ぎんちゅうのラノベ記録

主に読んだライトノベルの感想を書いています。

【新作ラノベ感想part63】絶対に俺をひとり占めしたい6人のメインヒロイン season1.さて、誰から振ろうか?

 今回の感想は2023年2月のスニーカー文庫新作「絶対に俺をひとり占めしたい6人のメインヒロイン season1.さて、誰から振ろうか?」です。

 

絶対に俺をひとり占めしたい6人のメインヒロイン season1.さて、誰から振ろうか? (角川スニーカー文庫)

※画像はAmazonリンク

 

 

あらすじ(BWより引用

「荷物は少ない方がいい。物も人間関係も、だ」

 最低限の人付き合いしかしない人脈ミニマリストな高校生、平河真一が参加することになった恋愛留学。衣食住完備で使える資金は無制限な最高の環境で6人の花嫁候補たちと一緒に暮らし――順番に振っていくというもので!?

 アイドル、女優、ユーチューバー、幼馴染、義妹、元カノ……全力でアプローチを繰り返してくる個性豊かな美少女たちから脱落者を決めるのに頭を悩ませる真一だったが――『この中にズルをしている人がいる』という告発文から状況は一変し!?

 俺が負けヒロインを決める、振ること前提の勝ち確ラブコメ

 

感想

 古今東西、全てのヒロインは幸せにならなければなりません。

 

 これは世の中の絶対普遍の真理です(個人の意見)。

 幸せの定義というのは難しいものですが、少なくとも自分の目的が叶わなかったり好きな相手に想いが届かなったりすることは悲しいことと言って良いのではないでしょうか?

 

 であればこそ、この作品のタイトルはこの世界の真理(ただのわたしの持論)に真っ向から反抗するものだと、わたしはそう思ったのです。

 

 「主人公がヒロインを捨てていく」

 だなんて。読む前からこれはやべぇ地雷臭がするぞと、ものすごく失礼な話ですがそう思っていました。

 しかしながら、だからこそ期待もしていました。

 わたしの地雷を全力で踏み抜くような作品であることを。もしもそういう作品があったとしたら、わたしは間違いなくソレを嫌悪するでしょうけど、嫌悪できる作品っていうのはそれだけで十分に価値があると思ってますから。

 

 とまれ、そんな期待を胸にワクワクしながら読みましたが……、残念ながらその期待は外れてしまいました。




 なんと言いますか、普通にラブコメでした。

 

 本作はあらすじにあるように恋愛留学なるものに参加した主人公がそこで6人の少女たちから未来の伴侶を選ぶというのがメインのストーリーになります。

 そしてこの恋愛留学の背景としては、大企業の息子である主人公の心情と、亡くなった母親の残した言葉が絡んできます。

 端的に言えば、主人公は自分の目的のためにこの恋愛留学に参加して、そこで利害の一致するパートナーを選ぼうとするわけですね。

 そして恋愛留学の中身としては、様々なデート(レクリエーション)を通じてヒロインたちと交流するという感じ。

 

 ね、普通でしょう。

 ここでわたしが重要だと思うのが、主人公は生涯の伴侶「選ぼうとしている」としていることなんですよ。

 最初に言ったわたしの期待では「さて、誰から振ろうか」というサブタイトルからイメージするようなクソ主人公がいると思っていたんですよ。

 

 それが蓋を開けば、自分の目的を持って、その目的のための相手を選ぼうとしているって。振ること前提、って謳い文句から少しズレていませんかね? いや、たしかに振ってるんですけど……そうじゃない、と個人的には思ってしまいましたね。

 

 さらに言えばここに主人公の童貞ムーブが加わることでより一層色々な女の子とムフフなイベントを楽しむ感じの普通のラブコメっぽさが際立っていて、やはりわたしのイメージとズレてしまいました。

 あらすじにあった「荷物は少ない方がいい。物も人間関係も、だ」というセリフからイメージできるクールな主人公はどこにもいませんでした。

 

 ですので、わたしの感想としては「思っていたのと違う」がいちばんになりますね。




 しかしながら、これは作品そのものの問題ではなく、完全にわたしの問題なんですよね。

 なので。

 最後に少しだけ、本作を素直に見たときの感想を書きます。

 

 まずヒロインは可愛いです。

 1巻から6人のヒロインを出すという構成もあって、それぞれが最初からある程度の個性付けがされていて一見でも可愛いねって思えるようになっていました。個人的に幼馴染みのストーカーの子と常に淡々としてる義妹の子は好きでした。

 

 また、既に述べたように。

 主人公が自分の目的を持って、その目的に沿ってヒロインたちと向き合っている。この姿勢が一貫していることには好意が持てます。

 とはいえ、童貞ムーブがキツいのは少しマイナスかもしれません……。

 

 一方で欠点として。

 これは作品の性質上仕方のない部分ですが、やはり1巻では6人のヒロインを掘り下げるのは限界があり、また主人公が最後に誰と結ばれるかが最終的なゴールになっている以上「続きが読めないと何も言えない作品」になっているのはマイナスポイント。

 1巻だけで十分な満足感を得られません。

 

 また、そういう性質があることを念頭に置くと「他のヒロインよりも掘り下げがされたヒロインはその巻でリタイアしてしまう」ことがある程度予想できてしまう、というのもマイナスポイントですね。

 この1巻のクライマックスとなる、最初に脱落するヒロインは誰だ? に予想外がありませんでした。

 

 そういうわけで、素直に作品を見た場合の感想としては「1巻だけでは何とも言い難い。普通にラブコメとして見れば良いけれど……」というのが率直な評価になりますね。

 

総評

 ストーリー・・・★★☆ (5/10)

 設定世界観・・・★★ (4/10)

 キャラの魅力・・・★★☆ (5/10)

 イラスト・・・★★☆ (5/10)

 次巻以降への期待・・・★★ (4/10)

 

 総合評価・・・★★(4/10) 残念ながら、イメージしていたものとは違いました……。

 

※星評価は10段階。白い☆で1つ、黒い★で2つ分。★★☆だと評価は5、★★★★★だと評価は10ということになります。基本的には「面白さ」よりも「わたしが好きかどうか」の評価になります。評価基準に関しての詳細は以下のリンクより。

新作ラノベ感想の「総評」について - ぎんちゅうのラノベ記録

 

 最後にブックウォーカーのリンクを貼っておきます。気になったらチェックしてみてください。

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