今回の感想は2024年3月のMF文庫J新作「黒幕ゲーム 学園の黒幕ですが完全犯罪で世界を救ってもいいですか？」です。
※画像はAmazonリンク
あらすじ（BWより引用）
『ライアー・ライアー』の久追遥希×たかやKiの未来を賭けた学園暗躍劇！
俺、積木来都（つみき・らいと）は未来が視える――だから、このままだと破滅の未来を迎えてしまう世界を救うために、ある決断をした。
それは、最強の正義の味方・捕獲者（ハンター）の養成機関である永彩（えいさい）学園の内部で完全犯罪組織の黒幕となることだ。
無敵のお姫様怪盗、暗殺一家の箱入り娘、国民を騙した天才詐欺師、ギャルマッドサイエンティスト――とびきり優秀で頼もしくハチャメチャな仲間をスカウトし、“完全犯罪”を成立させて未来を改変していくこと。そして世界を破滅させる真の黒幕を暴き、学園に蠢（うごめ）く闇の秘密結社を出し抜き戦いを制する。
すべては未来を、いや、彼女を救うために――では、黒幕の暗躍をお見せするとしよう。
感想
クロスコネクト、ライアーライアーに続く久追先生の新作！！
期待通りにしっかり面白かったです、というより今後も楽しみなシリーズが来たぞ！
というのが素直な感想でしょうか。
本作は異能力を持つ人々が生まれるようになって、それに伴う犯罪と取り締まるための体制が構築された世界観。主人公が未来予知の能力で、片想いのヒロインが三年後の凶悪犯罪で亡くなることを知って回避するために水面下で奮闘するお話です。
この1巻はそのための仲間集めの巻で、主要キャラの顔見せ、主人公たちの初陣と言った感じにまとまってました。
そして、そのプロローグの巻として読者の期待と不穏をしっかり煽ってくるのがとても良かった！
そのキーとなるのは、やはり本作の異能力設定。
未来予知のように真っ当に「今後の課題」を示せる能力は、当然シリーズものとしての不穏な影を示すのに効果的ですし。
それに加えて、本作は異能力に代償も存在していて。これもまた非常に大きな問題として話の根幹に食い込んできます。特に主人公とその周囲のキャラたちの関係性に深みを増すためのアクセントとしてめちゃくちゃ大きい。これが今後果たしてどのように働いていくのかも要注目ですね。
主人公以外のキャラも、それぞれが一芸に特化しており、1巻の顔見せとしてはしっかり印象に残るものになっている一方で。三年後の凶悪犯罪を乗り越えるためには仲間としての強固な信頼関係を築いていく必要があるので、その一癖二癖ある性格にしっかり踏み込む必要があるぞ、と。
すなわち、今後の展開として1人1人にフォーカスしたような巻があるのではないか？ という期待が生まれてきます。
そうなったら主人公の初恋のヒロインだけでなく、仲間たちだって最高に魅力的なんだぞというところを見せつけてほしいところ。久追先生のこれまでのヒロインがみんな抜群に可愛かっただけに、ここを楽しみにしてしまうわたしがいますね。
それから、本作もまた周囲を欺きながら事を進めていくような部分では前作ライアーライアーに近しいものを感じながら安定して読めるのは作者買いの身としては良かったと思います。未来を巡りアレコレ画策する主人公サイドと敵サイドの駆け引きを今後も楽しみに読んでいきたいと思います。
と、感想としてはこんな感じでしょうか。
最初にも言いましたが、これは今後が楽しみなシリーズです。キャラの顔見せ、プロローグの巻として非常に満足感のあるものになっていました。
※最後に追記。
挿絵に1つだけ、1つだけ言わせてほしいのですが。
どう見ても、B地区が浮き出てるようにしか見えない挿絵があったんだよなぁ……！！
いや、もちろんそんなわけないので服の皺とかなのだろうと理解はしますが、あれはどう見てもB地区だったんですって！ 少なくとも初見では、そうとしか見えないの！！ 重要なのは真実じゃないの、わたしがそう見えたという事実！！！
つまり、大変素晴らしい挿絵をありがとうございます、まる
総評
ストーリー・・・★★★☆ (7/10)
設定世界観・・・★★★☆ (7/10)
キャラの魅力・・・★★★★ (8/10)
イラスト・・・★★★★ (8/10)
次巻以降への期待・・・★★★★★ (10/10)
総合評価・・・★★★★(8/10) 今後も期待の久追先生の新シリーズが来たぞ！！
※星評価は10段階。白い☆で1つ、黒い★で2つ分。★★☆だと評価は5、★★★★★だと評価は10ということになります。基本的には「面白さ」よりも「わたしが好きかどうか」の評価になります。評価基準に関しての詳細は以下のリンクより。
新作ラノベ感想の「総評」について - ぎんちゅうのラノベ記録
最後にブックウォーカーのリンクを貼っておきます。気になったらチェックしてみてください。
