前回の週間記録から3週間が経ちました。
3月末から4月始めにかけて全くラノベを読んでいない時間があったので、記録のつけようがりませんでした……。ですので、形式的に4月1日~14日の二週間分として、記録の再開をします。
1:4月1日~14日に読んだ作品
この二週間で読んだのは以下の13冊ですね。
・神様のお仕事 1
・魔王の俺が奴隷エルフを嫁にしたんだが、どう愛でればいい? 18
・黒幕ゲーム
・Unnamed Memory 1〜6
・Unnamed Memory -after the end- 1〜3
・男女の友情は成立する?(いや、しないっ!!) 8
2:読んだ作品についてのお話
※以下画像はAmazonリンク
神様のお仕事 1
これはしっかりラノベとして楽しめる作品でした。
ある日、突然に神様になってしまった主人公が、神様に仕える巫女である少女と共に人々の願いを叶えていくお話。そしてこの冒頭からの疑問である何故主人公が突然神様になってしまったのかのアンサーがとてもいいオチとして持ってきて、ヒロインのキャラ付けを強固なものにしてきました。自らの神を絶対視する献身という目に見える重さの根底にある、無自覚な想いという紙一重の具合がとても良かったですよ。縁結びの神様としての活動もあってこのオチは本当に良い味わい。
一方で、神様同士の安易な異能バトル感や神様のシステム周りに関してはややチープさがあったような感じがしたのは良くも悪くも、でしたかね。軽く読めて楽しめるを重視するのであれば、このくらいで丁度良かったですけど。本作の設定やキャラであればもう少しガッツリした話もできただろう、と思えばやや惜しいとも感じてしまうのも本音でした。
魔王の俺が奴隷エルフを嫁にしたんだが、どう愛でればいい? 18
結婚……? あれ、まだしてない? してない……?
と、思わず頭がバグりそうになる18巻。あれだけ周囲の目もはばからずにイチャイチャしているのに、まだ結婚していなかったのはあまりに盲点。
そして今回は普段からいじられまくってるバルバロスとシャスティルが二人で画策したこの一連の結婚話だけど、結局こいつら二人がいつまでも付き合ってない状況は変わらないし、それでカウンター受けてるのは大丈夫そ? お互いに「まだ」って言っておけば良いとか思ってない? というツッコミどころしかないのが本当に笑える。
さらにはこうしてこの四人の恋愛事情を掘り下げると、結局このシリーズで現在いちばん真っ当に恋人のステップを進んでるのはシャッ黒なんだよなぁと再確認できるのもまた素晴らしい。シャックスの猫好き小ネタも微笑ましいし。
と、まぁ、相変わらず「イチャイチャ>本編の進行」になっているシリーズだけど。少しづつシリアスな部分も進んでいるし、今回は次の巻に続くかたちで終わったから、今後も楽しみですね。
※追記。
わたしの感想は「イチャイチャ>本編の進行」と表現しましたが、読書メーターなんかを見ても「恋愛と世界の危機を同じ熱量で語られて感覚バグる」だの「魔王同士の争いはおまけです」だの「魔王の勧誘合戦はラブコメ渦に堕ちるか殺されるかの二択」だの言われてるのが本当にひどいなと思いましたw
黒幕ゲーム
クロスコネクト、ライアーライアーに続く久追先生の新作。
しっかり面白かったです、というより今後も楽しみなシリーズが来たぞ! というのが素直な感想でした。
この1巻は仲間集めの巻で、主要キャラの顔見せ、主人公たちの初陣と言った感じにまとまってましたが。その中で、しっかりキャラを立てるのはもちろんとして、異能力とその副作用を活かしてキャラ同士の関係性にグッと深みを出しているのが非常に上手い。期待も不穏もしっかり煽ってくるのがとても良かったです。
感想全文は既に記事でまとめていますので、気になったら見てみてください。
【新作ラノベ感想part152】黒幕ゲーム 学園の黒幕ですが完全犯罪で世界を救ってもいいですか? - ぎんちゅうのラノベ記録
Unnamed Memory 1〜6
1巻感想
想像以上にラブコメ味が強い作品だった!
自らに掛けられた子を成せない呪いを解くために、魔女の1人であるティナーシャが棲む塔に訪れたオスカー。呪いが解除できなくても問題のないほど強い伴侶がいればそれでいいのでは? 丁度目の前にいるじゃん、とティナーシャに求婚し、ティナーシャはそれを当然拒否。そんな風に始まった二人の押し問答がとても面白い!
しかし一方で、ティナーシャが塔から出たことで頻繁するようになった魔法事件の数々。彼女の過去や彼女が魔女になってまで想う過去が絡んでくる問題が、どう動いていくかがとても気になるところ。だけど彼女がどうあっても、もうオスカーが止まらなそうな印象。最初こそ気まぐれで始まった求婚が徐々に本気に変わってきていて、最初から押しの強い男オスカーが本気になったらもうできないことないのでは? と。ティナーシャ絶対に逃げられないよ。
2巻感想
相変わらずの押しが強いオスカーと、結婚はしないと頑ななティナーシャ。しかし、今回訪れた彼女の過去の清算を乗り越えて、その胸中は徐々に変わっているようで……? あくまで守護者として信頼できる相手として、彼を守ろうとする姿や、ふとした拍子に無意識なのか出ている甘える姿がすっごい可愛い。オスカーはオスカーで彼女を想えばこそ、色々と我慢していたりするところもあるようで。
そんな調子で1巻と変わらない押し問答の形の中で目に見えて分かるほど深まっている想いに思わずニマニマしてしまう! やはりファンタジーラブコメは最高ですね!
そして、今回の一件を見て、やっぱり過去に囚われたままのヒロインをヒーローが未来に引っ張り出すような構図はいいよなぁと思いました。そのためにはオスカーくらい押しの強い、好きな女は絶対に手放さないくらいの覚悟が必要だから、自然とカッコいいヒーローに見えるし。ヒロインはヒロインで、そんなヒーローによって新しい未来に目を向けられるようになったら、どうしたってその人ありきで新しい日々が始まるのだけど、それまでは全く意識しない対人関係であることが恋愛のアクセントとして上手く機能する。こういうのが長寿ヒロインの良いところだとしみじみ思います。
3巻感想
ああ、なるほど。これで第一章終わりになるんですね……、続きがすごく気になるじゃあないですか!
とりあえず今回はティナーシャがくっそ可愛いという話で。無自覚な愛を溢れさせてポンコツ曝す姿に笑いが止まらない。あの質問とか、もう最高にひどいよね(笑)。ともあれようやく表紙のウェディングドレスに繋がる二人の関係性には感無量。
しかしそうであるが故に、終盤の展開は大きな衝撃。新たな二人のスタートが一体どんな物語を紡ぐのか。オスカーがティナーシャの心を手に入れるまでの第一章だったけど、今度はティナーシャからオスカーに踏み込むしかないような気がするので。一体どうなっていくのか。
4巻感想
新章開幕。サブタイトル通り白紙からもう一度の物語。
……とりあえず、ティナーシャお前ぇ、と声を大にして言いたい。
元々恋愛下手ではあったけれど、王族という立場にあって、その上で過去から続くたった一つの想いを持ち続けるとこうなるのかと。オスカーからしたら本当に溜まったもんじゃないでしょ。あんなにも全身から信頼と愛情を振りまいては人の心を揺さぶってくるのに、大事なことは自分の中に抱えるだけで踏み込ませてはくれないんだから。叩けば響くようなこれまでの押し問答が、今となっては暖簾に腕押しくらいで、無自覚に男を惑わすムーブし過ぎててマジでヤバい。
いや、もちろん現在の複雑な関係性と、心境を理解すればこそ仕方ないとも思える状態なんだけど。それでも、あれだけ人の心をかき乱しておきながら、自分はもう十分幸せです、って勝手に自己完結しようとするのはギルティでしょ。……やっぱりティナーシャはオスカーが分からせるしかないのか? 多少強引にでも手を引いて幸せを押し付けるくらいじゃないとダメなのか?
5巻感想
内容盛り沢山過ぎて何から言えば良いのやら。
まず第一に、ティナーシャ本当に色々無自覚過ぎて危ないですよ。女王に即位して言うことがアレは読者から見たら完全に誘ってるというか、直後のオスカーの迅速な行動にそりゃそうなるわと。自分が誰かに愛されることの自覚がない、というより本当に自分の気持ちを自分の中で完結させようとする子だからこういうことになるのよ。オスカーに目一杯の幸せを与えられて分からせられないとダメですね。
そんな一件のあとは邪神討伐したり、オスカーの呪いと祖母の正体が明らかになったり、トラヴィスにけしかけられて魔族と戦うことになったりととりあえず戦闘戦闘戦闘と続く展開。その中で過去を書き換える魔道具へと徐々に近づいていって……。オスカーもティナーシャも決して無関係ではいられない世界の真実に近づいているようで、次回一体どうなってしまうのかと。
6巻感想
遂に完結! オスカーとティナーシャが永遠に幸せであってほしいと願えば自然と涙が……、本当に最高のファンタジーラブストーリーでしたね!
幾重も改竄される世界の真実へと踏み込んでいく最終巻。この4巻から6巻が如何に奇跡のような一幕であったのかをひしひしと感じさせられ。その奇跡を手繰り寄せたのがオスカーとティナーシャの関係であったならば、その奇跡を超えたその先へと向かうのもまたオスカーとティナーシャであったことに運命の壮大さと二人の愛の偉大さを感じさせられる。
そして個人的な感性としてグッと来るのは、表面的にはオスカーがティナーシャを手放さない強さがあるけれど。その実、本来魔女であり他者への興味関心が極端に薄いティナーシャの方が(むしろそうであったからこそかもしれないけど)、オスカーへの愛情がどこまでも重いこと。作中でも言われているように彼女にとってオスカーは唯一無二の人。そしてそんな彼女の愛情深さが、1〜3巻の魔女であった頃と、4〜6巻の人の女王であった頃の2つの立場から描くことでこれ以上ないほどに鮮烈に魅せられていた。本当に魅力的過ぎるヒロインだった。
そしてそんな幾度となくあっただろう彼女の全てが、最後の改変を前にして口にした言葉に詰まっていたように思うと、本当に感動してしまった。どんな時代どんな場所にいても変わらない彼女の性質を受け入れて愛せるオスカーには、この先永遠に彼女を愛して、二人で幸せになってほしいと思うのです。
こんな二人の愛に満ちた壮大な物語を読めて本当に良かったです。やはりこういうのがあるからファンタジー恋愛は最高ですね。
Unnamed Memory -after the end- 1〜3
1巻感想
新しい長い長い旅の始まりとなる新章開幕。
転生を繰り返しながら大陸中の呪具を破壊するためのお話なので今までより短編連作のような色が濃くなってたような感じ。
その中で展開される二人のイチャイチャコメディがやはり楽しい。序盤は旅が始まったばかりでのほほんと、所帯じみた二人の空気感に癒やされ。しかし死して何度も蘇るという状態を改めて突きつけるような、オスカーが亡くなってから空白の90年のティナーシャの憔悴っぷりがとても胸に痛い。魔女の400年よりもその90年の方が長過ぎる、という彼女の想いは個人的にとても刺さる部分。
しかしそこからの後半、生まれ変わったオスカーに再会してからの、相変わらずの恋愛下手過ぎるティナーシャはひどすぎた。いや、それが可愛いんだけどね。でも彼女自身初めての喪失に若干躁鬱になってた感があって、恋愛初心者なのは元々なので、その相乗効果であの暴走娘状態になってたのだと思うと理解はできるけど笑うしかないでしょ。
ただこういう形になってようやく本当の意味でティナーシャが求婚を迫りだす逆転が起こったと思うと、新章開幕1巻目としては非常に感慨深いものがありました。今後も幾度となく繰り返されるだろう求婚し求婚されの円環がそれぞれどんな感じになるか楽しみですね。
2巻感想
初っ端から重すぎる……ッ!
悠久の時の中で旅するようになったからこそ、母国の歪んでしまった状況に巻き込まれるという絶妙な運命の交差があるのは話として非常に面白いけども……、それに逸脱者になった以上、オスカーもティナーシャも全く死なずに、なんてことはありえないでしょうけど。だから、問題はその死に方なんよね……、その意味でこの2巻は完全にやってる! いきなり不意打ちで読者の頭ぶっ壊しにくるのはやめれ!
とまれ、今回はそんなファルサスの問題に始まり、生まれ変わったティナーシャ周りの話から、続く別大陸のお話まで。アチコチを転々とするだけに、様々な場所の人々が繰り広げるエピソードの数々が毎回違った面白さがあって面白いですね。若き王様の出自にまつわる苦悩だったり、とある王子と女騎士の恋物語だったり。
でもやっぱりオスカーとティナーシャ見てるのがいちばん好きです。二人それぞれ待っている時間に似たような愛情の重さを感じるけど、若干その性質が違ってるのがとても良いのですよ。それに再会してからのアプローチの違いも面白いですよね。そして、表紙にもいる幼いティナーシャが可愛い。コロコロ姿変えてる描写はあれど、なかなか挿絵として違いを見る機会がないから、実に新鮮でした。できれば小間使いモードティナーシャもヴィジュアルで見たかったです。
3巻感想
いやぁ、良いですね!
これまでは片方が亡くなって、待ち続ける展開だったけど。両方同時に亡くなってしまったら……、呪具にまつわる問題に関わっていたらいつか訪れるだろうときがやって来た。
呪具を壊すにつれて二人の転生も弱まってきて、お互いにまっさらな状態になっては出会うことも難しくなってきて、徐々に共に暮らせる時間が減っていく……。それはとても苦しいことだし、二人はずっと幸せにあってほしいと思うけれど、本来人だった者が人外として生きていくためにその長い長い時の中で徐々に綻んできて……、というのはわたしの異種族異種間の性癖に刺さりすぎるから困る。そもそも全ての呪具を壊したら、最後には自分たちを滅ぼさねばならないという暗い覚悟がある旅というだけでも性癖なのに。その結果ateになってからわたしの情緒が本編以上に乱されてて本当にヤバいです。
ともあれ、呪具破壊も半分を超えて折り返し。二人の旅がどうなるのか。今回のような夢の中だけでも大好きな人に出会えたらみたいな美しいけど悲しい話ばかりにならないように願いたい。……でももう難しいんだろうな。
男女の友情は成立する?(いや、しないっ!!) 8
いっぱい悩んでた!!
……と、言うくらいしか感想が出てこないくらいいっぱい悩んでましたね!
俺は一体何のためにアクセサリーを作ってたんだ? あたしはこれからどうすればいいんだろう? 何で親友になりたかったんだっけ? とかなんとか三者三様に今更過ぎる疑問に頭を巡らせ巡らせ巡らせてたら1冊終わりました! ……うーん、一体何を見せられたんだろう、この巻?
いやいや、この巻は表紙にもなってる後輩の女の子二人と悠宇との話が主題じゃないかと、そう言いたいけど……、こいつらはこいつらで三人で喧嘩してただけなんだよな。……本当にこの1冊何やってたんだ?
ともあれ、実に不思議な巻でしたね! やはり個人的現電撃文庫二大巨頭の一角を担うと思っているこの作品は格が違います。それを再確認でき、今後も俄然楽しみになってきましたよ。
おわりに
今回はアンメモの既刊を全部読んでいきました。
アニメ放送もありましたが、Xでのフォロワーさんからのススメで読んだ感じですね。
そしてやっぱりファンタジー恋愛は最高だと思いました。個人的な性癖に刺さる異種族恋愛が堪能できました。
来週はまだ買って読めていない電撃文庫の新刊を読んだりしようかなと思います。