ぎんちゅうのラノベ記録

主に読んだライトノベルの感想を書いています。

【新作ラノベ感想part24】チルドレン・オブ・リヴァイアサン 怪物が生まれた日

 今回の感想は2022年8月の電撃文庫新作「チルドレン・オブ・リヴァイアサン 怪物が生まれた日」です。

チルドレン・オブ・リヴァイアサン 怪物が生まれた日 (電撃文庫)

※画像はAmazonリンク

 

 

あらすじ

 環太平洋沖に突如現れ、多くの人命を奪って世界中の海域を支配した謎の巨大生物レヴィヤタン――通称レヴ。


 通常兵器では到底歯が立たない怪物に対抗するべく、人類が生み出したのは、レヴの死骸からなる機体に子供を乗せて戦わせる人型兵器《ギデオン》だった。
 地方の民間ギデオン搭乗者として働いていた高校生・善波アシトと、その幼馴染の宮園エリン。ある日、二人のもとに、戦闘指導官として国連軍のエリート・風織ユアが現れる。境遇の違いから、初めは衝突し、すれ違っていた三人も、厳しい訓練と任務の中で、やがて確かな信頼関係を築いていく。
 そして、死と隣り合わせのレヴとの交戦の中で、アシトは覚醒の時を迎え――。
 海と喪失を巡るロボットジュブナイル

 

感想

 ある日、唐突に世界は変わってしまう。
 天災とはそういうものであり、人はそれに抗う手段を持たない。それでもその壊れた世界で残った人たちはそんな過去に想いを馳せ、今を生きる意味を探しここにあるのだ。
 これはどこかもの寂しく悲しい少年少女たちの物語。

 

 そんな本作は東日本大震災を思い、書き上げられた作品、ということでそのメッセージ性が非常に強いですね。

 災害で一変してしまった世界というのを文字通りに未知の怪物に襲われるようになった世界として表現することで、忘れられない悲劇と今尚続く惨劇の中で生きることの痛み、というのを個人的にはとても印象的と感じたところ。

 

 そして、この苦しみというのは、未知の怪物と戦う少年少女たちの一つの物語としても非常に良い味わいが出ていたのではないでしょうか。終始物悲しい雰囲気に満ちていて、結末もどこかやりきれない曖昧模糊としたもの。


 良いも悪いも言えない独特な読後感でしたね。

 

 いくらか細かいポイントを挙げるのなら。

 本作は既に述べたような悲惨な状況の世界観やレヴという化け物をしっかり描ける絵師さんのイラストがとても良いこと。

 化け物との戦いが基本的に水中で、更には機械仕掛けを操縦して行うというのはラノベでもあまり見ないものなので新鮮味があったこと。

 この作品のギデオンというマシンの描写、すごくエ○ァっぽかったこと。

 などがありますね。

 

総評

 ストーリー・・・★★★ (6/10)

 設定世界観・・・★★★☆ (7/10)

 キャラの魅力・・・★★☆ (5/10)

 イラスト・・・★★★☆ (7/10)

 次巻以降への期待・・・★★☆ (5/10)

 

 総合評価・・・★★☆(5/10) テーマと作品のメッセージ性を感じながら、独特な世界観に惹かれる作品。

 

※星評価は10段階。白い☆で1つ、黒い★で2つ分。★★☆だと評価は5、★★★★★だと評価は10ということになります。基本的には「面白さ」よりも「わたしが好きかどうか」の評価になります。評価基準に関しての詳細は以下のリンクより。

新作ラノベ感想の「総評」について - ぎんちゅうのラノベ記録

 

 最後にブックウォーカーのリンクを貼っておきます。気になったらチェックしてみてください。

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