ぎんちゅうのラノベ記録

主に読んだライトノベルの感想を書いています。

【新作ラノベ感想part88】不死探偵・冷堂紅葉

 今回の感想は2023年7月のGA文庫の新作「不死探偵・冷堂紅葉」です。

不死探偵・冷堂紅葉 01.君とのキスは密室で【電子イラスト特典付き】 (GA文庫)

※画像はAmazonリンク

 

 

あらすじ(BWより引用

 七月■日。謎の美少女・冷堂紅葉(れいどうもみじ)が転校してきた夏の日、

 クラスメイトが殺された。密室殺人だった。

 「私達で事件を解決しましょう、天内くん」

 「まるでミステリ小説の名探偵みたいだな」

 廃部寸前の文学研究会に所属する俺・天内晴麻(あまないはるま)は、なぜか転校生に事件の調査を依頼される。

 そして冷堂も殺された――はずだった。誰にも解かれることのない究極の密室で。

 「私を殺した犯人を見つけて下さいね――探偵さん」

 不死探偵と“普通”の相棒。再現不可能な殺人事件に挑む学園ミステリー、堂々開幕!

 事件の真相に迫る時、君と最後の××をする。

 

感想

 読む前からかなりワクワクしていた本作。

 不死探偵、というタイトルからヒロインが不死なのかな? あらすじには明確にそういうファンタジーっぽい要素は書かれてないけど……はてさて、という気持ちで読み始めました。

 

 結論としては、満足の1冊でした!

 

 まず、最初に気になっていた不死探偵という要素。

 ヒロインはしっかり不老不死でした。

 そしてヒロインに限らず主人公もまた特殊な能力を持っていて、それがキスをすると僅かな時間を遡ることができるというもの。またこの他にも作中では特殊な能力を持った人物がいるように描かれていました。

 

 となると、本作はファンタジーな事件の謎を解かなきゃいけないのか? と思われるかもしれませんが。

 不死や時間遡行といったこれらの要素は、直接的に事件に関わるというよりは、事件の捜査に活用したり、キャラの背景を深掘りするためのアクセント程度に留まっていたように思えます。あくまで事件そのものは現実的な動機、現実的な手法に留まっている。

 

 個人的にはこれによってしっかりキャラ小説としての魅力を生み出していた部分が良かったなと思っています。

 不死のヒロイン、高校生だけど実は見た目よりお姉さん……という王道のギャップにまず萌えますし。

 主人公もヒロインも能力があったが故の苦い過去があって、だからこその二人の関係性というものに惹かれてしまう。また、恋愛をしようにも不老不死の少女と、キスをしたら過去に戻ってしまう少年、なんていうなかなか苦労しそうな感じも何だかニマニマしちゃいますよね。

 

 そうでなくとも、冷堂紅葉というヒロインはシンプルに可愛かったです。

 燃費が悪く、よく食べる、お腹の音がすごい大きくて恥じらう様子だったり。お腹と生脚を見せるのは無理だという羞恥心だったり。あるいは、特殊な能力はあっても普通の高校生として友人と過ごす日々に無邪気な笑顔を浮かべたり。

 

 そして、これは詳しく語りませんがメロンブックスさんの特典SSの内容がいちばんわたしの性癖!!!

 こういう小話が本編にあれば良かったのになぁと思ってたものがドンピシャであったんですよ!!!

 不老不死とか、ファンタジーな要素がこういう日常の生活やキャラのちょっとした悩みに根付くっていうのがもう大好物なんですよ!!!

 

 素晴らしい!!!

 これだけでこの作品100点あげたくなっちゃう!!!



 ……よし、一旦、落ち着きましょう。



 ミステリなので、その内容や事件そのものに触れる感想は控えようとしたらキャラと設定の部分にめちゃめちゃ踏み込んだ感想になってしまってますね💦

 

 一応、1冊の物語としての所感も簡単に話して、今回の感想のまとめにしましょうか。

 本作は序盤で事件と謎をしっかり広げて、中盤では事件に関わる人物を描き、終盤でそれらの情報をしっかりまとめて解決に導く、という丁寧な話運びプラスしっかりここまでに述べたようなキャラの魅力で終始楽しめるようになっていたと思います。

 ですので、本作は総じてミステリはミステリとして、ファンタジーはファンタジーとして、キャラはキャラとして、1つ1つの良さをしっかり独立させて見せた上で、中途半端に混ぜることなく組み合わせるときには組み合わせる、というのが上手くできていたのが良かったのではないかと思います。

 

 感想のまとめとしては、こんな感じですかね。

 

総評

 ストーリー・・・★★★☆ (7/10)

 設定世界観・・・★★★★ (8/10)

 キャラの魅力・・・★★★★☆ (9/10)

 イラスト・・・★★★☆ (7/10)

 次巻以降への期待・・・★★★★ (8/10)

 

 総合評価・・・★★★★(8/10) ミステリとしてもキャラ小説としても十分楽しめました!(冷堂紅葉がめっちゃ可愛い!!)

 

 ※星評価は10段階。白い☆で1つ、黒い★で2つ分。★★☆だと評価は5、★★★★★だと評価は10ということになります。基本的には「面白さ」よりも「わたしが好きかどうか」の評価になります。評価基準に関しての詳細は以下のリンクより。

新作ラノベ感想の「総評」について - ぎんちゅうのラノベ記録

 

 最後にブックウォーカーのリンクを貼っておきます。気になったらチェックしてみてください。

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