今回の感想は2023年11月のガガガ文庫新作「死神と聖女」です。
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あらすじ(BWより引用)
時は聖歴一九三〇年。この世界では二つの大国が鋭く対立している。
「魔術」により世界を統べんとする「帝国」。「天使術」により世を治めんとする「教国」。
両国は、世界に10人しかいない「聖女」をめぐり暗闘を繰り広げていた。「聖女」とは超常の力を行使し、奇跡を起こす存在。その「聖女」を敵国に先駆け獲得できるか否かが国家の命運を決めるのだ。「帝国」最強と目される「魔術師」にして〈死神〉の異名を持つ暗殺者である少女メアリは、命を賭しても果たすべき使命を告げられる。「教国の全寮制女子学園に潜入し、そこに匿われる一人の聖女を暗殺せよ」。
〈死神〉と「聖女」が出会うとき、残酷な運命に翻弄される少女たちを巡る、新たな物語が幕を開ける。
ガガガ文庫初登場、『魔術破りのリベンジ・マギア』の子子子子 子子子(ねこじし こねこ)が満を持して贈る、豪華絢爛異能少女バトルファンタジー!
イラストはコミック『悪魔のリドル』『「お前ごときが魔王に勝てると思うな」と勇者パーティを追放されたので、王都で気ままに暮らしたい THE COMIC』の南方 純(みなかた すなお)が執筆!
感想
めちゃくちゃ綺麗な作品、間違いない面白さ!
本作はあらすじにあるように魔術を扱う帝国と、天使術を扱う教国による争いが続く世界で、死神の異名を持つ少女メアリが、聖女の一人であるステラの暗殺を命じられるところから始まるお話です。
この作品はとにかく読者の期待を裏切ってくれない。
こういう展開になるだろう、と思ったモノが必ずあります。
序盤から示唆されるメアリの過去、ステラの持つ聖女の能力と代償。
これらを見た瞬間にとりあえず終盤の展開を察します。
二人がそれぞれああいう行動を取るだろうことも、それぞれの持つ能力がどう使われていくのかも、そしてメアリの過去がどう繋がってくるかも。
最初こそただの任務でステラに近づいただけなのに……、と変わりゆくメアリの心。
対して聖女として周囲に壁を作っていたのにずかずかと自分の心に踏み込んできたメアリと出会って、溶かされていくステラの心。
二人の絆が深まって、終盤に突入すれば最初に想像していた伏線を余すことなく回収してくれます。予定調和と言って良いほどで、ここまで想像を外さないのも逆に気持ちいいくらいです。
そして、天使の力を行使するといった設定部分に関しての描写や世界観に関して深いこだわりを感じ、実際にあとがきでは参考文献が多数示されるほどに熱量が込められている作品だったのでその完成度の高さを肌で感じること間違いなし。
完璧なストーリーとキャラの心情変化、細部まで作り込まれた世界観に設定。
めちゃくちゃ綺麗な作品で、間違いない面白さがあるとはそういうことです。
400ページ越えのボリュームもあって、劇場アニメ的な1冊の満足感もありました。
とりあえず読んでみて外すことはないでしょう。
ただ、面白かったのは本当ですが、個人的には好みや性癖に刺さる部分がなかったのが惜しかったかなと。
総評
ストーリー・・・★★★☆ (7/10)
設定世界観・・・★★★☆ (7/10)
キャラの魅力・・・★★★☆ (7/10)
イラスト・・・★★★☆ (7/10)
次巻以降への期待・・・★★★ (6/10)
総合評価・・・★★★☆(7/10) 面白いのは間違いないですけど、個人的にこれがめっちゃ好きという要素は無かったので今回は☆7です。
※星評価は10段階。白い☆で1つ、黒い★で2つ分。★★☆だと評価は5、★★★★★だと評価は10ということになります。基本的には「面白さ」よりも「わたしが好きかどうか」の評価になります。評価基準に関しての詳細は以下のリンクより。
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最後にブックウォーカーのリンクを貼っておきます。気になったらチェックしてみてください。