今回の感想は2023年7月のファンタジア文庫新作「ラノベも俺も好きなギャル」です。
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あらすじ(BWより引用)
陰キャオタクと陽キャギャルをラノベがつなぐ、青春甘々ラブコメディ!
ラノベを愛する男子高校生・夜田涼介。SNSでつながったラノベ読みとのオフ会に参加したら――そこにはクラスの美人ギャル・妻川澪奈がいたうえ、告白されて!?平凡な青春が、ラノベがつなぐ関係で色づいていく!
感想
やはりヒロインのめんどくせぇぐちゃぐちゃ感情を書かせたら、この作者は強いですね!
本作はSNSで知り合った相手に会ってみたら、それがクラスの陽キャギャルだった、という話。まさしくタイトル通りな「ラノベも俺も好きなギャル」ですね。
で、そんな本作のメインヒロインのギャル澪奈(みおな)。
最初こそは同じ趣味を持つ相手、SNSで色々話して気が知れている親友。みたいな距離感で接してきて、それは本人もそう言っているようにラブではなくライクという雰囲気。
しかし、徐々にそんな気持ちにノイズがかかってきて。
他の男友達には感じないような気持ち。何故か自分のことをもっと意識してほしいと思う気持ち。別に彼女でもなんでもない自分が口にしたらおかしい気持ち。そもそも自分はラブでは無かったはずという気持ち。
自分でも抑えられない色々な感情がどんどん溢れてきて、彼女自身も困惑して、終盤に一気にそのダムが決壊するような恋心の自覚。そこから生まれるこのヒロインが持つ可愛いの爆発。
これがもう、素晴らしかったですよね。
しかし、そんな可愛いギャルヒロインを相手にするのはめちゃめちゃ面倒くさい陰キャ男子主人公。
アイドルにガチ恋してたけど、そのアイドルに彼氏ができてしまうみたいな出来事を2回繰り返した結果、三次元の女子は裏切るからダメだとか言い出すようなやつ。
もうこの時点で面倒くさすぎてヤバいですね。
だって「知らねぇよ」と言いたくなるくらいの理由じゃん。ぶっちゃけ現実世界でもガチ恋勢反転アンチみたいなのいますけど、個人的にあれがどういう感情なのかなかなか理解しがたいので余計に見てて面倒くさい。
そんなやつなので、ヒロインと関わる中でどれだけ距離が近くなろうとも「期待しすぎてはダメだ」と「自分は彼女に向き合えるような人間じゃない」とずっとネガティブな考えを持っていて、ああもう本当に面倒くさい。
わたしは、可愛い女の子は好きだけど、可愛くない野郎は好きじゃないのでハッキリ言いますが。
実に見ててイラッとします(^U^)
まぁ、ラブコメ主人公って8割方まともなやついないと思ってるのでもう諦めますけど……。
あと、本作の大きな特徴を挙げるなら。
主人公とヒロインのオタトークですね。
実際にあるラノベを引き合いに出しながら行う会話劇は、まさにオタトーク。
こういうノリは好き嫌いあると思いますが、わたし個人としてはうんうんと頷ける部分も多く、逆にいやそれは違うと言いたくなる部分もあったりで、しっかり楽しみながら読むことができました。こういうのをラノベ好きなオタクの解像度高い、というのでしょうか。
なので、ラノベ読者をターゲットにした作品としてはある種パーフェクトとも言える作品だったかと、思います。しかし、引き合いに出されている作品が半分以上わたしの読んでいない作品であまり共感できなかったので、そこは減点ですね(理不尽)
総評
ストーリー・・・★★☆ (5/10)
設定世界観・・・★★★★ (8/10)
キャラの魅力・・・★★★★ (8/10)
イラスト・・・★★☆ (5/10)
次巻以降への期待・・・★★★ (6/10)
総合評価・・・★★★☆(7/10) ヒロインのぐちゃぐちゃ感情の爆発がすごく良かったです
※星評価は10段階。白い☆で1つ、黒い★で2つ分。★★☆だと評価は5、★★★★★だと評価は10ということになります。基本的には「面白さ」よりも「わたしが好きかどうか」の評価になります。評価基準に関しての詳細は以下のリンクより。
新作ラノベ感想の「総評」について - ぎんちゅうのラノベ記録
最後にブックウォーカーのリンクを貼っておきます。気になったらチェックしてみてください。