ぎんちゅうのラノベ記録

主に読んだライトノベルの感想を書いています。

【新作ラノベ感想part118】陰キャぼっちは決めつけたい

 今回の感想は2023年10月のMF文庫J新作「陰キャぼっちは決めつけたい」です。

陰キャぼっちは決めつけたい これは絶対陽キャのしわざ!【電子特典付き】 (MF文庫J)

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あらすじ(BWより引用

 高校生になった雨原亮介は、かつての1番の親友に再会した。

 彼女は誰もが振り返るような美少女に成長して、そして――

 「アオハルしてる人たちがずるい!」

 ……高校生活は陽キャへの復讐に捧げる!という負のパワーをたぎらせていた。

 昔交わした約束を果たすため「復讐」に協力することになる亮介。

 だが、当の本人である岩里織羽は具体的な復讐の内容までは考えておらず、席を陽キャに奪われ居場所を求めて校内をさまよう日々。

 そんな折、なにやらもめている現場に遭遇。

 ここに復讐の糸口を見つけた織羽は、陽キャの鼻を明かすため首を突っ込んでいくことに!

 陰キャをこじらせた彼女の毒舌が事件を解決に導いて!?

 

感想

 うんうん、いいですね~

 クセ強ヒロインが巻き起こす偏見まみれの日常推理モノというのが、なかなかに面白い!



 この作品をざっくり、紹介すると。

 中学時代の友達関係での失敗から反陽キャ精神を持つようになって、青春を謳歌している陽キャたちの足を引っ張って少しでも不幸にしてやりたいと考えるヒロインが、主人公を振り回しながら学校内の様々な事件を解決していく日常短編連作……と、いった感じになるでしょうか。

 そのため章ごとに区切りが良く、読みやすいのがまず良かったですね。

 

 そして本作最大の強みは、やはりメインヒロインである織羽でしょう。

 自分が陽キャになれなかったから、陽キャの足を引っ張って少しでも不幸にしてやりたいと逆恨みも甚だしい復讐心を持つ彼女は、それはもう口を開けば偏見まみれの毒を吐きまくる。

 しかも、陽キャに関する偏見だけでなく、無差別攻撃かというくらいに多方面に喧嘩を売るような発言がドンドン出てきます。

 個人的に特に好きだったセリフは「陽キャの物がなくなったら、それは別の陽キャのしわざなの、社会はそういうものなの!」とかいう、随分狭い社会で生きてるなぁ(笑)と言いたくなるやつです。

 

 この色々な意味でこの子大丈夫かなと言いたくなるその姿は、まさに「残念系美少女」なヒロインですが、ここまで無差別に噛みつく様を見ているといっそ彼女の生き方が楽しいものに見えてくるんですよね。

 この女、何なら偏見持たないんだ……?

 と、逆に気になったりもしますしね(笑)

 

 

 一方のそんな彼女に振り回される主人公はいたって普通。

 影が薄いと言ってもいいような?

 他人との会話に関しての自己嫌悪や一人反省会が度々地の文で挟まれて、ヒロインのこじらせと同じくらいには、陰キャ極めてるなと思いますが全体として見たときにはやはり影が薄い。(それが真の陰キャたる所以かしら?)

 

 ただ、それもあまり悪い意味ではなく。

 本作はヒロインの「陽キャは絶対裏で悪いことをやっている」という決めつけから始まる学校内の小さな事件を解決していくようなお話なので、そんなヒロインの猪突猛進さを際立たせるという意味では、いつも彼女の隣にいてくれてなにか気づいたら謎解きのアドバイスをするくらいの立ち位置が丁度良かったのかと。ヒロインによっての心の拠り所、安心できる相手としてもベストなポジションでしたしね。

 

 

 あと個人的には、この平凡な主人公が、ヒロインに振り回される学園モノ。ともすれば最近あまり見ることのなくなった「謎部活」系作品としての空気感が好みで良い作品だと思いました。

 

総評

 ストーリー・・・★★☆ (5/10)

 設定世界観・・・★★★ (6/10)

 キャラの魅力・・・★★★★ (8/10)

 イラスト・・・★★★☆ (7/10)

 次巻以降への期待・・・★★★☆ (7/10)

 

 総合評価・・・★★★☆(7/10) 令和の新しい謎部活モノの風を起こすのか、今後も楽しみです

 

 ※星評価は10段階。白い☆で1つ、黒い★で2つ分。★★☆だと評価は5、★★★★★だと評価は10ということになります。基本的には「面白さ」よりも「わたしが好きかどうか」の評価になります。評価基準に関しての詳細は以下のリンクより。

新作ラノベ感想の「総評」について - ぎんちゅうのラノベ記録

 

 最後にブックウォーカーのリンクを貼っておきます。気になったらチェックしてみてください。

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