ぎんちゅうのラノベ記録

主に読んだライトノベルの感想を書いています。

【新作ラノベ感想part134】嘘つきリップは恋で崩れる

 今回の感想は2024年1月のGA文庫新作「嘘つきリップは恋で崩れる」です。

嘘つきリップは恋で崩れる (GA文庫)

※画像はAmazonリンク

 

 

あらすじ(BWより引用

 おひとりさま至上主義を掲げる大学生・相楽創平。彼のボロアパートの隣には、キラキラ系オシャレ美人女子大生・ハルコが住んでいる。

 冴えない相楽とは別世界の生物かと思われたハルコ。しかし、じつは彼女は……大学デビューに成功したすっぴん地味女だった!

 その秘密を知ってしまった相楽は、おひとりさま生活維持のため、隙だらけなハルコに協力することに。

 「おまえがキラキラ女子になれたら、俺に関わる必要なくなるだろ」

 「相楽くん、拗らせてるね……」

 素顔がバレたら薔薇色キャンパスライフは崩壊確実!? 冴えないおひとりさま男と養殖キラキラ女、噛み合わない2人の青春の行方は――?

 

感想

 実に綺麗でピュアな恋愛モノでしたね!

 拗らせた主人公と大学デビュー女子。実は高校の同級生で今はお隣さんという些細な接点から、それまで一切関わりがなかった二人の交流が始まっていき、やがては恋に変わって……、言ってしまえばただそれだけのお話。

 しかしながら、その過程がとにかく丁寧で、かつ等身大の少年少女というものが味わえることでとても満足感のある作品でした。

 また、積極的に関わってくるヒロイン、だけど心根は真面目で臆病だから踏み出すのに躊躇してしまう。一方でヒロインに素っ気ない態度を取りつつも、彼女の抱える弱さをしっかり受け止められる優しさがある主人公。そんな対比もザ・王道と言えるボーイミーツガールで良かったのですよね。

 

 そんな本作の肝はやはり、主人公とヒロインそれぞれの抱える問題でしょう。

 ヒロインであれば「大学デビューがバレたらどうしよう」という、傍から見たらたかがそんなことと切って捨てられる、それでも本人にとっては深刻な悩み。この問題の具合が実に等身大で良いのですよ。

 そしていっぱい悩んで迷って苦しんで、そんなときにいつも側にいて支えてくれたのは誰だろうって。薔薇色の大学生活にしたい、そんな漠然とした目標だけ持って大学デビューした少女がようやく気づいた薔薇色の日々を一緒に過ごして欲しい人は……。

 

 主人公サイドから見ても同じ。

 1人でいたい、誰とも深く関わりたくない。そのためにバイトして生活費も自分で稼ぐのだ。ずっとそれだけ思っていたはずなのに……、いつの間にか、気がついたら、変わってしまっている。

 だけど認めたくなくて、受け入れられなくて、とウジウジしている様子は周囲から見れば本当に面倒くさい。それこそ彼や彼女の友人が口を挟みたくなってしまうくらいに。だけど、やっぱりこれも主人公本人にとっては重要な問題なのだろうと思えばこそ、この二人はお似合いなんだろうなって感じてしまいますよね。

 

 だからこそ、そんな二人が寄り添い。支え合って。お互いに助け合って。

 そうして一歩踏み出すことができたこの綺麗な恋物語が良かったと思えます。

 

総評

 ストーリー・・・★★★ (6/10)

 設定世界観・・・★★★ (6/10)

 キャラの魅力・・・★★★★ (8/10)

 イラスト・・・★★★★ (8/10)

 

 総合評価・・・★★★☆(7/10) 真っ直ぐで綺麗な恋物語でした!

 

 ※星評価は10段階。白い☆で1つ、黒い★で2つ分。★★☆だと評価は5、★★★★★だと評価は10ということになります。基本的には「面白さ」よりも「わたしが好きかどうか」の評価になります。評価基準に関しての詳細は以下のリンクより。

新作ラノベ感想の「総評」について - ぎんちゅうのラノベ記録

 

 最後にブックウォーカーのリンクを貼っておきます。気になったらチェックしてみてください。

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