今回の感想は2023年1月のスニーカー文庫新作「もしも明日、この世界が終わるとしたら」です。
※画像はAmazonリンク
あらすじ
世界は終わる。先はない。それでも人は恋をする――
終わりゆく世界を前に、少女は願う。
かつて英雄(あの人)が愛し、そして救った世界。余命はおよそ一年。
たとえ、私が死ぬことでしか世界が救われないとしても――。
「大咲空さん。どうか、お願いします。この世界を救ってもらえませんか?」
「あなたはかつて、この世界を救った『英雄の生まれ変わり』なんです」
終わりゆく世界を前に、少年は自問する。
召喚されてからこの世界で過ごした、少女(ユーリ)との日々。
ちょっぴりドジで、すぐ拗ねる。でも、たまに見せてくれる笑顔が嬉しくて――。
この世界と、大切にしたいたった一人の女の子。
どちらか片方しか救えないのなら――。
感想
いやぁ、最高でしたね。
これを読むために2022年の1年間を頑張ったと言ってもいいくらい。
ただただ素晴らしいとしか言えないです。
ただ、この感想って正直、わたしの頭が完全に調教されているからなんですよね(笑)
まず、本作は滅び行く世界に召喚された少年がそこで出会った少女と触れ合い、彼女を殺さなければ世界は救われないという状況で、果たしてどうするか……、という言ってしまえば世界と私を選ぶよく見るやつなんですよね。
世界が滅びることと、ユーリを殺さなきゃいけないこと、大きな問題はこの二点ですがそれらを丸々ひっくるめて結論を恋に置いて、1冊でいい感じにまとまっていて、1冊を通してたしかに満足もできる。まぁ、ぶっちゃけ色々解決しなきゃいけないこと残りすぎててそこはどうするんだと気になりますが。
ともあれ、内容そのものだけを見れば物珍しさや新鮮さはないのかもしれないです。
それでもわたしはこの作品が好きなんですよ。
なんでって、そんなのもう漆原先生の文章が好きだからに決まってますよ!!
まずね、この作品を読んで最初に思ったのは、失礼な話ですけど「めっちゃ読みやすい!?」ですから。
もちろん、わたしが多少は言い回しや言葉の使い方に慣れてきたというのはあるでしょうけども。それ以上に「いろとりどりのセカイ」「さくら、もゆ。」を見てきたわたしとしては、同じ謎を散りばめて終盤で回収していく作品としてみたときに、その難解さが圧倒的に違うんですよ。ゲーム1本分の分量で溜め続けたものと、ラノベ1冊で溜められる限界は違いますね。
だから、その点で内容的な満足感もちょっと薄かったかもしれないです。
が、しかし、ちゃんと読んでみるとやっぱりわたしの大好きなあの文章なんですよ。
キャラのセリフや設定、展開、物語の運び方、回想の出し方、時系列。そういう節々からわたしの今の性癖を確立したものを確かに感じるんです。ユーリの体の成長しない云々だとか、姿が見えなくなる云々だとか、1秒後の未来が見えるだとか、あの最後の告白シーンとか、見てるだけで色々リフレインしつつも新しい味として供給ができるんです。それがわたしにとってどれだけの喜びか。好きにならないわけがないんですよ。
文章を読んでいるだけで、どこまでも浸れる。わたしの全部がこれを好きだって言っている。
何が良いとか。どこが面白いとか。
そんな理屈全部吹っ飛ばした好き。
こんなの頭の中完全に調教されているとしか言えません。
本当にどうしようもない。
けど、好きなんですよ。大好きなんですよ。ユーリ可愛かった。ギンも可愛かった。お母さんもいいよね。全部好きだ。
そんなわけで、漆原先生とわいっしゅ先生、ゆさの先生、三人の神クリエイターによる神作品確定の作品。発売前から楽しみで楽しみで仕方なかったですが、実際読んでもただただ好きとしか言えない素晴らしいものでした。
総評
ストーリー・・・★★★★★★★ (上限突破)
設定世界観・・・★★★★★★★ (上限突破)
キャラの魅力・・・★★★★★★★ (上限突破)
イラスト・・・★★★★★★★ (上限突破)
次巻以降への期待・・・★★★★★★★ (上限突破)
総合評価・・・★★★★★★★(上限突破) この作品を読むためにわたしはこの1年生きてきたんだと分かりました。
※星評価は10段階。白い☆で1つ、黒い★で2つ分。★★☆だと評価は5、★★★★★だと評価は10ということになります。基本的には「面白さ」よりも「わたしが好きかどうか」の評価になります。評価基準に関しての詳細は以下のリンクより。
新作ラノベ感想の「総評」について - ぎんちゅうのラノベ記録
最後にブックウォーカーのリンクを貼っておきます。気になったらチェックしてみてください。