ぎんちゅうのラノベ記録

主に読んだライトノベルの感想を書いています。

【新作ラノベ感想part51】ポンコツ最終兵器は恋を知りたい

 今回の感想は2022年12月のファミ通文庫新作で「ポンコツ最終兵器は恋を知りたい」です。

ポンコツ最終兵器は恋を知りたい (ファミ通文庫)

※画像はAmazonリンク

 

 

あらすじ

 「マスター、“恋”とはなんでしょうか?」

 遺跡探索を生業とするミコトが、今回の調査で見つけたのは眠れる美少女だった。サイファーと名乗った少女は名前以外の記憶をなくしており、さらには見たこともない装備と武装を駆使する能力を持っていた。ミコトのことをマスターと呼び慕ってくるサイファー。しかしミコトは《人型災害》と呼ばれるほどの不幸体質で誰かといるのは好ましくない……のだが、ミコトに降りかかる災いをサイファーはその武力で解決していく。そんな頼もしい彼女が興味を示したのは“恋”することのようで――。人型災害×最終兵器の“恋”をするための旅が始まる。

 

感想

 魔奴愛の作者の新作と言うことで読んでみましたが、

 

 うん、面白かったですね〜。

 

 古き良きボーイ・ミーツ・ガールって感じです。不幸体質で災害を招く少年と、かつての時代の遺産として残された兵器の少女。世界にとって害となる二人の出会いと始まる恋の物語という感じのやつ。

 あらすじにあるように、主人公ミコトは《人型災害》と呼ばれるほどの不幸体質の少年。存在するだけで自分を中心に不幸な出来事ばかりが起こって、具体的には持ち物がすぐに破損したり、遺跡探索ではトラップに必ずと言ってもいいほどにかかったり。そんなミコトだから基本的には誰とも関わらずにいたのだけど……、出会った最終兵器や少女サイファーだけはそんなミコトの振りまく不幸をモノともせずに……。

 と、割と序盤からミコト側の視点から見てサイファーを特別に思うのはすごくよく分かる。

 しかしそれと同時に不幸にしかなれない少年が出会った少女がただの少女なわけがないよね、と言わんばかりに”最終兵器”だなんて言われることが中盤以降の展開へ期待を持たせている感じです。そしてその期待を外すことはないでしょう。

 

 世界か大切な彼女か、そんな二択を問いかける作品だとやはり感じるのは「決して二人が悪いわけではないのに……」という気持ちでした。

 世界のために、という理由で死ななければならないと言われる少女と、彼女と共にいたいと願う少年という構図はやはりやるせないと思いますよね。でも大人の事情が仕方ないのも分かるし、でもでもミコトやサイファーはただ生きてるだけなのにと言いたくなる気持ちもあるんですよ。

 だからこそ、どうにかこうにか二人が平和であれる未来があってほしいなと思いますが……、簡単にはいかなそうですよね。

 

 さて、少し話を転換して。

 本作はそんなボーイ・ミーツ・ガールでありながらも、軽快なラブコメとしての味わいも大きめでした。読み口として結構軽い感じ。

 この要因としては主人公とヒロインのノリがあると思っていて。

 特に主人公のミコトが、作者もあとがきで述べていたようにまだ幼い中学生くらいの少年で、だからこそサイファーに対しての反応も思春期特有の意識しすぎ感があるんですよね。見てて、なんというか、小っ恥ずかしい。だからここは少し好みが分かれそうかもしれませんね。

 ただ、まだ幼いからこその真っ直ぐさはあると思っていて、それは普通ではないサイファーと向き合うには重要なものなんじゃないかなと思ってたりもします。

 また、一方でヒロインのサイファーは兵器になった元人間? ということで一度は兵器となり感情や戦闘以外の感覚を失った過去があるけど、それが現代で再起動して再び取り戻していくという過程は率直にいって性癖です。最高です。可愛いですね。

 

 まぁ、そんな具合で、二人の今後がどうなるかがどうなるかは気になるところです。

 

総評

 ストーリー・・・★★☆ (5/10)

 設定世界観・・・★★★ (6/10)

 キャラの魅力・・・★★★ (6/10)

 イラスト・・・★★★ (6/10)

 次巻以降への期待・・・★★☆ (5/10)

 

 総合評価・・・★★☆(5/10) 古き良きボーイミーツガール、二人の行く末がどうなるのか気になりますね。

 

 ※星評価は10段階。白い☆で1つ、黒い★で2つ分。★★☆だと評価は5、★★★★★だと評価は10ということになります。基本的には「面白さ」よりも「わたしが好きかどうか」の評価になります。評価基準に関しての詳細は以下のリンクより。

新作ラノベ感想の「総評」について - ぎんちゅうのラノベ記録

 

 最後にブックウォーカーのリンクを貼っておきます。気になったらチェックしてみてください。

bookwalker.jp