今回の感想は2022年2月のMF文庫J新作の「さあ、脱獄を始めましょう」です。
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あらすじ
俺の暮らすこの町全体が一つの監獄!? 衝撃のバトルファンタジー!
都市パノプティコン。四方を山に囲まれた、美しい町。そこで暮らす少年ヴァンは、なんの変哲もない平凡な人生を送っていた。ところが、プラチナに輝く髪を持つ謎の少女・ダイヤと出会って以来、彼は少しずつ平凡な生活の「歪み」に気づいていく。そして決定的な違和感、町の外に「壁」を見つけてしまったヴァンに、ダイヤは告げる。
「ここは監獄。貴方は囚人で私は看守です」
そう、このパノプティコンは町全体で一つの監獄、そしてヴァンは記憶を失った犯罪者だと言うのだ──!
これは、囚人と看守による巨大な監獄都市からの「脱獄」の物語。
感想
主人公が自分の暮らす町の真実を知ってしまい、平凡な生活から強制労働の日々へ。その中で真実を隠蔽する看守と真実を知っている他の囚人たちとの間で誰が味方か敵か、みたいなサスペンス的な部分があって。果てには異能バトルも勃発。
物語としてはざっくりこういう感じですよね。
まず、この要素要素が世界観をしっかり活かした内容になっていてとても面白い作品でした。
他作品を引き合いにして説明するなら、約束のネバーランドのような作品でしょうか。あの作品のダークファンタジー的な部分が異能バトルに置き換わった感じをイメージしてもらうといいのかな?
そう考えると、この設定で上手く調理している作品が面白くないわけ無いと思うのですよ。
とはいえ、この1巻は監獄都市の中だけで話が完結していて、まだ主人公が自分から行動をすることがない。主人公は真実を知って翻弄される段階。なので、タイトルの脱獄要素がゼロなんですよね。
なので、ここで言う「面白い」というのは、先の展開を予想して見ることも含めての面白いになっています。この1冊だけを見ると、まだまだ話も序盤で盛り上げりには欠けてしまう部分もあるのかもしれない。
けれど、言ったように続く内容を想像すると面白いで満ち溢れているのもまた事実。
監獄都市の外では世界の危機が迫っている、みたいな記憶をおぼろげに思い出しているようで、最終的な目的が監獄都市を抜け出してこの問題を解決するのだと明確になっているためにそこに至る過程も気になりますしね。
監獄都市で様々な事件が起こったりして、その中で外の世界の危機に関する新しい情報が増えたりして、その増えた情報が混ざると別の真実が見えてきたりして……、みたいな感じになるんですかね? どうなんでしょう?
また、表紙の看守ヒロインにも何かありそうですよね。主人公に対する態度とか、今後の恋愛的な進展とか、気になる部分が多いです。そしてまだ二人の関係性は細いものですけど、これが少しづつ太く強いものになっていく……、バディモノのような変化にも期待できるところ。
他にも、同じ囚人仲間の親友キャラとの関係や、腹が読めない敵対関係みたいなものも、この先入り乱れてくると面白そうですよね。
キャラ魅力としても申し分ない。
とりあえず、まとめますと。
設定を活かした展開や話のキーとなる要素が面白い、あるいはこれから面白くなりそうというものに満ちている作品ですね。現時点では、超面白い、と声を上げて絶賛する感じじゃないんですけど、すごい面白い、続き読みたい、最後の結末どうなるのかな、と思えました!
というわけで、続巻しっかり出してください!
(と、わたしがこの作品を2022年2月に読んでから、この記事を書いている12月まで続巻の音沙汰はないんだけどね・・・)
総評
ストーリー・・・★★★★ (8/10)
設定世界観・・・★★★★ (8/10)
キャラの魅力・・・★★★☆ (7/10)
イラスト・・・★★★ (6/10)
次巻以降への期待・・・★★★★☆ (9/10)
総合評価・・・★★★☆(7/10) 続き、続きが読みたい!!
※星評価は10段階。白い☆で1つ、黒い★で2つ分。★★☆だと評価は5、★★★★★だと評価は10ということになります。基本的には「面白さ」よりも「わたしが好きかどうか」の評価になります。評価基準に関しての詳細は以下のリンクより。
新作ラノベ感想の「総評」について - ぎんちゅうのラノベ記録
最後にブックウォーカーのリンクを貼っておきます。気になったらチェックしてみてください。