付き合いくださいと、そんな言葉で予告された本当のシリーズ最終巻がどんな風になるのか。今から楽しみで楽しみで仕方ない。
それはそうとして。
わたしがこれまでを振り返るこの巻でいちばん心に残ったのはやっぱり、あの木の下での会話でしょう。二人の出会い、もしも豚じゃなかったら、普通に出会うことができていたら、そんなイフを語っていって。やっぱり豚としてジェスに出会って旅をしたこと、これがどうしようもないくらいに運命的で、そうじゃなかったらなんて考えられないものだということ。
異世界で、豚で、魔法使いで。そんな世界と関係性だったから生まれた物語と想いが確かにある。それをしっかり実感させてくれるのは、本当に良いものです。
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蟲愛づる姫君 春夏秋冬の花束
これは最高でしたね。
本編で補完できない夫婦や双子のアレコレが綴られた珠玉の短編集でした。
まず最初は双子の恋の話。二人が成長してからの話を見てみたいなという希望をまさに満たしてくれるもの。この双子それじれ恋だとか愛し方を見ていると、やっぱりあの二人の子どもだよなって思える部分が本当に好き。父のように相手のどんなところも受け入れてしまえる、嘘なんか言わないよと言う炎玲。一方で気が強く自分から行動するタイプで母親似ではあるけど、母のような奇人ではないから恋に一歩踏み出せない普通のもどかしさがあったりする火琳。どっちもいいですよね。あとこの話の中であった、葉歌さんの不器用さもやっぱり好き。一生この人はまともな恋愛できないなと思えるのも良い。
そして、続くお話がそんな二人の生まれた頃の話。ここはもうお父さんの親バカ全開過ぎてヤバかったですね。子どもができた瞬間に世界が美しくなったとか言い出して、それだけでも彼が言うと危ない薬でも使ったかな? と言いたくなるけど。その理由にふれると、やっぱり玲琳が愛する男がそこにはいる。鍠牙パパは見れば見るほど言動の一つ一つが頭のネジ飛んでて好きなんですよ。
それから双子が子どもの頃にあった、夕蓮絡みのアレコレの誘拐事件。夕蓮の人たらしがあったとしても、誰かを思う気持ちがどんな行動に繋がるかは人それぞれという感じがしましたね。ある意味この作品らしい。
最後は夫婦が結婚に至ったささいなきっかけの話。短いけどちょっと笑えて面白い。
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B.A.D. 1~4
1巻感想
登場人物全員がちょっと(ちょっとどころではないけど)狂ってて、それ故に紡がれる歪な物語が終始怪しい雰囲気を醸し出している作品でしたね。主人公の小田桐勤が、腹の中に鬼の子を宿していて、その子どもが周囲の記憶や感情を喰らうことで成長し、その際に小田桐自身にも他人の感情がフラッシュバックする。そんな設定があることで、視点の切り替わりが多く、それが不思議な作風というものにマッチしているのだとは思うけれど。全編を通して、普通の現実で地に足をついている場面の方が少ないように思えて、それで個人的に物語の基準をどこに置けばいいか分からないのがモヤモヤしたかもですね。
もう少し普通に現実の怪事件に取り組む小田桐くんと繭さんの日常があると、いいのかもしれない。けど、そういうのは1巻で見せるものではないだろうから。この1巻が繭墨あざか、あさとの二人とそこに関わってしまった小田桐くんにフォーカスしているのも分かるので。まぁ続きも読んでみてですね。
2巻感想
そうそう、このくらいの塩梅が個人的にはやはり好きですね。
今回は水無瀬という、描いた物を具現化できる異能の家系にまつわる事件のアレコレ。水無瀬家を離反し神を降そうとした者の願いはシンプルなもので、だからこそ起こってしまった今回の事件。神を降ろすなどという手段を選んだことすらも異能の家系だったからこそ、そういう結論になってしまったのだろうと思う部分が良き。またそれと同じくらいに、伝統に固執する水無瀬家の歪さとそれが招く悲劇、繭墨からしたら見世物としか言えないような、小田桐くんからしたらふざけるなとしか言えないような、乖離した価値観はなかなか読んでいて面白いものでした。
3巻感想
うわぁ、これはなかなかにキツい。
これだけ悲惨な状況にあれば、小田桐くんが目の前の人に手を伸ばしたいと思うのも分からなくはないけれど、それであまりに自分に責任を感じすぎて耐えられなくなるのなら。繭墨のように、どうせ助けられないなら手を差し出すだけ無駄だというのは合理的で正しいのだろうとは思う。
そもそも今回の事件は、どれもこれももう最初から間違っていたようなものなのだから。死と生の境界をどこに置くかという問題はあるけれど、人でなくなってしまった時点でその命はもう終わっていなきゃとても自然じゃないんだろうと感じるところ。
死んだ人を生き返らせる。そのために他の人の命を捧げる。そんなのはやっぱり自然の摂理に反する。そして、そうである以上、それ相応の悲劇があってしかるべき。そんな厳しさで満ちていた巻でした。
4巻感想
あさとと出会って、そして始まった因縁にようやく一つの決着が。無数の惨劇と絶望の中で、囚われの白雪を救い、狐を殺す覚悟をして戦った小田桐くんだけど。やっぱり肝心なところでお人好しが抜けないようで。まぁ、それはそれで良いと思うんですけどね。誰も彼もが繭墨みたいに利己的であるわけじゃないですから。そういう部分は良い対比になっている二人な気がする。
小田桐くんが見た狐の背景がどこまで本当でどこまで嘘なのかは明確にされてないけど、そうであるからこそ全て事件が終わって小田桐くんの気持ちはあるとおもう。
それはそうとして、今回の一連の事件の中ではやっぱり白雪の愛と雄介の歪みが強かったですね。特に1巻であんな事件を背負いながら、ずっとのらりくらりと小田桐くんたちについてきてた雄介の本心が爆発するところは、本当に胸に重く響く。
あとは、大家さん小学生なのに怖すぎん? 大丈夫あれ?
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おわりに
今週は、なかなか密な読書になりましたね。
久々に個人的に好きになれない新作に出会ったかと思えば、豚レバ、むしめづ、有象先生の新作という楽しみすぎるラインナップが一気にやって来たり。その上で綾里先生のB.A.D.も少しずつ読み始めましたし。
B.A.D.は正直なかなか読むのに体力使うのもあって、時間がかかりそうですが10月中には読み終わりたいですね。