ぎんちゅうのラノベ記録

主に読んだライトノベルの感想を書いています。

【新作ラノベ感想part104】天才女優の幼馴染と、キスシーンを演じることになった

 今回の感想は2023年9月のHJ文庫新作「天才女優の幼馴染と、キスシーンを演じることになった」です。

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あらすじ(BWより引用

 かつて幼馴染の少女・玲奈と交わした約束のため、どんな端役でも努力を惜しまない高校生俳優・海斗。

 そんな彼のクラスに転校してきたのは大人気女優にして、絶世の美少女に成長した玲奈だった!

 そして新作ドラマの主演に二人が抜擢されると、両片想いでじれじれな二人の仲は昔以上に急接近!?

 最高のドラマを作るために休み時間の台本読み合わせやデート(ドラマの予行練習)を重ねていく海斗たち。

 でも、クライマックスのキスシーンだけは一筋縄ではいかなくて――

 

感想

 うんうん、良いですね。

 ラブコメというのはこうでなくては。

 

 小学生のときに行った劇をきっかけに、2人で一緒に役者になって再会しようと約束した主人公とヒロインがそれぞれ高校生になって再会して、一緒のドラマで主演することになってラブコメするお話です。

 

 まず、お互いに小さい頃の約束を覚えててがんばって役者になった。そして再開した、という設定部分。

 こういうのはやはりシンプルに良いですね。

 お互いに相手のことを特別に思っている、というのが素直に分かるものですから。

 

 そうであればこそ、再開してからの距離感の近さにも納得ができるというもの。

 特にヒロインの方は、ドラマの共演者だから、という建前を使っては学校でも二人きりの時間を作ろうとしたりするようないじらしさが随所に散りばめられていて、これがなんとも可愛いじゃないですか。

 また、女優としては常にファンサもかかさない優等生を演じきっているものの、本当は緊張しいで人付き合いも得意ではないという弱みと、それがあった上でしかし主人公の前では自然体でいられるのだという甘え方。こういうのもヒロインの好意が如実に表れていてグッドです。

 そしてタイトルにもなるドラマのキスシーン。これもまた演技に入り込むタイプのヒロインが、主人公とのキスを意識しちゃうと演技が保てないというベタな可愛さを見せてくれてごちそうさまです、と。実際の撮影後はキスシーンを思い出しすぎて好き避けしてしまう、というのもやはり可愛い。

 ラブコメにおいてやはり重要な部分であるヒロインの可愛さ、これが満点と言っても良いくらい作品でした。

 

 一方の主人公はと言えば。

 幼い頃の約束を意識していたとはいえ、人気女優として引っ張りだこの彼女と違って自分はまだまだ、という気持ちもあってか恋心としては意識していない様子。

 そんなわけで、前述の通り明らかに好意ダダ漏れなヒロインを前にしても自分を卑下するような思考をたびたびしてしまうのが、若干見ていてイラッとしますけど。

 それでも、最初にも言いましたが約束のためにと努力することができていたくらいですから、ちゃんと真っ直ぐにヒロインに向き合ってますし、それゆえに飛び出すストレートな言葉がヒロインに刺さって照れさせることも多々あってこれはちゃんと良かった。

 なので、恋心をちゃんと自覚してからに期待、ということにしましょう。

 どう見たって両想いで小さい頃の約束を守り続けるような2人なんだから、お互いに相手に好意を隠さない言動連発でドキドキしまくるくらいで良いと思うのです。もっとイチャイチャしろ。

 

 それから、個人的に良かったワンシーンのついてお話すると。

 口絵にもなっていた遊園地デートが好きです。

「話題のドラマの主演だから変装をしなきゃいけない」ことと「ただのバカップルが遊園地を満喫している」という二面性を担保するような、あのテーマパークTシャツとメガネと付け耳カチューシャを付けたやつ。なんか良くないですか?

 

 あとは、今後に期待することとして。

 ドラマの番宣で2人が幼馴染で、なおかつこの恋愛ドラマをきっかけに再開したというエピソードを公開して。なおかつ、ヒロインの地元紹介番組では撮影外とはいえ、主人公を自分の実家にお泊りさせる。さらに学校では昼休みには演技の練習とはいえ二人きりの時間を過ごしているということが、他の生徒からは周知の事実となっていまして。おそらくマネージャーさんや、主人公のことを気に入ってくれている監督からはもうお察しされている状況。

 つまり簡単に言えば、この2人はスキャンダルとかそういうものを隠す気はないのでしょう。

 熱愛報告がニュースになるのがもう秒読み間近だと思うので、それを楽しみにしておきます。

 


 まとめますと。

 本作はドラマの主演になって再会した幼馴染の2人、という設定と舞台を存分に活かしたラブコメと言って良いでしょう。

 メインはラブコメ

 声優モノの作品とかが、キャラの日常を踏まえて、それを演技に乗せて面白さを演出する作品なのだとしたらこれはその逆なのかも知れません。ドラマ撮影という演技を通じて、それを現実の自分たちの恋愛に繋げていく感じ。

 

 うんうん、良いじゃないですか。

 ラブコメはこういうので良いんです。

 非常に満足しました。

 

総評

 ストーリー・・・★★★☆ (7/10)

 設定世界観・・・★★★☆ (7/10)

 キャラの魅力・・・★★★★ (8/10)

 イラスト・・・★★★☆ (7/10)

 次巻以降への期待・・・★★★★ (8/10)

 

 総合評価・・・★★★★(8/10) ラブコメとはこうでなくては!

 

 ※星評価は10段階。白い☆で1つ、黒い★で2つ分。★★☆だと評価は5、★★★★★だと評価は10ということになります。基本的には「面白さ」よりも「わたしが好きかどうか」の評価になります。評価基準に関しての詳細は以下のリンクより。

新作ラノベ感想の「総評」について - ぎんちゅうのラノベ記録

 

 最後にブックウォーカーのリンクを貼っておきます。気になったらチェックしてみてください。

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