ぎんちゅうのラノベ記録

主に読んだライトノベルの感想を書いています。

【新作ラノベ感想part2】双星の天剣使い

 今回紹介するのは2022年11月ファンタジア文庫新作の「双星の天剣使い」です。

双星の天剣使い1 (富士見ファンタジア文庫)

※画像はAmazonリンク

 

 

あらすじ

 帝国北方の辺境を守る名門・張家のご令嬢ながらも、
 文武両道、才色兼備、民からも慕われる美少女、白玲(ハクレイ)。
 「貴方を助けてから――十年間、一緒に居ました。私が、貴方の背中を守りたいんです」「……全く、困ったお嬢様め!」
 一〇〇〇年前の不敗の英雄が転生した俺・隻影(セキエイ)を死の淵から救ったのが、彼女だ。

 それ以来、俺達は張家で兄妹のように鍛錬して暮らしてきた。
 だが、時は戦乱。異民族との戦争が始まり――
 「若の剣さばき、見えたか!?」「弓も百発百中!?」
 俺は前世の武才を活かして、白玲と共に天下無双の大活躍! 
 転生英雄と美少女達の戦乱ソードファンタジー、開幕!

 

感想

 過去の英雄の生まれ変わり。強大な異民族との戦い。敗北濃厚な戦いの中だからこそ光る主人公とヒロインの絆。そして、敵方の皇帝もまた過去との因縁がありそうで……。次巻以降も苦しい展開が続くでしょうし、そんな中でどう生き抜いていくのか非常に楽しみなところ。

 設定も世界観も、中華風ファンタジーで戦乱の世ならではの戦闘描写も文句なし、に面白い作品

 

 なのですけど……正直、キャラの関係性だけは不満点。

 何が不満なのか色々考えてみて。天秤の釣り合いが取れていないのが、わたしは嫌なんじゃないかなって思ったんですよね。

 

 白玲のどう見ても隻影大好きな感情の重さに、隻影が命の恩人として白玲を大切に思う気持ちが足りてないように感じる。
 二人だけの絶対的な絆、のような部分で物足りないと思ってしまう。

 

 これが明らかな両片想いで、だけど隻影は自分が拾われた居候だから常に遠慮しているみたいなのとか。隻影は恋愛感情ではないけど、命の恩人への忠義として常に白玲最優先で行動するとか。
 何かあっていいと思うんですよね。これだと白玲の愛だけが滑ってる感じがするの。

 

 わたし、幼馴染ヒロインの一方的な思い込みみたいなのが数少ない地雷になってるから、これはその地雷スレスレなんですよね。折角の可愛いヒロインを素直に可愛いと思えなくなってしまいます。でも、それは嫌なので、主人公が全部悪いということにするべきかもしれない……。

 

 というかですね、わたしみたいな人間がいちばん言いたいのはさ、その気がない女の子に結婚するとかいう約束をしないでほしいんだよね。もちろん明鈴の件。その子にも失礼だし、白玲の想いに気づいていないでそういうこと言うのもイラッとするし。

 

 で、そういうこと言うもんだからヒロイン同士の謎の争いも始まるわけでしょ? あれ、絶対いらないじゃん……。最初から隻影が恋とかじゃなくてもいいから、自分にはいちばん大切にしたい人が既にいるから無理だって、そう言えばいいのに。

 

 この作品ってタイトルが、双星の天剣使い、なわけで、その双星は隻影と白玲を表してるんでしょう? だったら変に他のヒロインを出さないでほしい。二人だけの関係性で戦ってほしい。明鈴とか、明確に年下だったり年上だったりで、ヒロインじゃなくてもいいポジションじゃないですか……。

 

 面白い作品、面白いテーマ、面白い世界観があってもそこで実際に動いて戦うメインのキャラたちの関係性で不満が出るのはかなり大きな痛手の気がする……。

 ここから関係性をもっと深めればいいじゃん、とか思うかもだけど。それが正直イメージできないんだよな……。いつまでも嫉妬してる白玲の姿が目に浮かぶ。女の子が嫉妬するのって、基本的に男側が悪いんですよね。ああ、やっぱり主人公の問題か……。

 

 ともあれ、感想としてはこんな感じ。
 素直に作品として面白いと思う気持ちが100あるとすれば、キャラへの不満は500くらい出てくる作品でした。

 

 それはそうと表紙のスリットから見える脚と鼠径部めっちゃえっちじゃないですか?

 

総評

 ストーリー・・・★★★☆ (7/10)

 設定世界観・・・★★★☆ (7/10)

 キャラの魅力・・・☆ (1/10)

 イラスト・・・★★★★ (8/10)

 次巻以降への期待・・・★★★ (6/10)

 

 総合評価・・・★★(4/10) キャラを一番重要視するわたしとしては、画竜点睛を欠く作品。とりあえず、2巻も発売されたらそのうち読むとは思いますが、優先度はかなり低くなります。

 

※星評価は10段階。白い☆で1つ、黒い★で2つ分。★★☆だと評価は5、★★★★★だと評価は10ということになります。基本的には「面白さ」よりも「わたしが好きかどうか」の評価になります。評価基準に関しての詳細は以下のリンクより。

新作ラノベ感想の「総評」について - ぎんちゅうのラノベ記録

 
 最後にブックウォーカーのリンクを貼っておきます。気になったらチェックしてみてください。