今回の感想は2023年10月のブレイブ文庫新作「北欧美少女のクラスメイトが、婚約者になったらデレデレの甘々になってしまった件について」です。
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あらすじ(BWより引用)
北欧美少女と婚約、そして同棲生活スタート!
「連城くんにはね、わたしの婚約者になってほしいの」学校で一番可愛いと噂の北欧美少女――愛乃・リュティを本屋で助けた連城透は、婚約者になってほしいと頼まれる。
最初は政略結婚を拒否するためのお願いだったのだが、実はその相手が透だと知った愛乃は途端に結婚に乗り気になり始めて……!?
これは形だけの婚約者だったはずの二人が、少しずつ互いに理解しあって、本物の恋人となっていくお話。
感想
これは……、ごめんなさい。
わたしには合わなかったです。
感想の言葉がキツくなります。
ですので本作が好きな方、悪い感想は見たくない方はブラウザバック推奨です。
では改めて感想に行きますが。
まずヒロインが主人公に惚れた理由が読み終わっても、よく分かりませんでした。いや、まぁ助けてもらったのをきっかけに意識しただろうことは分かりますし。チョロインなんて今どき珍しくもないですから、そのくらいで惚れるかという疑問は愚問かもしれません。
ただ、個人的にはそんな軽い理由で好きになった相手と婚約者になったからといって、しきりにえっちなことや子づくりを迫るような姿は、デレデレ甘々で可愛いとかではなく、好感度とか距離感バグってるようにしか見えなかったんですよ。
てっきりもっと、実は〇〇な理由でヒロインは主人公がめっちゃ好きだったのだ、みたいなものがあるかと思えばそういうのもわからないですし……。
あるいはきっかけこそ些細なものでも、そこからの展開でどんどん好意に明確な形ができていって甘々が増していく、みたいなものでもいいと思うのですけど。本作は本当にいきなりコロッとデレデレ状態になるから……
さらに、そんなヒロインに段々と好意を寄せるようになる主人公。これはもうただ可愛い女の子に好き好き言われてるから自分も好きになったと錯覚している、いわゆる性欲に流されてる状態にしか見えません。
となると、この二人の間には、お互いがお互いを好きである確固たる理由や背景が一切ないことになりますね。
こんな状態の二人の恋愛模様を甘々ラブコメと称して見せられるのは、少し恐怖を感じてしまいます……。
そんな主人公とメインヒロインによるラブコメがメインとなる本作にはサブヒロインとして元婚約者の女の子と、クラスメイトの女の子もいまして。
この元婚約者ヒロインの方もまた、なかなかキツいんですよね。
こういうヒロインは未練たらたらで、元婚約者という何の意味もない肩書を使ってでも好きな人の前に現れた新しい女に牽制したくなる気持ちは、まぁ分からなくもないんですよ。ザ・負けヒロインという感じで好きな人は好きでしょう。
しかしね、ここで重要になってくるのが「何故"元"婚約者になってしまったのか」という背景と、それに対して「彼女が主人公をどう思っているのか」なんですよ。
この後者の方、彼女が自分の気持ちを吐露するときに言ったのが、要約すると「婚約解消のときに彼が反対してくれなかったのが嫌だった!」ですよ。
この1巻だけ見たとき、彼女が昔主人公をどれだけ想っているかがエピソードとして全く分からないので「え、この女は自分のことを好きになってくれないことが不満なの? 何いってんだ? 自分本位すぎだろ。草加雅人かな?」という気持ちしか出てこなくてですね……。
そもそもの話ですが。
この元婚約者と主人公が、婚約破棄になった原因。
これがめっちゃサラッと書かれるし、そこに関しての当事者たちの気持ちの深掘りがあとあとであるのかと思いきやそういうのもあまりなく……、正直掴み所のなさすぎるバックボーンなんですよ。
更に言えば、主人公はこの婚約破棄の一件でひどい負い目を感じているようだけど、その負い目が解消されるような展開は一切なく。
これがまたより一層、主人公からのメインヒロインに対する気持ちに関して、こんなうじうじしてる駄目な自分のことでも好きと言ってくれる女の子だから、好きになってるだけ感を増しているという……。
つまり要約しますと。
・主人公の気持ちがよく分からない。
・ヒロインの気持ちもよく分からない。
・元婚約者ヒロイン周りの背景もよく分からない。
そんな状態でラブコメが描かれていくわけです。
何もわかりません。
主人公の変化、ヒロインの可愛さ、婚約者という関係性……、色々と要素はありますが、どれを作品の軸として見ればいいのかが本当によく分からない作品でした。
あと、1つだけ。
基本的にわたしが文句言うことない部分なのですが。
表紙や口絵のカラーイラストと、挿絵のモノクロに結構な差があるように感じてしまって……、ラブコメ作品でこれだけは外せないというイラストにもやや不満を覚えてしまうことになってしまいました。
総評
ストーリー・・・★★ (4/10)
設定世界観・・・★★☆ (5/10)
キャラの魅力・・・☆ (1/10)
イラスト・・・★★ (4/10)
次巻以降への期待・・・★ (2/10)
総合評価・・・★☆(3/10) ごめんなさい。これはわたしには合いませんでした。
※星評価は10段階。白い☆で1つ、黒い★で2つ分。★★☆だと評価は5、★★★★★だと評価は10ということになります。基本的には「面白さ」よりも「わたしが好きかどうか」の評価になります。評価基準に関しての詳細は以下のリンクより。
新作ラノベ感想の「総評」について - ぎんちゅうのラノベ記録
最後にブックウォーカーのリンクを貼っておきます。