ぎんちゅうのラノベ記録

主に読んだライトノベルの感想を書いています。

【新作ラノベ感想part64】死にたがりのシャノン ドラゴンに食べられてみた

 今回の感想は2023年2月のスニーカー文庫新作「死にたがりのシャノン ドラゴンに食べられてみた」です。

死にたがりのシャノン ドラゴンに食べられてみた (角川スニーカー文庫)

※画像はAmazonリンク

 

 

あらすじ(BWより引用

 美少女魔法使いのシャノンは世界各地を旅をしていた。旅の目的は――自分が死ぬ方法を探すこと! 彼女は不慮の事故で悠久の時を生きる不老不死となった。もう、充分生きたからとちょっとでも死ねそうなイベントを見つけては向かっていく。凶暴なドラゴンに遭遇したらエサになろうとし、未完成の薬の治験●人体実験に進んで名乗りあげ、トラップ満載の未踏破ダンジョンには回避禁止縛りのゴリ押しプレイで挑戦する!「う~ん残念! また死ねなかったか!!」でも死なない、不死身だから! きっと広い世界の何処かに素敵な死に方があるはずとシャノンは今日も元気に旅を逝く!

 

感想

 これはもう、あらすじを見て気になったら読んで間違いないです!

 

 期待通りの良い作品でした!



 ……で、正直これ以上に言うことがないのですが、流石にそれじゃ感想にならないので一応ちゃんと感想書きます。



 本作は、あらすじに述べられているように、不老不死の魔女であるシャノンがどうにかこうにか死ぬ方法を探して旅をするお話です。

 冒頭は飛び降り自殺に始まり、ドラゴンに嬉々として食われに行ったり、未完成の薬という名の毒をガブ飲みしたりするシャノンの様子がコメディとして短編連作形式で描かれていきます。

 

 なので1話1話が短くスッキリしていて、その上で笑える作品なので非常に読み心地が良かったです。ほっこりしました。

 

 また、そんな本作のコメディを引き立てる要素としてあるのは、旅先で出会う人々の存在。

 というのも、普通の人はシャノンが不老不死であることも、死にたがりなことも知らないわけですから、彼女の死に急ぐ行動を必死に止めるんですよね。

 ドラゴンに食われに行っても、決死の覚悟でドラゴン討伐に行く勇敢な魔法使いだと思われたり。薬をガブ飲みしようとしても、病人のために体を張ることのできる聖人のような人だと思われたり。

 そのある種勘違い系の面白さがあるのが個人的に見ていて面白い一幕でした。

 

 それにこういう認識の齟齬っていうのは、シャノンは不老不死だからこそ死にたいという背景があるから生まれるものですよね。

 こういうのがあるだけで、不老不死という特異性を際立たせるアクセントになり、キャラの味わいが深くなるとわたしは思っています。




 一方で一点だけ、気になるところがありまして。

 それはシャノンが世俗に疎い様子が多々描かれることです。

 これはシャノンが長く生きすぎているが故に現代の最新情報についていけないおばあちゃん的な可愛さと見るか、それとも旅をしていればそれは普通知ってることじゃないかと設定の甘さとして見るかによって、プラスにもマイナスにもなるんではないかと思っています。

 

 個人的には両方の側面を感じていたのでプラマイゼロ、って感じですが。




 ともあれ、色々言いましたが。

 基本的にはこの作品は「死にたいけど死ねない女の子」を見るコメディ作品です。

 そしてそのコンセプトに関して100点と言えるものがあったので、わたしとしては大満足!

 

 最初に言ったように期待通りでした。

 あらすじを見て気になったら読んで正解です!

 

総評

 ストーリー・・・★★★ (6/10)

 設定世界観・・・★★★ (6/10)

 キャラの魅力・・・★★★ (6/10)

 イラスト・・・★★★ (6/10)

 次巻以降への期待・・・★★★ (6/10)

 

 総合評価・・・★★★(6/10) 期待通りの良作コメディでした! 満足!

 

 ※星評価は10段階。白い☆で1つ、黒い★で2つ分。★★☆だと評価は5、★★★★★だと評価は10ということになります。基本的には「面白さ」よりも「わたしが好きかどうか」の評価になります。評価基準に関しての詳細は以下のリンクより。

新作ラノベ感想の「総評」について - ぎんちゅうのラノベ記録

 

 最後にブックウォーカーのリンクを貼っておきます。気になったらチェックしてみてください。

bookwalker.jp